宝塚歌劇団宙組の『El Japon/ アクアヴィーテ!!』東京公演、観劇してきました!
2020年になって初の宝塚観劇。今年の「ヅカはじめ」が大好きな宙組で、とても満たされた気持ちで一年をスタートできそうです。
お芝居、ショー共に今回感じたのは「組子の使い方が上手い!」ということ。
組子の強みを活かしきった見せ場がたくさんあり、宙組ファンとして大満足の公演でした。
特に贔屓組となると、作品に求めたくなるのは
「観ていて楽しいこと」
「出来るだけ多くの組子に目立てるチャンスが与えられていること」。
今回の二本立てはこのポイントがしっかり押さえられていて、個人的にかなり「アタリ」の作品でした。
さて、そんな大満足だった今作『アクアヴィーテ‼︎』の見どころを紹介します。
悠然と構える、宙組生のアダルティな魅力炸裂のプロローグ
宙組の魅力とは?と考えた時、一番に思い浮かぶのが「大人の色気」です。
「そこに立っているだけで絵になる」ことにおいては他の追随を許さないであろう真風涼帆。
肩の力を抜いた軽妙洒脱な佇まいが独特の色気を醸し出す芹香斗亜。
ニヒルな笑みを浮かべ、ちょっと危険な香りを漂わせつつある桜木みなと。
今作『アクアヴィーテ‼︎』は、この三人率いる宙組のアピールポイントである「大人の色気」をこれでもかと引き立たせる内容になっていました。
宙組の魅力は幕開けから全開。
椅子に腰掛け、グラスを傾けながらせり上がってくる真風涼帆の姿を見るだけで気分は最高潮でした!
このワンシーンだけで大介先生に対する感謝の気持ちでいっぱいです(笑)
ウイスキーをイメージしたシックなカラーのお衣装を纏った組子たちが勢ぞろいし、舞台上はとってもゴージャス。
ゆったりとした、一風変わった振り付けがかえって宙組生のスタイルの良さと悠然とした大人の魅力を引き立てているようで良かったです。
芹香斗亜&桜木みなとの色気たっぷりな歌声
今回、芹香斗亜と桜木みなとの2人は「歌」で魅せていたと思います。
艶があって力強く、そしてちょっとハスキーなところが魅力の芹香斗亜の歌声はますますパワーアップしていた印象です。
特に素敵だったのが、真風&星風コンビのデュエダンでの『When a Man Loves a Woman』。
デュエダンの美しさもさることながら、まさに美酒のような芹香斗亜の歌声にすっかり酔ってしまいました。
英語の歌詞も滑らかでとっても素敵。
聞き惚れてしまう声質の持ち主かつ声量もある芹香斗亜には、こういうしっとりと歌い上げる曲が最高に似合います。
桜木みなとも、ここ最近、とみにその魅力を増してきた色っぽい歌声で客席を魅了していました。
ブラックライトに照らされた妖しい雰囲気のソロをはじめ、真風×星風、芹香×夢白のダブルデュエダンでも歌声を披露。
もう完全に「歌うまジェンヌ」の枠に入ると思います!
ゆめゆめしさ全開の中詰め
今回特に素敵だったのが中詰め。
男役は肩のあたりがヒョウ柄の真っ白な燕尾に、シルクハット+ステッキという装い。
古き良きザ・宝塚スタイルに少しの遊び心が加わって、クラシカルな雰囲気を醸し出しつつもどこか茶目っ気のある宙組生にとても良く似合っていました。
特に真風涼帆の着こなしぶりは圧巻。長身に恵まれた、これぞ男役!という佇まいが際立ちます。
主題歌に加え、中詰めで歌い継がれる曲も陽気なものが多く、観ていて心躍りました。
芹香斗亜の歌う『Boogie Woogie Whisky Rain』はお見事。
前項にも書きましたが、とにかく今作の曲は芹香斗亜の声にとっても良く合っていました!
余裕のある堂々とした歌いっぷりにときめきます。
大活躍の96期男役2人、和希そら&秋音光
今回大活躍だった和希そら。
中詰めでの真っ白なタコ足衣装を着ての女装銀橋渡りが話題を集めていました。
マリリン・モンローを彷彿とさせるゴージャスな女装がナチュラルに似合っていて、和希そらの新たな魅力を見た!という気持ちです。
話題の女装のみならず、「ウイスキーボンボン」ではお馴染みのキレッキレダンスで劇場の注目を集めていました。
今作はどちらかというとゆったりとしたダンスが多かったせいか、和希そらの軽やかな身のこなしが一段と際立っていました。
加えて、今回は初めての階段一人降りでした!そらくん、おめでとう!
澄輝さやと、蒼羽りくといった強力な上級生が退団し、一気に若年化した宙組を引っ張っていく存在として、非常に心強く感じました。
女装といえば、タンゴの場面での秋音光も最高でした。
ショートヘアにセクシーな衣装で、真風涼帆を翻弄するファム・ファタール的な立ち位置だったのですが、デュエダンは直視できないぐらいの色っぽさ。
秋音光くん、美人すぎる。さんざん真風涼帆を振り回してあげく捨てる、ドSな悪女っぷりがお見事。
くずおれる真風涼帆も素敵!
大介先生のショーではもはやお馴染みの男役の女装ですが、今回の女装はなんだか違和感のないメンバーが多くて逆に新鮮でした。
宙組生の秘められた能力を見つけた気分です。
息ぴったりの『リッツ・ホテル』コンビ
ロケットの前に二人で銀橋を渡る瑠風輝と夢白あやのコンビ。
この二人はバウ公演『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』で共演したこともあり、息ぴったり。
まるで兄妹のような微笑ましい雰囲気で、心和みます。
今回かなり推されている印象の夢白あやですが、芹香斗亜とのダンスでの大人っぽさと、瑠風輝と組んだ時の少女っぽいキラキラ感とのギャップが大きく素敵でした。
瑠風輝はパッと目を惹くスタイルの良さに加え、ダンスのキレやギラギラ感が増してきたように思います。
これからますます押し出しが強くなっていきそうで楽しみです!
「客席参加型」はいかに?
そして今回楽しかったのが、客席参加型演出。
公演グッズのロックグラスを事前に買っておけば、中詰めでの客席降りの際に宙組生と乾杯ができるのです!
今回の観劇では運の良いことに通路沿いのお席だったので、たくさんの生徒さんと乾杯できました。
夢のようなひとときでした!
通路脇の席でなくとも、ジェンヌさんと目が合えば乾杯してくれるそうです。
一階席で観る際はグラスを持って行くと楽しいかもしれません。
ただし……「振り付け講座」があったにも関わらず踊っている人はあまり見ませんでした。
みんな手拍子をするのとご贔屓をロックオンするのに夢中で踊るのを忘れてしまうんだろうな……
私も中詰めのあまりの豪華さに一生懸命覚えたはずの振りが全て吹き飛びました(笑)
以上、『アクアヴィーテ‼︎』東京公演レポでした。
視覚的にも美しく、宙組生それぞれの魅力が120%活かされているショーで、何度でも観たい満足感の高さでした。
次回の観劇が待ちきれません!
ライター:ミナミ