宝塚歌劇団星組『霧深きエルベのほとり』はまだみなさま記憶に新しいのではないかなと思います。
その中で、マルギットがピアノを弾くシーンがありましたよね?
さて、タカラジェンヌの皆さん、ピアノは実際に弾いているのでしょうか?
そこで、過去実際に行われた公演の中で、実際に楽器が弾かれている公演をお伝えしたいと思います。
「エリザベート」精神病院のシーンのバイオリン
エリザベートが精神病院に慰安訪問するシーンの最初のバイオリン。
これは「宝塚のみ」実際に弾ける生徒が選ばれています。
ちなみに、東宝バージョンでは「弾いている真似」だけです。
バイオリンをあのくらい弾ける生徒は、どこの組にも1人や2人はいるということですね。
エリザベート・ガラ・コンサートの時も、秋園美緒さんが「そんちゃん、ピアノ弾けるよね?」と小池先生に言われたようで、そのシーンでは秋園さんがバイオリンを弾かれています。
このシーンでバイオリンを実際に弾いてもらうというのは、小池先生のこだわりなのかもしれませんね。
「霧深きエルベのほとり」のマルギット
これは、初代の八汐路まりさんがピアノがお上手な方だったことから、当初の予定にはなかった形でマルギット自身が演奏するようになり、それが代々受け継がれています。
2代目マルギットの初風諄さんなどは、「ベンちゃんが弾くからそれが当たり前になって私たちまで弾く羽目になって・・・」といまだに言われます(笑)
新人公演でマルギットを演じられた方も、ピアノが苦手だろうと何だろうとピアノは実際に弾いてください、と言われてしまっていたようで、本当に八汐路さんは罪作りな方ですね(笑)
話は逸れますが八汐路まりさんといえば初演の「ウエストサイド物語」のマリアを演じられています。
最近ではウエストサイドはスカイステージでお稽古風景さえ流れない版権の徹底ぶりですが、八汐路さんの時代は主題歌レコード・実況レコードが発売されています。
もし可能であればウエストサイドの世界に浸ることも可能です。
「国境のない地図」のヘルマン・グリーフ
これは、阪神淡路大震災からの復興公演の演目でして、当時のトップ(これがお披露目公演でした)の麻路さきさんはピアノの名手なのです。
最初の幕開き、大きなグランドピアノでピアノを弾き、他の生徒が白いお衣装でコーラスをするあの名シーンはまりこさんのために用意されたシーンなんですよね。
ちなみにこの新人公演でヘルマンを演じたのは湖月わたるさんなのですが、このピアノに大苦戦されたようで、「だいぶ音符を減らしてもらった」とお話しされています。
麻路さきさんはマグノリアコンサートをなさる時などでも青木優子先生と連弾をされたり、本当にピアノがお上手です。
自宅のあるブラジルではピアノの先生もされているようですよ。
OG公演でも「ゲスト・ピアニスト」と言った登場の仕方をすることもありますので、まりこさんのピアノは要注目です。
特別編:北翔海莉さん
芸を磨くことにとても余念がない北翔さん。
北翔さんの舞台シーンではピアノのシーンは全て実際に弾かれています。
最初にピアノを弾かれていたのは、SECOND LIFEの時でしょうか。
弾き語りをするシーンがありますね。その後もトップになってからピアノを弾き語るシーンがありますが、基本的には全て自分で弾かれています。
みっちゃんはピアノだけではなくサックスもディナーショーで弾かれていたこともありますし、「楽器を弾く真似をする」というのがお嫌いなのかもしれませんね。
特別編2:桜乃彩音さん
桜乃彩音さんもとてもピアノが上手な方で、研究科2年の時に「レビュー誕生」の幻想のシーンで、ショパンの幻想即興曲を弾かれて注目されました。
春野寿美礼さんのファントムのラストシーンでもピアノを実際に弾かれていましたね。
相棒でも海外から来日したピアニストの役で、ピアノを弾くシーンがあったように思います。
いかがでしたか?
タカラジェンヌは皆さん色々な芸術的才能に溢れていますよね。
この楽器、実際弾いてるのかな?という視点で見てみるとすごくまた楽しくなると思いますよ。
ライター:水城 稜