宝塚歌劇団星組の「眩耀の谷」千秋楽。
ついにこの日を迎えました。
2月7日宝塚大劇場の初日から、9か月余りも過ぎていたのですね。
宝塚大劇場では
2月29日から3月8日までの公演中止、
3月9日千秋楽のみ公演。
その後コロナ感染拡大により
宝塚歌劇団全公演中止期間4か月を経て
7月31日に東京宝塚劇場初日を迎えたものの、8月7日より再び中止、
そして8月21日より再再開し、ついに迎えた千秋楽・・・・
と、書いているだけで、どれほどの困難だったか胸に沁みて痛いです。
この公演は、新トップコンビ礼真琴さん舞空瞳さんのお披露目公演であり、専科の華形ひかるさんの退団公演でもあり、宝塚ファンも劇団側も期待が半端ない公演であったと思います。
お芝居もショーも劇団の力の入り方が違う感じがありました。
それが、こんな困難な事態になろうとは、誰が予想したでしょうか。
でもついに千秋楽を迎えることができました。
「眩耀の谷」
千秋楽9月20日は、家でライブ配信による観劇をしました。
本当は8月1日のライブ配信も見たかったのですが、残念ながら予定があり見られなかったので、千秋楽にして初見となってしまいました。
「眩耀の谷」はほとんど基礎知識がないままでの観劇だったため、国や部族の名前、人物の名前や地位とかが難しく、そこで最初からつまずいてしまいました。
事前に解説だけでも読んでおけばよかったです。ストーリー展開になんとかついていきながら、だんだんと理解はしたけれど、私の理解力の問題もあってか、あちこちわからない点も残り残念でした。
歌うまの礼真琴さんなので、全体的に礼さんの歌が多い印象でした。
もちろんダンスも素晴らしい礼さん、部下たちとの剣舞はさすがの切れのよさで魅せられました。
新トップにふさわしい白くてまっすぐな気持ちの主人公の苦悩を見事に演じられました。
舞空さんも、実力のある娘役さんですが、若い娘役トップお披露目公演のヒロインが過去の傷を持ち生き別れた子があり盲目の姫というかなりの難役。
礼真との愛が芽生えていく場面で涙を流しながらの熱演が胸に残りました。
星組に組替えした愛月ひかるさん演ずる将軍は、宣王の命令に従わざるを得ない立場としての苦悩が見えて、単なる悪役ではない印象を受けました。
ただ、脚本には深く描かれていないために中途半端な立ち位置となってしまい残念。
舞空さん演ずる瞳花や子に対してどんな思いでいるのか伺い知れるセリフが少しでもあればと思ってしまいました。
さて、ライブ配信では、礼さん演ずる礼真が不思議な神の使いに導かれたあたりで(舞台開始から30分ぐらいのところで)舞台装置の不具合で舞台が真っ暗になりストップしてしまいました。
私は通信の不具合かと思い楽天TVを入れ直してみたけれどやはり真っ暗で、どうして?とおたおたしていると、画面の劇場客席が明るくなりました。
劇場内では、何度も舞台装置の点検中であることを伝える放送が流れました。
その後4時10分開始予定との放送があり、丁寧な対応にさすが宝塚と思いました。
しかし予定時間になっても始まらず、不安が押し寄せてきました。ここまで来て、まさかまさか…お願い最後まで無事に終わらせてください!と祈りつつ待ちました。この数分が長く感じられました。
4時15分ごろ幕が開いて、礼さんの「さぁ~始めるぞぉ~!!」の掛け声を合図に、中断した場面より少し前のあの剣舞の場面から再開しました。
また素晴らしい踊りを見ることができました!
星組の皆さん、おそらく驚かれたに違いないのでしょうが、落ち着いて何事もなかったかのようにお芝居されていました。
その後私は時々大丈夫かなと不安な気持ちが出てきたのですが、最後まで無事公演が行われて本当によかったです。
「Ray -星の光線-」
「Ray -星の光線-」は、礼さん舞空さんのコンビや、愛月ひかるさん、瀬央ゆりやさんを中心として、天寿光希さん、音波みのりさん、夢妃杏瑠さんなど上級生から綺城ひか理さん、有沙瞳さん、小桜ほのかさんなど次々とスターが登場してみなそれぞれ活躍の場があって、星組は層が厚いなぁと感心しつつ楽しく見ました!
礼さんの舞空さんを見つめる目線が色っぽくて、おお~という場面が何度かあり、こんな色っぽい礼さんを初めて見たような気がします。
そして、愛月さんの立ち振る舞いが星組ではとても新鮮でした。
独特のオーラがあり、宝塚らしさのあるスターさんです。
大きな2番手羽根をしょって大階段を降りてきた愛月さんの今後の活躍が楽しみです。
華形ひかるさんの退団挨拶
公演後、華形さんの退団のセレモニーが行われました。
華形さんにとってもついにこの日が…という思いで一杯であったことでしょう。
私も千秋楽のライブ配信を見たいと思う理由の一つが華形さんの退団を見届けたいということがありました。
退団公演が何度も中止になるというのは、ご本人にとってもファンにとっても本当に辛すぎますよね。
華形さんの最後のご挨拶は、しっかりと感謝の言葉と宝塚への愛を語られました。
礼真琴さんの挨拶
最後の挨拶で礼さんは、「やっとこの日が来ました。もう来ないのではないかと頭をよぎったことが何度もありました…」と涙を流しながら胸の内を明かされました。
「礼真なのか自分なのかわからなくなることがいっぱいありました」様々な困難を乗り越えていく礼真と公演の困難を乗り越えていく自分がリンクしたのでしょうか。何度も涙が頬を伝ってこぼれ落ちました。
コロナ禍の影響で、4か月間中止からの再開、また中止、そして再再開、やっと迎えた千秋楽でまさかの中断。
しかし、どんな困難があっても、最高のパフォーマンスを見せてくれた礼さんはじめ星組の皆さんの集中力と努力に感動しかないです。
カーテンコールでは…
カーテンコールでは、華形さんへの感謝も忘れず、長年星組の組長として支えてくれた万里柚美さんの紹介も忘れない礼さん。
万里さんには星組の守護神・星組のおかあさんとたたえながら涙が止まらない礼さんでした。
万里さんがお若い頃、星組公演を観劇したことがありました。
色気のある素敵な女役さんとしてご活躍されていました。
これまで組長として星組を支えてこられた万里さん。
組長として最後の公演がコロナ禍で苦労が絶えなかったことでしょう。
本当に長年のお役目お疲れさまでした!
最後は見ている私も涙・涙となり、星組の皆さんにテレビの前で大きな拍手を送りました。
星組の皆さんにはゆっくり休んでいただきたい、その言葉しか今は見つかりません。
ゆっくりしていらっしゃったらうれしいです。