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朗読劇で魅せた宝塚歌劇団のOG達 VOICARION IX 帝国声歌舞伎~信長の犬~ 

宝塚OG

9月5日~13日帝国劇場にて「帝国声歌舞伎~信長の犬~」が上演されました。

公演日毎にキャストが変わるのですが、8日の公演は宝塚歌劇団OGの真琴つばささん・紫吹淳さん・彩吹真央さん・凰稀かなめさんの4名が登場しました。

この公演は、全公演がライブ配信されるので、ライブ配信で観劇することにしました。(現在終了しています)

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超豪華なキャスト!!

キャスト 

信長の犬 凰稀かなめ
織田信長 紫吹淳
豊臣秀吉 真琴つばさ
太田資正 彩吹真央
野口多門 緒方恵美
明智光秀 甲斐田ゆき
千利休 井上和彦

宝塚OGの4人の方は、トップスターや2番手男役スターとして活躍され退団後も舞台を中心に活動されている女優の皆さんです。

声優の緒方さん・甲斐田さん・井上さんの3人は、有名な実力者ばかりで、宝塚OGの皆さんとの共演がうれしかったです。

緒方さんは多数のアニメで少年から大人の女性まで様々な役柄を演じてこられた方です。

美少女戦士セーラームーンの天王はるか(セーラーウラヌス)役やカードキャプターさくらの月城雪兎(ユエ)役が個人的にはよく覚えています。

甲斐田さんは、テニスの王子様の不二周助役などが代表作で、やはり少年から妖艶な女性役まで様々な役柄を演じられています。

井上和彦さんは、ベテラン声優で「夏目友人帳」のニャンコ先生など数々のアニメの声優から映画の吹替、ナレーター、俳優、舞台など多彩に活躍されています。

音楽朗読劇というスタイル

舞台は前方の上手側から、甲斐田さん・緒方さん・真琴さん・彩吹さん・井上さんがかなりの間隔を開けて並んでいます。

後方に作られた壇上には中央にミュージシャンの皆さん、そして上手側に凰稀さん、下手側に紫吹さんという配置でした。

劇中に出てくる難破船の大きなセットがあり、キャストは全員役柄の扮装をしていて、視覚的な演出がなされていました。

キャストには素敵な椅子が用意されて、自分の出番になると立って台本を読み演じるという形でした。

ミュージシャンの皆さんは劇中ほぼ演奏し続けています。

ギター・キーボード・ドラムなどの他に篠笛・能管・鼓などの和楽器も取り入れ、戦国時代の物語にふさわしい印象的な音楽となっています。

話の流れにぴったり合う演奏、お芝居の場面展開の際には音楽が効果的に使われていました。

ストーリーは、関白にまで成り上がった秀吉が、田舎大名で犬好きの太田資正を訪ねてくるところから始まります。

秀吉は「城を救ったという巨大な白い犬がほしい」という。

その犬こそが「信長の犬」ルキフェル。

信長がその犬を飼うことになった経緯、信長と犬の様子を見ながら天下を欲しいと思う秀吉、天下人になるために光秀を謀反へと追い詰めていく秀吉の闇など秀吉の回想と、「信長の犬」の新しい飼い主となった資正とルキフェルとの出会い、老犬「瑠璃丸」とルキフェルとの犬同士のつながり、そしてルキフェルの活躍により城を守るまでの様々なエピソードとが盛り込まれて描かれています。

宝塚OGの皆さんに魅せられた

宝塚OGの皆さんは、セリフはもちろん素晴らしいのですが、ただ台本を読む姿それさえも素敵、そしてここという場面では台本から客席へ目線を移してセリフを決めるところは本当にかっこよくてしびれました。

そんな決めの場面では、演者がアップになって表情がよくわかる大変ありがたいカメラワークでした。

真琴さんは、関白となって天下人となった秀吉とまだ信長の家来であった秀吉などそれぞれの場面で声やセリフ回しを変えて演じ分けていらっしゃいました。

若いころの軽妙で明るく千利休に日輪とよばれる秀吉、関白殿下と呼ばれるようになり貫禄がつき威圧感のある様子とふと見せる孤独感など見事でした。

本能寺の変の後、京へと向かい天下人へと上り詰めていく場面は迫力がありました。

紫吹さんは、イスパニアの衣装がよく似合い、一言も発さなくても信長とわかる説得力がありました。

もちろん、話せば低音ボイスが冴えてカリスマ性のある信長様でした。

さらに資正の母役も演じられ、信長の姿そのままでありながら、ふくよかで心の広い母の演技も素晴らしく女性としての演技の実力を見せられました。

彩吹真央さんは、犬好きのバカ大名と言われる資正役。

犬好きのうつけと思わせておいて実はすべてわかったうえでの振る舞いではと思わせる演技でした。

戦国時代にあって戦が嫌い、犬や民とおだやかに暮らしたい、犬のためなら関白の願いをも受け入れない、そんなある意味バカな大名を生き生きと楽しんで演じていらっしゃいました。

凰稀かなめさんは「信長の犬」つまり犬役です。

犬を演じるというのはどんなふうになるのか予想ができませんでしたが、犬の鳴き声も入りつつ人の言葉で気持ちを語ります。

犬の気持ちがわかる信長や資正とのやり取りによって犬の気持ちを話すスタイルには、不自然な感じは全くありませんでした。

凰稀さんの声が少年のような透明感のある声であり、感情が高ぶり激しく叫ぶ声はまさしく男性の声で迫力がありました。

アニメの少年役とかとても似合いそうです。

声優の方にも魅せられた!

 緒方恵美さんの声、演技力、もう素敵すぎて、もう一度野口多門のあのセリフを聞きたい!と思うくらいよかったです。

大変な切れ者で資正の城は家老である多門が支えているから成り立っているようなもの。(ただし犬嫌い)

資正とは乳兄弟であり、資正と呼び捨てにしているほど心のつながりは強く、何があっても資正に仕えていく覚悟でいる。

そんな様子がすべてわかる緒方さんの演技力にすっかり魅せられました。

甲斐田さんは、光秀の他に風魔小太郎役も担当され、真面目で不器用な光秀と、北条氏に仕える忍者集団の頭領小太郎の正反対なキャラクターを演じ分けていらっしゃいました。

特に風魔小太郎は少年のような声と時に低く威圧的な声で見事に演じられて迫力がありました。

小柄で可愛らしい外見からは想像できないほどのパワー溢れる声でした。

そして、井上さんは、関西弁の千利休、老犬の瑠璃丸、さらに多門の父、各キャラクターを見事に演じ分けていらっしゃいました。

秀吉と千利休、そして「信長の犬」と瑠璃丸、それぞれのかかわりは、若い秀吉・犬を見守るような役割で、井上さんの暖かみのある声にぴったりの役柄でした。

観劇後、とても感動したので、アーカイブ配信の期間中に数回繰り返し観劇しました。

何度も見られるというシステムはとてもありがたいですね。

コロナ禍が落ち着いてもライブ配信は続けていただけたら会場から遠い地に住んでいる者にとっては本当にうれしいです。

今回の舞台の音楽朗読劇というスタイルは、コロナ禍の影響で考えられたのかと想像していたのですが、実は数年前から行われており、「信長の犬」も再演です。

けれど、このコロナ禍においてはぴったりなスタイルでありました。

朗読劇と聞いて、普通の演劇に比べたらちょっと物足りないのではと思ったのですが、すぐに劇の世界に引き込まれました。

また、朗読劇だからこそ犬役も不自然さがなく見られたと思います。

まだしばらくはコロナによる心配は続くと思われますので、朗読劇だからこそできる奇想天外なあるいはファンタジーな内容を朗読劇で上演されるのもいいのではないかなぁ~などと素人考えで思いました。

信長の犬の公式HP


真琴つばささんのブログ 

真琴つばさ『信長の犬 御礼』
劇場までお越しくださった皆さまライブ配信でご覧くださった皆さまこれから配信でご覧くださる皆さまそして応援してくださった皆さまありがとうございました!昨日、昼夜…

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