先日8月14日(日)に雪組次回作グランドミュージカル『蒼穹の昴』の宝塚友の会先着販売がありました。昨今の情勢を考えて前半後半でチケットを購入しました。
どうかどちらも観劇できますようにと願わずにはいられません。
『ODYSSEY』と『心中』のパワーが集結した雪組に期待！
『ODYSSEY－The Age of Discovery－』だけでも雪組すごい！と感動しましたが、さらに追加公演まで上演されるほど評判の高い『心中・恋の大和路』のチームが集合するのです。
必ずや大作を作り上げてくださると期待してしまいます！
・なんと京劇の本格指導が入るとか！
朝美絢さん演じられる李春児は京劇での名演技をきっかけに西太后に気に入られ出世の道を歩みます。
宝塚で京劇が再現されるなんて！『HiGH&LOW』ではLDHを取り込み、『蒼穹の昴』では京劇と、どこまで裾野が広がるんでしょうか。
劇団の並々ならぬ本気度と、朝美絢さん一番の見せ場になるに違いないという予感がします。
また真ノ宮るいさんが黒牡丹という李春児の京劇の師匠を演じられます。
そういえば『ODYSSEY』でもお二人が中国のシーンで踊っておられました。
やっぱり前振りだったのかしら？
面白いから一気に読めてしまう原作
原作は浅田次郎先生の同名小説です。
浅田次郎先生の作品は2019年同じ雪組で望海風斗さん主演の壬生義士伝などがあります。
蒼穹の昴文庫版だけで4冊1400ページ以上の長編ですが、「珍妃の井戸 」「中原の虹」「マンチュリアン・リポート」「天子蒙塵」と続編が続く歴史超大作です。
予習と思って読み始めましたが、読み終わるのが惜しいほど面白かったです。
このボリュームのある歴史長編がどう宝塚歌劇で再現されるのか期待が膨らみます。
専科の配役発表で思う事
一番最初に公開されたのは彩風咲奈さんお一人のポスターでした。
とりあえずかっこいい！金色の風がなびくバックに半端ない凛々しさが伝わります。
でも李春児なのか梁文秀なのかはわかりませんでした。
原作では李春児が極貧の家庭から自ら宦官となり知恵と気配りと努力で立身出世していく場面がドラマティックに描かれているので李春児役ではないかと思っていましたが…
メインキャストと公演ポスターが公開され、主人公の彩風咲奈さんは梁文秀、朝月希和さんが李玲玲、朝美絢さんが李春児役とわかりました。
確かにこの作品でカップルといえば梁文秀と李怜怜ぐらいしかないけど…
公演解説の最後の部分に、「文秀の鮮烈なまでの生きざまを主軸にし、宝塚歌劇版としてドラマティックに、華やかに描き出す超大作歴史ミュージカルにどうぞご期待ください。」とあります。
梁文秀が主人公の物語でした。
ポスターに写っておられる7名の方を中心に展開する「宝塚版」蒼穹の昴になるのかもしれません。
またキャストといえば、専科の起用が多い！
凪七瑠海さんが原作では年上で正義感もあって冷静でという、いい意味で重鎮の李鴻章を演じられます。
ポスターにも写っておられる凪七瑠海さんは(私見ですが)この物語でいい意味でのラスボスです。
原作でも、私欲なく清王朝を考え正しい判断ができる人物として描かれています。
凪七瑠海さんといえば同じ中華作品、2018年蘭陵王（らんりょうおう）—美しすぎる武将—』で主人公蘭陵王を演じられています。
お芝居を通して、常に命を狙い狙われるという隙のない演技が印象的でした。
王朝も時代も違いますが、中国の残酷な覇権争いの緊張感を表現して下さると思います。
また梁文秀や李春児の行く末を占う白太太に京 三紗さん、西太后に一樹 千尋さん、伊藤博文に汝鳥 伶さん、軍人であり西太后の初恋の相手である栄禄に悠真 倫さんと専科陣でどーんと囲まれていて厚みのある歴史物語を作ろうとされる劇団の想いを感じます。
和希そらさんの順桂と縣千さんの光緒帝がとても気になります。
原作でも史実でも光緒帝は滅びつつある清王朝をどうすることもできず、自らも不幸になるという哀しい人物です。
また順桂もエリート官僚でありながら命をかけて時代を変えようとします。
主人公の梁文秀が原作では苦労はありますが暗殺はされないので、光緒帝と順桂がいかに悲劇的に描かれるかが見どころだと思います。
そして『ODYSSEY』でとても評判が高かった音彩 唯さんが、縣千さん演じる光緒帝の唯一愛した珍妃を演じられます。
きっと哀しくて美しい二人の物語が見られるのではないかと思います。
あらゆる角度で大作になると期待します。
中国清王朝の最期を壮大に描いた原作、専科の方々の大量起用、本格的な京劇シーンと宝塚歌劇団の熱意が伝わってきて上演がとてもとても楽しみです。
ライター・さんなん
