宝塚ファンにとってトップコンビという存在は当たり前のものですが、やはり尊い存在だと感じます。
トップコンビの概念というか、定義について考えてみたのですが、なんだか”儚くて尊い”そんなものだと思います。
世界中で宝塚のような劇団、すなわち女性が男装をしてレビューをする団体は宝塚以外にもいくつかあります。OSK日本歌劇団や、ハウステンボス歌劇団もそうです。
私は宝塚ファンなので、正直他の団体の仕組みなどについては勉強不足で、宝塚のようにトップコンビという概念が存在するかは分かりませんが、いずれにせよコンビ推しというよりかはスターさんを個々に応援されている方が多い印象です。
もちろん、宝塚もスターさん個人個人を”贔屓”として応援されている方がほとんどですが、結構お気に入りのトップコンビがいますってファンは多いのではないでしょうか。
特に贔屓がトップスターであれば、その相手役の娘役さんのことも一緒になって応援している文化があると思います。
それも宝塚の素敵なところですね。
もちろん、お仕事上でのコンビなので”ビジネスパートナー”な訳ですが、ビジネスという言葉ではあまりにもお粗末すぎるほど、どのコンビにも二人ならではの信頼関係であったり、二人ならではの空気感が必ずあるなど、そこが宝塚の世界のいいところだと思います。
先日とあるインタビューで、元雪組トップ娘役の月影瞳さんが、相手役だった轟悠さんとのコンビ関係をこのように語っていました。
「私が宝塚在籍時代、プライベートでいろいろご一緒してしまうと、舞台で共演した時に新鮮さが失われたり、プライベートの馴れ合いみたいなものが出てしまうことを気にしていたように思います。
舞台を作り上げる上で、トップコンビとして変な気遣いをさせないように、轟さんはあえて現場で勝負という風にしてくれていたような気がします。」
プライベートでは二人で観劇に出かけたり、遊びに行ったりということはないそうです。
ただ、轟さんの舞台は必ず全て足を運び、観劇後の楽屋では昔話で盛り上がっていたというお話にそのようなコンビとしての在り方も素敵だなぁと感じました。
近年では、早霧せいなさんと咲妃みゆさんのちぎみゆコンビは、ちぎさんのドSと天然なゆうみちゃんの甘酸っぱいコンビ関係や、さゆあー、パッサァとして親しまれた紅ゆずるさんと、綺咲愛里さんのコンビは、紅さんからの愛情のほうが大きいのではないかという宝塚のトップコンビ間では珍しいパワーバランスで相思相愛ぶりが微笑ましかったです。
その他にも今までのトップコンビや、現在の5組のトップコンビを思い返してみても、あくまでトップコンビのあり方のテンプレ的なものはなく、個々のコンビが自分たちで雰囲気を作り出し、それぞれにカラーがある、そしてそれが組の雰囲気にも反映されると感じます。
だからこそ、トップコンビというものは、こんなにも私たち宝塚ファンを魅了し、宝塚において必要不可欠な存在であるのだなと日々感じております。
これからも、何十年、何百年もの歴史を築いていくであろう宝塚で、何組もの素敵なトップコンビが誕生することを楽しみに見守っていきたいです。