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静かに退団したい轟悠・トップ時代のおすすめ作品

宝塚歌劇を楽しもう

先日退団をご発表され、既に退団会見も終えた宝塚歌劇団専科の轟悠さん。

トップオブトップと呼ばれ、生徒という立場ではなく劇団の理事や特別顧問としても貢献され数多くの作品に出演された轟さん。

まさかの退団の発表に同期の皆さんのみならず既に退団されている多くの下級生の皆さんからも驚きの声が聞こえました。

退団はもちろん驚きの事件でしたが、個人的には大劇場ではなく外箱で退団されるといことにも驚きました。

長年宝塚に居続けた方だからこそなのかもしれませんが、会見にて静かに退団を…と仰っておられ、轟さんご自身のご意向で決定されたことなのだと思うと一抹の寂しさはありますが思うままにご退団していただきたいと心から思いますね。

そんな轟さんは専科に入られた後にも多くの作品の主演を務められておこられましたが、それ以前の雪組トップスター時代、そしてそれ以前の出演作品でも多くの魅力的なキャラクターを演じてこられました。

これからきっと多くの轟さんがご出演されている作品がタカラヅカスカイステージにて放送されるかと思いますが、その中でも個人的におすすめのものをご紹介いたします。

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エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-

1996年に上演された雪組での作品です

宝塚での初演であり、トップスターさんは一路真輝さんと花總まりさんです。

当時轟さんは三番手さんであり、ルキーニを演じられておられました。

世界的に見ても出演者が全員女性で構成されており男性の役も女性が演じるというのはかなり珍しく、脚本を手掛けられたミヒャエル・クンツェさん等から男性が演じているのかと思った・狂気のルキーニが素晴らしいとかなりの高評価を受けておられたのは有名なお話かと思います。

これまでの宝塚版やウィーン版・東宝版のエリザベートを観ていても、轟さんのようなサイコパス感のある狂気を満ちたルキーニというのは他にはなく、当時の轟さんだからこそ演じることのできた貴重なキャラクターだと思います。

ストーリー的には悪役なのに、どこか憎めないストーリーテラーとしてもいる存在なので3番手さんですがかなりの異彩を放っているおすすめ作品です。

風と共に去りぬ-スカーレット編-

1994年と1998年に出演されておられた作品です。

1994年ではまだトップさんではなかったのですが、高嶺ふぶきさんとの役代わりでチャールズ・ハミルトン、アシュレ・ウィルクス、そして主演のレット・バトラーを務められておられました。

1998年にはトップに就任され全国ツアーにてレット・バトラーのみを演じておられました。

個人的にはレット・バトラーのちょび髭を着けた轟さんが特におすすめです。

これまでの公演でも多くのちょび髭キャラクターを演じておられますが、何故か轟さんが着けられると「着けている」のではなく「生えている」ように見えるので謎です…。

凄く自然というか、とてもお似合いというか、むしろ元からありましたよね?といったような感じで…。

宝塚の歴史的に見ても、これまで老人役や脇役でちょび髭をつけることはありましたが、初めてトップさんでちょび髭を着けるという試みをした作品という意味でも注目していただきたいところです。

愛 燃える-呉王夫差-

2001年から2002年にかけて上演された轟さんにとってトップラストの公演です。

中国の春秋戦国時代の物語で、呉の王である夫差が様々な陰謀により美しい西施に溺れ国を滅ぼしていくというこれまた哀しいストーリーです。

再演等はされておらず、この上演のみというのが勿体ないほど美しくも哀しいお話です。

最初は敵の罠だろうと西施を邪険に扱う夫差ですが、美しい西施に次第にほだされていく…まぁ、西施を演じておられる相手役である月影瞳さんの少女のような愛らしさをもってすれば仕方がないですよね…と勝手に見ながら納得してしまいました…。

エリザベートにしても風と共に去りぬにしても、この愛 燃えるにしてもハッピーミュージカルというよりも悲恋なわけですが、轟さんの憂愁を帯びた美しいお顔には悲恋が似合っちゃうんですよね…!

幸せいっぱいのストーリーも好きなんですが、何故か美しい顔の人に悲恋を味わって欲しい…そんな不思議な感情を教えてくれた貴重なお方でもあります…。

2021年10月1日付きで退団される予定の轟さん。

37年という長いタカラジェンヌ人生にピリオドを打たれるわけですが、それまでの間多くの轟さんの作品をこの目に焼き付けていきたいものです。