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【珠城りょう編】バウ初主演作品から迫る! トップスターの魅力

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団に所属しているタカラジェンヌといえば、どなたをとっても美しく光り輝くすてきな舞台人。

その中でもひときわ輝きを放つのが、各組のトップスターさんです。

70人近い組子を引き連れて真ん中に立つ姿には、まさに「トップ」の名にふさわしいオーラがあります。

そんなトップスターさんにも、初舞台や初ゼリフ初めてのソロパートがあったと考えると、なんだか感慨深いもの……。

特に、スター街道の入り口とも言えるバウホール初主演は、ジェンヌさんにとってもファンにとっても格別な思い出です。

そこで、ここでは各組トップスターさんのバウ初単独主演作品から、そのスターさんの魅力に迫っていきたいと思います!

今回は、月組のトップスター、珠城りょうさんです。

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珠城りょう『月雲の皇子』

月組トップスター珠城りょうさんの初主演作品は、2013年『月雲の皇子―衣通姫伝説より―』。

上田久美子先生のバウホールデビュー作でもあります。

古事記や日本書紀に記録された恋物語の一つ、衣通姫(そとおりひめ)伝説を題材とした歴史ロマン作品です。

大和の国の皇子である木梨軽皇子(珠城りょう)と、弟である穴穂皇子(鳳月杏)、そして妹として育てられた衣通姫(咲妃みゆ)3人の恋心を、政治と歴史の大きな流れの中で描いた物語となっています。

驚きの頭身バランス

幕開き、衣通姫伝説がとうとうと語られ、厳かに物語が始まります。

そして音楽の高まりとともに木梨軽皇子登場。

一気に物語の世界に引き込まれますが、ここで一瞬、物語の本質とは関係ないことが気になってしまいます。

珠城りょう、スタイル良すぎでは……?

月の光を背に現れた珠城さんの脚が長いこと長いこと!! 古墳時代の装束はこのようにスラリとした人間が着ることを前提としたものではないので、全身から放たれる違和感が半端ではありません。

しかも珠城さんは素晴らしい肩幅もお持ち、かつ尋常でなく小顔。

「これくらいの身長ならこれくらいの脚の長さかな」「このくらいの肩幅ならこのくらいの顔の大きさかな」という予測をことごとく裏切るこの一発の登場は、かなり大きな衝撃です。

のびやかなスタイルは、珠城さんのもつ健やかさ・爽やかさと重なりとても魅力的です!

「男の魅力」の宝庫!

今回の作品で珠城さんが演じた木梨軽皇子は、詩を愛し自然を愛し、そして国を愛し家族を愛する心優しき青年です。

「男らしさ」を演技で表現しようとすれば、荒っぽさや猛々しさを出すのが手っ取り早いですが、珠城さんの木梨にそういった要素はみえません。

しかし、ゆったりと落ち着いた中にある大きさはまさに頼れる男性そのもの。

さすが旦那にしたいジェンヌno.1です(独断と偏見)。

一方後半では身分が一転。流刑先で土着の民を束ね反乱を企てる「土蜘蛛」の長となります。

ここでの木梨は、目に光なく、優しさを殺し、憎しみを糧に生きる復讐の鬼。

鋭い視線と力強い剣さばきは男の中の男です。

触れれば怪我をしてしまいそうな尖った格好よさには、たまらない危険な魅力があります。

様々な格好よさを詰め合わせた珠城さん。

表現の幅の広さに芝居心を感じると共に、大きなギャップに思い切り打たれます。

恋に落ちてしまうこと間違いなしです!

澄んだお芝居

宝塚のお芝居には特殊な点が様々ありますが、その中のひとつが主演のスターありきで物語が存在することです。

「一番格好いい人」を決めてつくるというのは、スターさんの色を全面に出すための効果的な演出だといえるでしょう。

しかしその観点からみると、珠城さんの在り方は少々宝塚的ではないのかもしれません。

「透明」なのです。

珠城さんの印象は、作品によって、また同じ作品の中でもその状況によってガラリ代わります。

作品や役の持つ色が、良い意味で透けて見えてくるようです。

いや、むしろ珠城さんをとおしてお芝居の色が引き出されるのかもしれません。

今回の作品でも、白い衣装が印象的な皇子としての場面と、後半、黒装束で土蜘蛛の長となった場面では目の色からして違います。

そして最期にはその清濁が混ざり合い、弟の腕の中で凪いだ白色を見せる。

このような細やかな役の色を、自分の色をかぶせずに表現できるのは珠城さんの透明さゆえのことだといえるでしょう。

また、周りの登場人物の影響を強く受けてお芝居されることも印象的です。

独自のスタイルを組で共有して自分の座組の色を打ち出すスターさんも素敵ですが、珠城さんの透明さは、周囲の方の役の色を引き出すことにも一役買っていると思います。

名作に愛される名舞台人!

トップお披露目作品『グランドホテル』、その後『エリザベート』『雨に唄えば』『ON THE TOWN』

そして現在公演中の『I AM FROM AUSTRIA』など、海外作品の上演がとても多い珠城さん。もちろん宝塚向けにアレンジされているとはいえ、スター用ではない舞台を成立させるのは誰にでもできることではないと思います。

本当の男性も演じる役を素敵に見せるだけの素晴らしいスタイルと、幅広い「いい男力」。

そして何より作品自体の色を引き出し、周りの登場人物の色も活かす珠城さんの透明さがあるからこそできることです。

まさに「芝居の月組」トップスターにぴったりな、深いお芝居のちからを持った方であるということが本当によく分かる作品でした!