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大劇場に現れた3匹のタヌキ

宝塚歌劇を楽しもう

みなさまこんにちは。

月組『今夜、ロマンス劇場で』の宝塚大劇場公演は、1月31日に千秋楽を終えました。

大劇場のある兵庫県でも、1月の感染拡大の勢いはすさまじいものでした。

近隣在住の筆者も緊張感とともに暮らしていましたが、幸いにも、本作を3回観劇することができました。

途中で蓮つかささんのケガ休演があり、偶然にも3人分の「狸吉」を観ることとなりました。

珍しい経験をさせてもらいましたので、レポートします。

(場面内容も含みますので、ご観劇がまだの方はご注意ください)

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1匹め 蓮つかささん

モノクロ映画「お転婆姫と三獣士」の三獣士は、狸吉(タヌキチ・蓮つかささん)、虎衛門(トラエモン・英かおとさん)、鳩三郎(柊木絢斗さん)の3人いや3匹組。

舞台のスクリーンに映し出されるモノクロ映画の中では、お転婆姫・美雪(海乃美月さん)の従者いや従獣?として、姫様に言い寄る大蛇丸(暁千星さん)と従者に立ち向かいます。

が、どう見ても一番強そうなのはお姫様。

2017年月組公演『All for One』で暁さんが演じた劇中劇、「反撃の巨人」タイタンと同じポーズで、大きな石を持ち上げる勇ましさです。

お姫様に比べれば、へなちょこの三獣士ではありますが、蓮つかささん演じる狸吉は、責任感は強そうで、一番頼りになりそうです。

虎衛門は大蛇丸にうっかり姫様の秘密をバラしてしまうし、鳩三郎は情感込めたクルックー!しか言いません。

狸吉は、三獣士の兄貴分としてしっかりみんなをまとめるという、蓮さんの持ち味にぴったりな役でした。

2匹め 大楠てらさん

蓮さんの休演が発表され、1月16日(日)~18日(火)の3日間は、新人公演で狸吉役の大楠てらさんが代役となりました。本公演では助監督の岡林役をしています。

大楠さんといえば、身長180センチのスターさん。

高層化著しい月組男役の中でも筆頭格です。

102期生で、鳩三郎役の柊木絢斗さんと同期です。

虎衛門の英さん(172センチ)と並んでも、際立つデカさ。

存在感ありすぎだけど、立ち居振る舞いや台詞回しはおぼこくて、思わず応援したくなる狸吉でした。

その横に並ぶ英虎衛門は、蓮狸吉の横ではお調子者の弟風情だったのに、すっかり頼もしい兄貴になっていました。クルックーも、さらに一生懸命でした。演技が達者な柊木さん、鳩三郎は当たり役ですね。

モノクロ映画のシーンは、蓮狸吉のまま。筆者は嬉しかったです。

3匹め 朝陽つばささん

休演日を挟み、1月20日(木)から千秋楽まで、狸吉が朝陽つばささんに変わりました。

朝陽さんは99期。

今期の「スカイステージ」スカイ・ナビゲーターズとして、「タカラヅカニュース」のMCを務めています。

2018年月組『雨に唄えば』では、佳城葵さんの代役で、発声法の先生となり、見事に早口言葉とアドリブをやり切りました。

代役で、毎日珠城りょうさんと美弥るりかさんを相手にアドリブをするとは、すごいです。

『今夜、ロマンス劇場で』では、朝陽さんは元々、警官役です。

トップコンビとのやり取りや、ひとり芝居でストーリーをつなぐなど見せ場も多く、溌剌とした演技で目立っていました。

公演期間の中盤になるとさらに余裕が出て、銀橋から客席に向かってひとこと投げかけ、笑いが起きていました。

これは進化が楽しみだなあと思っていると、狸吉の代役になることが発表されました。

筆者の3回目の観劇は、千秋楽直前でした。

三獣士が出てきて、狸吉の朝陽さんを確認…いや、なんか違う。朝陽さんじゃ無くなったのか? もう一度オペラで確認。いや、こんなお顔だったっけ?

そこには、警官役や普段の溌剌としたオーラをすっかり消した、のんきでまあるい狸吉が居ました。

見事にタヌキに化けておられました。

朝陽さん、化けるの上手ですね。

いくらタヌキメイクをしているとはいえ、紫門ゆりやさんのようなカメレオン俳優とお見受けしました。

そしてこの三獣士は、朝陽狸吉と英虎衛門が99期の同期コンビ。

チャキチャキの英虎衛門が基本は仕切っているようでしたが、うっかり発言をすると、のんびり朝陽狸吉がシバいてました。

おわりに

休演のニュースには心が痛みますが、代役さんの予想外の輝きを目の当たりにし、気になるスターが増えたのも事実です。

休演者が相次ぐ中、舞台のボルテージを下げずに大劇場を完走されたのはお見事でした。

蓮さんはつい先日のスカイステージ「タカラヅカニュース」の「極撰舞台」で元気な姿を見せてくれました。

この公演は、97期の蓮さんにとっては、同期の海乃美月さんのトップ娘役大劇場お披露目公演であり、姫咲美礼さんの退団公演です。

蓮さん、そして他の休演者の方々が復帰なさるのを、あせらずに待ちたいと思います。

ライター:Dj heaven