スポンサーリンク

宝塚・当て書き公演の醍醐味!

宝塚歌劇を楽しもう

公演に関する全てのものを劇団内及び阪神阪急ホールディングスで準備することが出来る宝塚歌劇団。

日本国内を探してもこうした劇団は類を見ません。

専用劇場だからこそ、そして演出家・脚本家をお抱えにしているからこそ出来ることというのは沢山ありますが、その中でも他の演劇界でもなかなかない「当て書」についてご紹介していこうと思います。

スポンサーリンク

そもそも「当て書き」とはなにか

簡単に説明すると演劇や映画などで、その役を演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くことを指します。

稀に一般的なドラマや映画でもあることではありますが、演じる俳優さんや女優さんのことをよく知っておかねばならないということもありかなり難易度の高いジャンルでもあります。

しかし宝塚歌劇団では脚本・演出家の先生は基本的にはお抱えであることが多いため、ジェンヌさん達のことをよくよく知り尽くしているということもあり当て書を可能としているわけです。

もちろん既存の作品である「エリザベート」や「オーシャンズ11」等も人気作ではありますが、トップさんの退団公演ともなるとオリジナル作品となり必然的に当て書きとなります。

雪組「fff −フォルテッシッシモ−」

雪組のトップスター望海風斗さんとトップ娘役の真彩希帆さんですと、「『fff -フォルテッシッシモ-』~歓喜に歌え!~」です。

望海さんをよくご存知の方であれば、以前タカラヅカスカイスージのイベントにて「ベートー勉」なる音楽教師に扮した望海さんを思い浮かべるかと思います。

もちろん、歌を得意とする望海さんと真彩さんだからこその世界中から愛されている音楽家であるベートーベンを主役に据えたストーリーにされたのもあるかとは思いますが、あのスカステカレッジがあったからこそのセレクトだったとも思えますよね。

退団公演ともなると普段の公演以上にトップさんの特技を最大限に活かしつつ、演じてみたかった役や時代背景になるため長年応援してこられたファンの方々にとっても感慨深いものがありますよね。

長年いた花組を離れて雪組への組替えや多くの苦労を重ねて来られた望海風斗さんが真彩希帆さんというベストパートナーを得て最初は組が元々違うこともあり大変なこともあったでしょうがタカラジェンヌとしてのパートナーとして認め合い互いに成長していき…。

という、正にリアルとリンクするところの多いストーリーとなっているのも、内情をよくご存知の上田久美子先生だからこそ描ける脚本となっています。

植田景子脚本の花組明日海りおさんの退団公演

また、現在朝ドラにも出演中の元花組トップスターである明日海りおさんの退団はこの度退団される華優希さんを残しての退団であったため前述のような添い遂げ退団と呼ばれる望海さんや真彩さんのような退団公演とはガラッと雰囲気が変わっています。

まず華さんとは想い合う間柄ではありつつも恋愛関係に発展するわけではなく薔薇の妖精である明日海さんが華さんを見守っていく、という内容になっていました。

植田景子先生の作品ではありますが、作風からトップさん達の間柄まで全く違うものとなっているのがわかるかと思います。

セリフや歌詞にも思いが・・・

ストーリーやトップさん達の間柄だけでなく、その作中の台詞であったり歌詞の内容であったりが去りゆくトップさん達のこれからの想いであったり、残り今後の組を牽引していく2番手さんやそのお相手の方への台詞であったりとなっており、ファンであれば涙なしには聞けないものばかり。

早霧せいなさんと咲妃みゆさんの退団公演である「幕末太陽傳」

逆に現在退団公演が行なわれている望海さんと真彩さんの前のトップさんである早霧せいなさんと咲妃みゆさんの退団公演である「幕末太陽傳」は原作のある作品ではありますが、脚本は小柳 奈穂子先生。

宝塚風にアレンジされておりその中での望海さんと早霧さんの会話であったり早霧さんへかける真彩さんの台詞であったりは今改めて聞くとまた違った良さがあるので今見てみるのもおすすめとなっています。

見るタイミングによっても全く変わって見えてくる宝塚の当て書き公演。

だからこそ今しか感じ取れないものも沢山あります。

現地に観に行くことが叶わないという方でも千秋楽には配信もありますので、是非チェックされてご贔屓さんの最後の最後まで輝くお姿をチェックされてみてくださいね。