宝塚歌劇団の92期生だったプリンス、彩凪翔さんのご退団から、心にぽっかり穴があいてるのは私だけでしょうか。
すでに退団された92期のスターといえば、蘭乃はなさん、すみれ乃麗さん、煌月爽矢さん、透水さらささん、天真みちるさん、瀬稀ゆりとさん、笙乃茅桜さん、貴澄隼人さん、月映樹茉さんら。懐かしいですね。
92期の現役のスターさんたちは、まだ10人いらっしゃいます。
それぞれ個性を確立し、まさに円熟期を迎えて輝いています。
今回はこの10人のスターさんを組ごとにご紹介します。
宙組
92期の顔は宙組トップスターの真風涼帆さん。
5月には梅田芸術劇場での『Hotel Svizra House』が控えています。
キャトルレーヴの真風さんグッズ第2弾もリリースされ、高まる宙組人気の中心にいる、安定感抜群のトップさんです。
次の大劇場の演目は『シャーロック・ホームズ』、絶対に合うに違いない。
相棒ワトソン君とのバディ感が今から楽しみです。
宙組の現役92期チームは3人。
真風さんと、凛城きらさん、松風輝さんです。
美声の芝居巧者たちが、宙組の屋台骨を支えていると言っても過言ではありません。
凛城きらさんは、2012年雪組から宙組に組替えしたスターです。
『アナスタシア』イポリトフ伯爵、『オーシャンズ11』ルーベン、『神々の土地』では皇后アレクサンドラを熱演されました。
一方、松風輝さんといえば、『アナスタシア』のレオポルド伯爵、『オーシャンズ11』リカルドなどのおじさん役が得意なのかと思えば、『FLYING SAPA』ではお母さん役テウダもハマっていました。
個性的な役が本当に上手です。
花組
そして、今日一番熱く紹介したいのは、花組の鞠花ゆめさんです。
『はいからさんが通る』のコワーい女中の如月、
『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』の歌ウマ大暴走のエストニア公爵夫人、何をやってもうまいうまい。
実は数年前から90前半期の“花娘”が大量に退団された結果、がぜん目が行くようになりました。
あふれる余裕と花組の女役さんならではの色気。
これから大劇場花組『Cool Beast!!』をご覧になる方、中央上手で悩ましく踊られる鞠花さんをぜひご覧ください。
一回見つけてしまうとついオペラで追いたくなる、独特の濃いめのオーラが魅力です。これからも末永いご活躍を期待しています!!!
月組
そして、月組の『桜嵐記』退団者の中にお名前がなくて本当に嬉しい、鳳月杏さん。
『ポーの一族』ジャン・クリフォード、『あかねさす紫の花』(2018年花組)役替わり中大兄皇子と、どんな役を演じても「さすが」と言わしめる実力派スターです。
印象深いのはスカイステージ「音楽の宝箱」で同期の天真みちるさんと共演の回で、ひとりで洋服の上に着物を羽織って仁王立ちで、忠臣蔵のテーマソングを歌っていらしたことです。
まだの方はぜひ。
さて、『ピガール狂騒曲』では、鳳月ウィリーと千海ロートレックのアドリブが楽しかったですね。
千海華蘭さん。私服がおしゃれで、存在感が唯一無二の千海さんの魅力は『Bandito(バンディート)』マイケル、『Misty Station』ワニのロケットボーイ、番組では「名作ことばの泉」『忠臣蔵』浅野内匠頭をぜひ。
…と語ると、まるで忠臣蔵ファンのようですが、逆です。
鳳月さんと千海さんの番組がきっかけで忠臣蔵に興味を持ち、本家の杜けあきさん主演・雪組『忠臣蔵』(1992)を観て「これはすごい!」とハマりました。
ファン歴が短いと、過去の演目にはこういった入り方が多いのですが、みなさんはどうでしょうか?
星組
星組は男女ペアが活躍中です。
輝咲玲央さんは『ロミオとジュリエット』ではヴェローナ大公とピーターの役替わり。
持ち味の違うどちらの役も、どっしりした存在感できっちり締めています。
紫月音寧さんは、ロミジュリではモンタギューの青チームを引っ張っています。
『龍の宮物語』の女官長、岩鏡のお芝居がとても上手だったのが印象的です。
『龍の宮』は、紫月さんのようなしっかりした芝居をされる方々が要所にいらしたのがよかったです。
輝咲さんのご出身は福井県、紫月さんは高知県。
私は地方出身ジェンヌさんが大好きなので、こちらの同期コンビに惹かれます。
真風さんも宙組に組替えされる前は星組さんでしたね。
雪組
4月11日、彩凪翔さんと笙乃茅桜さんが退団され、雪組の92期は真那春人さんひとりになりました。
真那さんも、どんな役でもできるオールマイティなスターさん。
『fff』ヘンデル、『壬生義士伝』近藤勇、『るろうに剣心』御庭番衆など、幅広く活躍中です。
真那さんの忘れられない舞台姿は、2016年『るろうに剣心』で、武田観柳の本役の彩凪翔さんが休演され、真那さんが代役を務められた時のことです。
真那さんは急な代役にも関わらず、だみ声で舞台を駆けまわる個性的すぎる観柳役を完璧に務めていて、このスターさんのポテンシャルすごい…!と思ったのでした。
そして番組では、千海さんと同じく、スカイ・レポーターズとしてもなくてはならない存在です。
MCで真那さんが居てくれる安心感たるや。
おわりに
こうして振り返ると、それぞれに、一芸に秀でるだけでなく、個性を活かした総合力を発揮しながら、組の中心にいらっしゃる方ばかりですね。
みなさんのご活躍を、これからも舞台で拝見するのを楽しみにしています!