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宝塚歌劇と韓流ドラマ

宝塚歌劇の懐かしシリーズ

突然ですが、皆さん、韓流ドラマはお好きですか?

感情表現豊かな俳優さんの演技や劇的なストーリーなど、韓流ドラマならではの世界観がありますよね。

タカラジェンヌの中にも、ステイホーム期間中に韓流ドラマにハマった方がいらっしゃったとか。

随分前になりますが、宝塚歌劇にも韓流ドラマをベースにした作品がありました。

2009年に上演された『太王四神記』です。

『冬のソナタ』で有名なペ・ヨンジュンさん主演の韓流ドラマ『太王四神記』。

全24回の歴史ファンタジードラマで2007年に韓国で放送されました。

日本でもNHKやBSなどで放送があったので、ご存じの方もいらっしゃると思います。

このドラマを原作に、宝塚歌劇団では小池修一郎先生が一本物のミュージカルとして脚色・演出しました。

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宝塚版『太王四神記』

幻想歌舞劇『太王四神記―チュシンの星のもとに―』は、2009年宝塚大劇場お正月公演として花組で上演されました。

あらすじ

神話の時代、神の子ファヌンは地上の人々が平和に暮らすチュシン国を創ります。

虎族の横暴さを見かねたファヌンは女王カジンから火の力を奪い、熊族のセオに与えました。

その後、魔術師プルキルから唆されたカジンはファヌンとセオの子を奪います。

怒りのあまり黒朱雀に転生したセオは燃え上がり、地上は火の海に。

ファヌンはセオを自ら討ち、朱雀、青龍、白虎、玄武の四つの神器を封印すると「チュシンの星が輝く時、新たな王が誕生する。真の王となるものはその封印を解くだろう」と言い残し、天に上りました。

そして2000年の時を経て、チュシンの星が輝く夜に高句麗の王子タムドクが誕生します。タムドクは数々の苦難を乗り越えながら真の王として目覚め、成長していきます。

主な登場人物

タムドク/ファヌン
主人公タムドクを演じたのは真飛聖さん。

幕開き、神話の時代では神の子ファヌンとして登場します。

白いロングヘアの真飛さんの姿が美しい!神の子として説得力がありました。

チュシンの王となる息子の身を案じた父のヤン王は、真の王となる日まで己の能力を隠して生きるようにタムドクに命じます。

聡明さを隠し、孤独な生活を送るタムドクは天地神堂の巫女キハと出会い、心を通わせます。キハに友達になってくれと頼むタムドクが素朴でかわいいです!

ホゲとの決別に心を痛める場面では情感のこもった歌が印象的でした。

タムドクは父王の死やキハへの疑い、火天会の策略など様々な困難に直面しますが、コムル村の村長ヒョンゴやスジニら仲間の励ましを受けて、次第に真の王として目覚めていきます。

仲間を思う心の温かさと王としての品格を身に着けたタムドクに真飛さんのトップスターとしての姿が重なりました。

キハ/カジン
冒頭、神話の時代に火を操る虎族の女王カジンとして登場するのは桜乃彩音さん。
ヒロインのキハはサビ城の姫で、朱雀の護り主です。
朱雀の神器を持っていたキハは火天会の長老プルキルに捕まり、手先として王宮に送り込まれ、タムドクと出会います。

彩音ちゃんは大人っぽい影のあるキハの役が似合っていました。
自分の境遇に囚われながらも、タムドクを想う気持ちが切なく美しかったです。

最後、キハが澄んだ声で「喜んで!」とタムドクに答えるセリフに嬉しさが溢れていて、キハの幸せが伝わってきました。『希望の瞳』のデュエットも良かったです!

ヨン・ホゲ
ヤン王の妹セームと高句麗一の貴族ヨン・ガリョとの間に生まれたホゲ。

タムドクと仲の良い少年時代を過ごしますが、同じくチュシンの星が輝く夜に生まれたため両親や周囲から王になることを期待されて育ちます。

ホゲを演じた大空祐飛さんの冷たい目線にしびれました。
溌剌としていたホゲが母の死後タムドクを憎み、王位を手に入れるためにどんどん悪に染まっていくのが見ものです。
フィナーレでも存在感がありました。

私のおすすめ

コムル村の村長ヒョンゴを演じた未涼亜希さん。

幕開きからヒョンゴは物語の語り手となって登場します。

その語りと歌が実にいい声!

安定したお芝居と歌唱力は、未涼さんの大きな魅力です。

玄武の神器の護り主でもあるヒョンゴがタムドクに言う「あなたこそ、チュシンの王」というセリフは何度も聞きたくなります。

フィナーレでクールに踊る姿も素敵でした。

他には、野々すみ花さんと白華れみさんが、タムドクとヨン・ホゲの少年時代を演じていてとてもかわいかったです。

雪組トップスター望海風斗さんはこの『太王四神記』の新人公演で初主演をされていましたね!

最後に

『太王四神記』は、星組の柚希礼音さんの大劇場トップお披露目公演としてニュー・バージョンで再演されています。

お芝居ではないのですが、昨年、星組『ESTRELLAS―星たち―』にK-POPのINFINITEの曲『Back!』が使われて話題になりましたね。

色々なジャンルに挑戦し続ける宝塚歌劇団ですので、今後も、宝塚歌劇で韓流の作品を使った場面が見られるかもしれませんね。