宝塚歌劇団宙組の全国ツアーが、昨日の9月23日(月)に終了しました。
最終日(前楽)を観劇してまいりました!
前々から楽しみにしていた全国ツアー。
『追憶のバルセロナ』
『NICE GUY!!』
-その男、Sによる法則-
お芝居もショーも再演ものということで、ある程度内容は知っていました。
しかし、現在の宙組体制でどんな作品になるのか、ずっとドキドキしながら待っていました。
今の宙組で観られてよかった!
結果として、今の宙組でこの作品を観られて良かった!と心から思える満足度の高い公演でした。
特にショー『NICE GUY!!』は最初から最後まで最高!
暗めの舞台にたくさんの電飾が映える、ノスタルジックでアダルティなセット。
冒頭の男役スーツ祭り。
ジャズエイジを思わせる中詰のゴージャスな衣装。
全体の色遣い、音楽、振付……
演出の全てが、「お洒落で大人の色気があり、スマートでいながら遊び心を忘れない」
そんな宙組の魅力をこれでもか、これでもかと引き出している作品でした。
とにかくNICE GUYな真風涼帆
もはや安定感の塊ともいえる真風涼帆。立っているだけで絵になります!
大人の男の魅力を全面的に打ち出している今回のショーは、再演にもかかわらず当て書きだったのかと思えるほどスターとしての真風涼帆の魅力を200%に引き出していました。
主題歌では涼帆の「S」から始まる歌詞が連続する部分がありましたが(初演時は祐飛の「Y」)、優しさを感じさせながらも攻め攻めな歌詞に胸キュンでした。
お衣装の着こなしも素晴らしかったですね!
キーヴィジュアルにもなっている、ビジューの光る黒いジャケット姿は惚れ惚れする美しさ。
男役の美学を詰め込んだシックな着こなしがとてもお似合いです。
このジャケット姿の上に真っ白なロングコートを羽織った瞬間は美しすぎて頭がパンクしそうでした。
桜木みなととの絡みのシーンで着ていた赤いお衣装も新鮮でした。
長髪もセクシーで良いですね。
色気の塊でした……この二人のシーンはドキドキしながらオペラグラスでずっと観ていました。
ショーの一瞬一瞬があまりに美しくて、主題歌で「君の理想の男になって今迎えに行くよ」と歌われると、いやいやもうあなたが理想の男です!!!!と言いたくなります。
ところで、真風は男らしいシュッとしたヴィジュアルながらダンスはおっとり系で、そこがまた良いなあと常々思っています。
舞台姿が男前すぎて「ゆりかちゃん呼び」ができずいつも真風と書いてしまう筆者が、唯一舞台を観ながらでも愛称を受け入れられる瞬間です(?)。
中詰でステップを踏んだ後両手を上げてジャンプする振りを繰り返していたところの動きがなんだか可愛らしく、こんなに男前なのにどうしてキュートなんだ?と心が混乱しました。
真風涼帆、いやあ、本当に罪な男ですね……。
個性大爆発の芹香斗亜
ころころ変わる遊び心溢れる表情に、ちょっぴりチャラい雰囲気、そして耳にするとすぐにわかる独特の色気がある歌声。
ラムセスやラスティなどハマり役をいくつも演じ、ここにきてスター芹香斗亜としての個性を不動のものとした感があります。
今日もキキちゃんは最高にセクシーでした!
毎度のことながら、上目遣いでニヤッと笑う顔が素晴らしいです。
なんだか舞台を観るたびにどんどんキキちゃんを好きになっていってしまう自分が怖いです(笑)
公演プログラムで大介先生が芹香斗亜(キキちゃん)の「ノーブルさと面白さ・人間臭さのギャップ」が魅力と評されていますが、この一文にはとても共感。
ちょっといたずらっぽいところやワルっぽい表情、そしてコメディセンスがキキちゃんの個性を際立たせています。
しかし、それでいて宝塚らしい美しさを感じてウットリできるのは土台として揺るぎのない品の良さがあるからこそ。
確かなノーブルさの上で絶妙なハズしを入れてくる感じが、なんだかとってもお洒落に映ります。そう、芹香斗亜(キキちゃん)って「お洒落」なんだなあと思いました。
さて、そんな芹香斗亜(キキちゃん)の印象に残った場面はやっぱりハイスクールのシーン。
ダサい先生から一転、「ファンキー・キンキー・ティーチャー」の格好は、鮮やかなイエローのスーツに紫の羽ショール、そしてサングラスとかなりド派手だったので、このヴィジュアルが映えるスターオーラは只者ではない……!と改めて感じ入りました。
伝説のロックスターのよう。
終盤のまかまどキキのバランスの良さは最高。
良い時期に立ち会えているなあ、としみじみ実感しました。
真風涼帆&芹香斗亜の安定感が魅力
まかキキの安定感。
今の宙組の魅力の一つとして確実にあると思うのが「まかキキ」の安定感。
宙組の舞台はトップと二番手の距離が近いと思います。
圧倒的カッコよさを誇るトップと、トップに拮抗する輝きを放つ二番手。
学年の近さやキキちゃんの二番手キャリアの長さによるところもあるのでしょうが、このトップ・二番手コンビがここまで魅力的に映るのは、それぞれが積み重ねてきた確かなスターとしての実力に基づく余裕とお互いへの信頼があってのものだと思います。
肩に力の入りすぎていない、余裕のあるコンビ。
この二人の魅力が、大人っぽくおしゃれな舞台を印象づけているのだなと感じた観劇でした。
後半では桜木みなと、和希そらについて語ります!
ライター:ミナミ