ヨナスと母エミリア(白雪さち花さん)のエピソードとベルリンの壁崩壊のエピソードが大き過ぎて主人公二人の恋愛は薄めでした。
しかしお二人の掛け合いや心を通わせ始めるシーンは暖かくとても爽やかです。
冷徹すぎる鳳月杏さん
ヨナスの友人ですが、他の登場人物が社会主義体制に疑問を持って揺れ動くなか一人ぶれません。
体制を維持するためにテロを仕組むことも平気です。
テロは実はNATOの職員であるルイス(風間柚乃さん)によって企みを阻止されます。
ベルリンの壁の崩壊と共に命を絶ってしまいます。
鳳月杏さんの色気が冷徹さにいきていて、とても理解しやすかったです。
主人公の月城かなとさん自身が母との関係で迷いがあるので、対立軸の鳳月杏さんがぶれないキャラクターを演じられているのがすごく頼もしかったです。
礼華はるさんは筋トレキャラなんですね。
ちょうどタカラヅカ・スカイステージで2022年『グレート・ギャッツビー』を放送していました。
礼華はるさんは主人公ギャッツビーの秘書ビロクシー役でした。
ダンベルをひょいと担いで運ぶシーンがありました。
今回も筋トレマニアでダンベルを常に持っています。
これからも筋トレキャラが続くのでしょうか…
夢奈瑠音さんが素敵
東ドイツの中で民主化運動の中心となる教会の牧師を演じられています。
今公演ではセンターで歌われる場面もあり、クライマックスで歓喜の歌を歌い出す重要な役どころです。
とても目立っておられて歌も上手かったです。
『フリューゲルー君がくれた翼』は齋藤吉正先生のオリジナル作品ですが、歓喜の歌のクライマックスシーンも素晴らしいですし、ヨナス(月城かなとさん)と母、エミリア(白雪さちかさん)とのお話も感動的でした。
齋藤吉正先生には今後もどんどん素晴らしい作品を発表していただきたいと思った観劇でした。
ライター・さんなん