フェルナンドの持つ四季が秋と冬とすれば華純沙那さん演じるモニカは春、夏です。
モニカの明るさや純粋さにフェルナンドは死への恐怖や病の苦しみを忘れることができたと解釈しました。
娘役さんに抱く感想として適切かわかりませんが、抱擁力のある演技でとても説得力がありました。
これからの活躍がすごく楽しみです。
縣千さんのランベルト医師の麗しさ
ラッキーにも縣千さんの復帰日に観劇できましたが、とにかく和希そらさんのフェルナンド医師と対照的で、絵に描いたような真っ当な青年でした。
フェルナンドは常に襟が開いているのに対して、ランベルトは常にワイシャツ+ネクタイに白衣です。
不良っぽいイケメンが好きかインテリっぽいイケメンが好きか好みが分かれる所ですが、和希そらさんだから許される悪い男です。
好感度が高いのはランベルト先生だと思います。
専科の夏美ようさんと五峰亜季さんが素晴らしい
主人公フェルナンドの勤務する病院の院長と院長夫人を演じるのは専科の夏美ようさんと五峰亜季さんです。
2012年の初演時も同じ役でご出演だったそうです。
『双曲線上のカルテ』のお話自体はシリアスなので、観る人によってはどんどん気分が落ちていくかもしれませんが、お二方のコミカルなシーンによって観客もちょっと気分をもちなおすことができます。
野々花ひまりさんから目が離せない
野々花ひまりさんは前作大劇場公演『ライラックの夢路』ではわがままで思い通りにならないと気が済まないプライドの高い令嬢役でした。
今回も院長夫妻の娘役です。
主人公フェルナンドと付き合っているようですが、フェルナンドは本気ではなさそうでした。
気は強いけど性格は悪くはないのでちょっと気の毒でした。
フィナーレのダンスシーンも和希そらさんも縣千さんも本当にキラキラしていましたが、代役で頑張ってこられた眞ノ宮るいさんが本役では当時シーンが多くなかったのでフィナーレのダンスシーンでキレッキレのお姿を拝見できて嬉しかったです。
梅田芸術劇場ドラマシティは客席数も少ないですが、その分演者との距離が近くていいと思いました。
しかし、舞台装置の豪華さ仕掛けの複雑さ、80名の演者の迫力はやはり宝塚大劇場の凄さを再確認した観劇でした。
ライター・さんなん