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仙名彩世・退団挨拶全文(東京宝塚劇場千秋楽)

退団の挨拶

2019年4月28日
宝塚歌劇団花組娘役トップの仙名 彩世(94期)が卒業されました。
(→94期生一覧

ここにやっぱり、退団挨拶を残しておきたい!
ということで全文を記録させていただきました。

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仙名 彩世 退団の挨拶全文 (東京宝塚大劇場)

本日は本公演からさよならショーまで暖かくお見守りくださいましてありがとうございました。

残りわずかとなりました宝塚での時間をこうしてみなさまと共有させていただけるこの時間が私にとってとても幸せです。

私は、ただただ、自分の可能性を信じて芸の道を歩んでまいりましたが、お恥ずかしながら私には、モットーや座右の銘と呼べるものはございません。

と言いますのも、

一つに絞れない。

例えば、一番すきな食べ物はと聞かれた時に私は、
茶碗蒸し
と答えますが、

答えた後に「本当に茶碗蒸しなのか、
私のすきなものはもっとあるのではないか」
と考えてしまうたちなのです。

ですが、これだけ大切なものがたくさんあり、愛しい空間が広がっている、ということは本当に幸せなことだと思います。

このような私を受け入れ、そして勇気をたくさんくださいました、宝塚で出会った全てのみなさま、そして、先生がた、スタッフの方々、そしてお客様に感謝の気持ちしかございません。

そして、

明日海さんの相手役をさせていただきましたこと、私にとって、まさに奇跡でございました。

みなさん、ご存知かと思いますが、

私という人間は、突拍子もないと言いますか、
あの、ご想像していただきますと、風船をいっぱい空気を入れて膨らませて、その吹き込み口を結ぼうとした時に、つるっと手が滑って、風船が想像もつかない軌道を描いて飛んでいく、そのような人間だなと今日、思ったんです。

ですが、このような私をあすみさんはどこに飛んで行こうと、どこにピタッと着地しようと、受け止めてくださいました。

ありがとうございます。

今、このばに立たせていただいて、もうすぐ終わろうとしているこの時間が愛おしくてたまりません。

ですから、何度でも申します。

600回でも1000回でも申します。

宝塚がすきです。

ありがとうございました。

本当に笑顔いっぱいの達成感を感じる清々しい、そしてちょっと笑わせてくれる最後のご挨拶でした。