2025年5月15日、宝塚大劇場で開催された星組新人公演『阿修羅城の瞳』を観劇してきました。
劇団☆新感線の名作を宝塚の舞台で鮮やかに再現した本作は、人と鬼の壮絶な恋物語をいのうえ歌舞伎のダイナミックな演出で描く大作。
新人公演ならではのフレッシュなエネルギーと、若手ジェンヌたちの熱演が光る一夜でした。
主演:稀惺かずと(病葉出門 役)
星組の若きエース候補、稀惺かずとさんが演じた病葉出門は、鬼殺しの異名を持つ元鬼御門の剣士。
2度目の新人公演主演とは思えない堂々とした存在感に圧倒されました!
礼真琴さんの退団公演という重圧の中、稀惺さんは出門の葛藤や人間味を丁寧に表現。
特に、殺陣のシーンではキレのある動きと情感豊かな表情で、観客を物語の世界に引き込みました。
歌声も伸びやかで、「1789」以来の成長ぶりが伺える一幕。
熱いパッション(お父様・松岡修造さんのDNA!?)が舞台からほとばしり、今後の星組を背負うスター性を感じさせました。
剣を手に鬼と対峙する姿は、まさに「鬼殺し」の風格!途中でサヤが腰に刺さらない箇所がありましたが、そんなところも落ち着いていてさすがでした。
ヒロイン:詩ちづる(闇のつばき 役)
闇のつばきを演じた詩ちづるさんは、可憐さと芯の強さを兼ね備えた娘役の新星! 次期トップ娘役の実力を見せつけてくれました。
暁千星さんが本公演で演じた役に挑むのはプレッシャーだったはずですが、詩さんのつばきは神秘的で魅惑的。
華奢な見た目からは想像できない力強い歌声と、情感たっぷりの演技で、出門との切ない恋模様を鮮やかに描き出しました。
「阪急で行きましょう」ポスターの可憐なイメージとは一転、アクションシーンでの身のこなしも軽やかで、娘役としての幅広さを見せつけた舞台でした。
鬼御門に追われる緊迫感あるシーンでの、恐怖と決意が交錯する表情。詩さんの目力がすごかったです!
大希颯(安倍邪空役)
大希颯さんは、男役としての骨太な魅力と、殺陣でのダイナミックな動きが際立ち、鬼御門の重厚な雰囲気を支えていたと思います。
歌唱力も安定しており、群衆シーンでのハーモニーにも貢献。大希さんの低音ボイスが、舞台に深みを加えていました。