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朝月希和さん退団に思う男役を立て、人間身あふれる娘役さん

宝塚歌劇についての雑記

雪組トップ娘役朝月希和さんの退団公演中です。

クリスマス千秋楽も目前です。

どうか無事に千秋楽が迎えられますように。

朝月希和さんは2010年入団、96期生です。

朝月希和さんの芸名の由来は音楽学校時代に、宝塚大橋から朝に残る月の輝きを見て、お客様の心に残る舞台人になりたいとのことでご自分で考えられたそうです。

たまたま私も朝に残る月を見たのですが、朝の空気と透明に輝く月の光が彼女にぴったりだと思いました。

11月に行われたミュージックサロン「La Lumière ~朝の月のように~」はタカラヅカ・スカイステージで早速放送されていました。

和希そらさん、縣千さんが出演されて朝月希和さんの想いの詰まった暖かいショーでした。

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縣千さん、和希そらさんとのエピソードから垣間見える朝月希和さんのお人柄

縣千さんのトークで、朝月希和さんの好きな所は下級生であってもちゃんと男役さんとして接してくれるところだそうです。

男役がリードできるように、主導権を握れるようにふるまわれるところに、朝月希和さんの娘役としてのポリシーを感じて、かっこいいなと思われているそうです。

確かに朝月希和さんはお一人で歌われているときはすごくパワーがあって存在感があるのですが、デュエットになるとシュッと存在感を控えめにして男役さんを前にだされるなぁと思っていました。

朝月希和さんと和希そらさんのトークは同期生として音楽学校時代のエピソードがとても貴重でした。

和希そらさんによると朝月希和さんは音楽学校時代常に焦っているイメージがあり、13年ぶりに雪組で一緒になってもぜんぜん落ち着いていなかったそうです。

「13年もたつと人って変わりますよね?大人になる年頃の女の子たちがすごしている花園ですから~ でも全然変わってなくて。そこがいいところですから。」という内容のお話を和希そらさんがされていました。

和希さんのするどいツッコミをにこにこと受けている朝月さん、同期ならではの信頼感と親しさがあふれていてほっこりしました。

宝塚GRAPH12月号の彩風咲奈さんとのさよなら対談では、彩風咲奈さんにもらった紅茶を飲めずに置いてあると書いてありました。

彩風さんに「捨てた方がいい」って言われています。

男役に対して私生活でも一途でちょっと抜けている感じがとてもかわいいですよね。

かわいくて気遣いができて、焦ってテンションが上がってしまうという、なんとも人間味あふれたお人柄が感じられます。

超人的なしなやかさ、ダンスの切れ、歌声は堂々たるトップ娘役 

退団公演である雪組「蒼穹の昴」では貧乏で親兄弟が亡くなり、一家離散してしまうという玲玲(リンリン)というヒロインです。

彩風咲奈さん演じる梁文秀(リャンウエンシュン)とは妹のような家族のような関係です。

退団公演にしてはドラマティックな恋愛物語ではなくどちらかと言えば地味なお役かなと心配されているコメントを開幕直後に拝見しました。

しかし実際に観劇すると、ぼろの服をまとっているからこそ、リンリンの透明感と生き抜くたくましさがダイレクトに伝わってきました。

最初のソロの「小さな願い」の歌もどこまでも響く歌声が劇場を包み込んで中国の大地をつくりあげていて、トップ娘役ってすごいパワーだなと改めて驚き、いつまでも心に残るシーンでした。

歌や演技だけでなく、朝月希和さんのダンスの切れと柔軟性としなやかさは本当に華やかで美しく、夢の世界に観客を連れて行ってくださいました。

 
朝月希和さんは入団時は花組、次に雪組、花組、雪組と組み替えを経験されています。過去作品で花組、雪組作品をよく視聴しますが、いつでも朝月さんが重要な役割を演じておられて「いつでもどこでも朝月希和さん」というイメージの娘役さんでした。何度も組替えをされるというのはそれだけ必要とされるということですが、ご本人はそのたびに苦労をされてきたと思います。宝塚大劇場の千秋楽のごあいさつでも、まっすぐではなかったこれまでの道のりという風にお話されていました。娘役の場合トップ娘役になる方は比較的早い学年でトップ就任が多いですが、朝月希和さんは研12という遅くに就任されました。努力を重ねながら歩まれてきたのが朝月さんらしいとも思います。トップ娘役でありながら控えめで宝塚らしい清らかで美しい朝月希和さんのお姿を見れなくなるのは本当に寂しいです。ライター・さんなん