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宝塚の娘役にとってのエトワール

宝塚歌劇についての雑記

エトワール、それは宝塚歌劇団にしかない役割。

フランス語で「星」を意味する言葉。

何かとフランスと縁のある宝塚歌劇団だからこその語源だとも思えますよね。

宝塚ではもう皆さんご存知のことかと思いますがフィナーレの最後にある出演者が順番に階段から落ちてくる際に最初に歌うジェンヌさんのことを意味します。

基本的にはその時に最も歌唱力に秀でたジェンヌさんが抜擢されます。

宝塚をあまり知らない方からしたら皆が皆トップさんやトップ娘役さんを目指しているように思われがちですが、そうではありません。

もちろん目指して入団した方も数多くおられるとは思いますが、中にはただただ宝塚が好きでという方もいればダンスを全力で磨きあげたい!という人もいれば歌唱力をあげたい!という方もおられます。

そしてその歌唱に力を入れたくて入団した方にとって憧れのポジション、それがエトワールというわけです。

ただ、一言で歌がうまい人と言っても毎回組で1番歌唱力に秀でているジェンヌさんが抜擢されるというわけではありません。

大人の事情だったり、学年だったり、その公演で退団される歌を得意とされている方が抜擢されることだってあります。

いずれにせよ歌があまり得意ではない方が選ばれることはありませんが、ヅカオタの皆さんにとってもフィナーレの階段降りの順番が気になるのと同様にエトワールが誰なのかも気になるポイント。

他にもどうしてもエトワールと聞くとソプラノが出る娘役さんが選ばれるイメージが強くありますが、男役さんにもチャンスはあります。

傾向的に見るとかなり狭き門でもありますが…。

と言うよりも、男役さんが抜擢されるパターンは主に3つ。

その公演時に秀でた歌唱力を持った若手の専科さんが出演されているか退団されるか次期トップスターさんになる予定があるか、です。

男役さんにとっても狭き門であることは充分に理解していますし、そのファンの皆さんにとっても見せ場が1つでも増えるのは嬉しいですよね。

…が、やはり宝塚というものは元より娘役さんよりも男役さんの方が出番が多く自然と見せ場多いと言うモノ。

これはシステム的なものですから今更ああだこうだと言うわけではないのですが、それならばせっかくの数少ない娘役さんにとっての見せ場であるエトワールは大人の事情は抜きにして娘役さんを選んで欲しい…と思うのは1オタクのエゴなのかもしれませんがやるせないものがあります。

個人的にグッとくるのは歌を得意とされるトップ娘役さんが退団時にエトワールも兼任されるというかなり稀なケースです。

前理事を務められておられた小川友次さんは「トップ娘役はエトワールを務められるくらいでないと」と言われていました。

まぁ、そうは言ってもトップ娘役さんにも様々な特色があっても良いと思ってはいるので全員にエトワール並の技術を求めようとは私は思いません。

ダンスが得意な方、演技が得意な方、色んなトップ娘役さんがいていいでしょう。

これからもトップ娘役さんに限らずのびのびとした歌声を持つ娘役さん達が多く生まれることを心から願っています。