現在宝塚歌劇団花組「CASANOVA」公演中で男役の鳳月杏がコンデュエル夫人を演じて好評です。
娘役さんだってたくさんいるのに、わざわざ男役から配役を決めるってどういう意図があるのかな?と思う方もいらっしゃるかなと思いますが、時々こうやって意外性のある配役は、話題性も意外性もあり楽しくみています。
男役を追求してきたからこそ出せる心の強さや妖艶さ(妖艶さはジェンヌさんによるけど)が出たりと、女性が男性を演じたり女性を演じたりと宝塚ならではの面白さがあります
今回は、男役さんが女性役を演じたものの中から記憶に新しい最近のものをピックアップして紹介したいと思います。
月組・蓮つかさ「ON THE TOWN」クレア役
もともと蓮つかささんの持つ雰囲気でシャキシャキの女性を見事に演じていて、全く違和感なく、知らない方が見たら、「え?普段本当は男役なの?」と思われるほどでした。
滑舌もよく、聞き取りやすく、高音の声もよく出ていましたね。
月組・輝月ゆうま 「雨に唄えば」リナ役
もう、衝撃の女優役でしたね。そういう役だったので、とても面白く流石のまゆぽんの芸の幅の広さに驚かされた作品でした。
いいんですよ。でも180センチ近い身長のまゆぽんの娘役はなんだか横並びになるほかのジェンヌさんたちとの遠近感がおかしくなる現象が多発していました笑。
宙組・桜木みなと「ウェストサイドストーリー」アニータ役
男前な強くて優しいアニータ役を演じていました。
男役さんが女役の配役になると、男役であることは崩さず、出入りの服装や髪型、お化粧に少しずつ女性っぽさが加わって女性らしさが出てくる。
この変化を見ているのも男役さんが女役に決まってからのお楽しみです。
男役で『All for One』モンパンシェ公爵夫人
元専科の沙央くらま。
芸達者なジェンうさんでしたから、男役でも女性役でも子供役でもなんでもこなすジェンヌさんでしたね。とくにコメディエンヌの素質も高く、楽しい役も好きでした。
私は月組『PUCK』でもモテない女の子役が大好きでした。
雪組・彩凪翔『ひかりふる路』ロラン夫人
何も男役である彩凪翔が演じなくても良かったかもしれないと思った役だったけれど、この美貌で男役だけではもったいない・・・ということで、この姿を見せてくれた演出家さんありがとうという感じ。
似合わないわけがない。
以上です。
普段男っぽさを出している男役で女役をすると
「え?こんな高い声が出るの?」
「こんなに可愛らしい声をしているの?」
「こんなに細い足をしているの?」(男役の衣装は足の露出が少ない)
という新しい発見がいっぱい!
そしてさらに、おそらく声の出し方は、女役の方がより自分にとっては自然な声の出し方なのだろう。(もともと女性ですからね)
ということで、どれだけ訓練して、作り込んで「男役」でいるのかを改めて認識させられる。
プロですね。タカラジェンヌ