宙組『オーシャンズ11』東京公演、観てきました!
前々から楽しみで仕方がなかったこの公演ですが、もう本当に最高でした。
クールで色気たっぷりの大人の男、真風ダニーや、頭のキレる策士、桜木ベネディクトをはじめ、スタイリッシュで都会的なまとまり方がまさに宙組のオーシャンズといった感じでした。
キャラの立った役が多いので一人一人の組子の活躍が堪能でき、宙組が好きで良かったなあと心の底から思えるひとときでした。
『オーシャンズ11』については書きたいことがたくさんありすぎて迷ってしまうのですが、今回は中でもその魅力を再確認した芹香斗亜(キキちゃん)にフォーカスします。
軽妙洒脱なちょいワル!芹香斗亜
軽妙洒脱なちょいワル、キキラスティ
さて、初演の星組版、2013年の花組版と続き3回目のオーシャンズとなった宙組版。
過去キャストと比較する楽しみもありますが、キキちゃんのラスティはチャラかっこいいの一言に尽きます!
佇まいからしてなんだかチャラいオーラが漂っているし、口の端を持ち上げてニヤッと笑う表情、サラッと交わされる仲間たちとのユーモラスなやりとり、シリアスな場面でも遊び心を忘れない姿……肩肘張らず軽やかに構え、それでも決めるところはバシッと決めてくる、そんなキキちゃんラスティにハートを鷲掴みにされました。
キキちゃんファンである私の母は「キキちゃんの、ちょっとワルっぽい語尾の「○○だぜ?」の言い方が最高!」といつも言っているのですが、今回のオーシャンズでも「だぜ?のキキちゃん」の魅力が大爆発していると大興奮でした。
ワルっぽいやんちゃなせりふ回しとキキちゃんの声質は絶妙に合っているなあと感じます。
『天河』のラムセスが好きだった方は絶対にラスティも好きです!
そして遥羽らら演じるポーラとの絡み。
真風ダニーのちょっとアダルティな愛情表現や桜木ベネディクトの執念を感じるキスと比べると、キキららはストレートなラブラブカップルぶりが観ていてほほえましかったです。
キキラスティは目の離せない危なっかしいところがありながらも、女の子を大事にしていそうです。
めちゃくちゃモテそうだけど女の子を泣かせることはなさそうというか……。
基本チャラいのに、仲間や彼女を大切にしている。
キキちゃんのラスティには芯のブレない軽やかさがあって、チャラいワルだけどこの人についていきたい!と思わせる人望のあるキャラクター性を感じました。
キーヴィジュアルにも使われている光沢のあるピンク色のスーツやテロンとした質感のコートなど、ともするとフェミニンになりそうなファッションを大人の男っぽく着こなすおしゃれさんぶりも見どころです。
最高にキュートでお茶目、爆笑必至の小ネタ
キキラスティはとってもお茶目でキュート!仕掛けた小ネタは毎度会場の笑いを誘っていました。
ルーベンの屋敷でトラと戯れるシーン(このカットの舞台写真が出ていますがめちゃくちゃ可愛いです!買いですよ……!)、リヴィングストンをスカウトしにFBIになりきっているシーン、そして胡散臭い医者のジョンソン先生になりすましてベネディクトの前で一芝居打つシーン。
思い出すだけでふふっと笑いがこぼれます。
特にジョンソン先生のすっとぼけたおじいちゃん演技はここまでやるのかというハジケっぷり。
声の出し方から動きまであのキキラスティだとは想像がつかないほどの作りこみ方です。
セリフが公演のたびにころころ変わり、貸切公演や生徒さんが観劇に来ている日などはレアなアドリブが聴けるそう。
観客を楽しませようというキキちゃんのエンターテイナー精神がいかんなく発揮されています!
通うのが楽しみになってしまいますね。
単体で魅せる求心力と、絡みで生まれる化学反応
華やかさと色気をますます身に着けてきたキキちゃん。
銀橋に立った時のぱっと目を引く立ち姿といい、フィナーレのFEVERで男役群舞を率いて踊るシーンといい、真ん中を背負って立てる存在感があります。
単体でも映えるキキちゃんですが、ほかの生徒さんとの組み合わせでさらに光るものが引き出されているなと感じました。
実力が十分であること、また比較的薄味でクセの少ない柔軟な役作りをすることから、絡みのある役とお互いの魅力を引き出しあうことに長けている生徒さんだなと思います。
合わせやすい、コンビ萌えしやすいといったところでしょうか。
例えば真風涼帆&芹香斗亜の「まかキキ」コンビは今回その魅力の最高峰に達したのではないでしょうか。
リアル男性を凌駕する男らしいヴィジュアルに、おっとりしたリズム感のセリフ回しや歌に落ち着きのある所作と、どっしりした大人っぽい雰囲気を持つ真風と、いたずらっぽい笑みが似合う軽めのカッコよさを持つキキちゃんの組み合わせは、別々の持ち味がよく活きている最高のコンビネーションだと思います。
銀橋でダニーとラスティが二人で歌うナンバーは永遠に観ていたいぐらい!
今回の観劇で最も印象に残った場面かもしれません。
桜木みなと(ずんちゃん)演じるベネディクトとの掛け合いも絶妙。
切れ者で執念深く、それでありながら本人の生真面目さがどことなくにじみ出ているずんベネディクトが、キキラスティのなりすましたジョンソン先生のテキトーな発言に翻弄されるさまは大爆笑でした。
以上、芹香斗亜演じるラスティの魅力でした。
チャラかっこいいラスティはキキちゃんにとってかなりの当たり役だったのではと思います。
この役を機にますます勢いを増すこと間違いなし。
これを書いている途中にもキキちゃんのかっこいいシーンが思い出され、もっと観に行きたいという気持ちで頭がいっぱいです!
次の観劇が待ち遠しくて仕方ありません。
ライター:ミナミ