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宝塚歌劇団のファンアート禁止問題:SNS制限の時代錯誤

宝塚歌劇を楽しもう

「リラックマ」や「すみっコぐらし」で有名なサンエックス株式会社様も、禁止しています。

San-xネット ネットワークサービスにおける著作権について
サンエックスはキャラクターデザインを通じて、世界中の人々に生活提案できる企業を目指しています。

宝塚が特異ではないことを、先に述べておきます。

でも劇団、宝塚ファン、SNSが上手く共存していく方法は必ずあるはずです。

ふと目に入ったファンアートから、ご贔屓に落ちたという方も少なからずいるのが、宝塚です。

法律問題をクリアにして、肖像権や著作権を侵害せず、ファンの愛で作品や生徒さんの魅力を広める方法は……と考えたとき、任天堂の例が参考になるのではないかと思いましたので、考えてみたいと思います。

あくまで個人の意見ですが、最後までお読みいただければ幸いです。

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ファンの愛に期待する任天堂

ネット上で法務部最強、と言われる任天堂。

著作権管理において非常に有能であり、国際的な感覚を持っています。

またリオデジャネイロオリンピック閉会式では、当時の安倍首相がマリオに扮して登場し、世界中に東京オリンピックを強烈に印象付けました。

マリオと共に動画に登場したハローキティ、キャプテン翼、ドラえもんなどの世界的なキャラクターを抑え、マリオが日本の顔として選ばれたのです。

東京オリンピック閉会式を彩った宝塚歌劇また、日本代表と言えるでしょう。

世界中で愛されるマリオのファンアートは、SNS上でどう扱われているのか。

公式のつぶやきを見てみましょう。

今回はファンアートの話ですので、動画投稿の話は省いて簡単に説明しますと「任天堂のガイドラインに則って、その国の法律に触れない範囲内でお楽しみください」ということになります。

任天堂のガイドラインは、誤解を避けるためにも、本文をお読みいただければ幸いです。

一般的な内容がほとんどなので、読まずに進んでいただいても大丈夫です。

大切なのは、ガイドラインの冒頭に書かれた一文です。

「任天堂は当社が創造するゲームやキャラクター、世界観に対して、お客様が真摯に情熱をもって向かい合っていただけることに感謝し、その体験が広く共有されることを応援したいと考えております。」

ファンが宝塚に求めるのは、この姿勢ではないでしょうか?

またこんな文章も書かれています。

「任天堂は、このガイドラインによって、お客様ご自身の創作性やコメントが含まれた動画や静止画が投稿されることを期待しております。 ~中略~ (転載・コピーしただけの投稿に対しては) お客様の創作性やコメントが含まれないため、ガイドラインの対象として認められません」

これですよ!

宝塚ファンが載せたいのも、宝塚ファンが見たいのも!!

舞台への愛を、情熱をもって昇華したファンアートが見たいのです!

例えば生徒さんの入り出を投稿しただけの動画や静止画を規制するのは、当然だと思います。

公式画像の切り取りも、もってのほかです。

また、写真の模写を自身の作品としてアップするのは、絶対にやめましょう。写真家さんに対する著作権の侵害になります。

衣装に関しましても、著作権が厳しいものがありますので、ち密な模写は避けるべきです。

ファンが待ち望んでいるファンアートは、描き手の愛が溢れる、個性あるイラストです。

それまで禁止するのは、やはり野暮ではないでしょうか?

悪ノリも飲み込んだ任天堂

任天堂の公式ガイドラインが発表された2018年、マリオファンが作り出した「クッパ姫」というキャラクターが、SNSを賑わせていました。

簡単に説明しますと、マリオの新作ゲームで「キノコのキャラクターが特定の冠をゲットすると、人間のお姫様になる」という動画が発表されました。

それを見たファンが「あの冠を使えば、シリーズ通しての悪役クッパも、人間の姫になるのでは?」という発想をして、広まったものです。

これは海外の公式Twitterにより、ゲーム発売前に否定されています。

それでもこのファンアートは一大ムーブメントとして広がり、公式のように勘違いされたこともありました。

任天堂が「とんでもない! 禁止だ!!」と怒ることも出来たはずです。

しかしその代わりに発表されたのは、上記のガイドラインです。

任天堂はファンのおふざけも、アートとして受け入れたのです。

宝塚でも時折「If」のファンアートを見かけます。

あくまでご本人に対する愛で描かれで、ご本人のイメージを損なわないものなら、許容して欲しいな、と思います。

記念イヤーに向けてファンアートの復活を!

今回の宝塚の対応で感じたのは「時代にそぐわない」ということです。

ファンの愛に溢れたSNSでの発信が大きなパワーになるのは、世界中ですでに実証されています。

一方でファンから劇団に「ファンアートをSNSにアップしていいですか?」と問い合わせがあった可能性も否定できず、その場合「個人の範疇でお楽しみください」といった対応になるのは、仕方のないことだと思います。

それでも任天堂のように、ファンも企業も幸せなガイドラインもあります。

宝塚ももう一度ガイドラインを検討し、みんなが幸せになる形を模索して欲しいと感じました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。