先日退団されたばかりの元花組トップ娘役である華優希さん。
退団後初のお仕事がまさかの元相手役である明日海りおさん主演の『マドモアゼル・モーツァルト』の明日海さん演じるモーツァルトの妻・コンスタンツェ役というニュースにテンションがあがりました。
在団時ももちろんですが、退団後にトップコンビのお2人がご一緒の仕事をされたり、宝塚を観劇されたり、お互いの出演作を観に行かれたりされている様子をSNS等で見かけるとやっぱりトップコンビの絆って素敵だなぁ…と感じます。
夢の世界を卒業しても尚、我々に夢を見せ続けてくれる…本当にありがたさの極みです。
実は先日星組公演「マノン」を観劇されたトップコンビがおられるんです。
なんと2001年の初演で演じられた元月組トップスターの瀬奈じゅんさんとトップ娘役となられた彩乃かなみさん!
お2人も当時はまだトップさんではなかったのですが、その後月組へと組替えとなりトップとなられており、この「マノン」は瀬奈さんにとってバウ・青年館初主演、彩乃さんにとっては東上初ヒロインという記念すべき公演でもありました。
このご時世で中々現地での観劇も我々にファンにとっても難しくなってきていますが、それはOGの皆さんにとっても同じ事。
今回は劇場でではなく、ライブ配信にて瀬奈さんと彩乃さんは観劇されたようでした。
そのニュースだけでも当時を知るファンの方々は嬉しくあるのですが、更に20年前のご自身方が演じられた「マノン」も見られたとのこと!
初演に出演されていたお2人で一緒に観劇しているだけでも尊いのに、まさか当時の映像まで一緒に見られるだなんて…。
マノンを演じられていた彩乃さん曰く、当時のお衣装が数着ほど使用されているとのこと!
通常の洋服でも20年間経つと色々な部分に綻びや汚れが目立つものですが、そんなことみじんも感じさせない宝塚歌劇団のお衣装部さん部さん達の神がかった職人芸には驚かされるばかりです。
瀬奈さんもInstagramのハッシュタグにて「素晴らしかった!!」と評され、彩乃さんも今回マノンを演じられている有沙瞳さんのことを「とっても素敵でした!」と激励を送られており、そのお人柄の温かさにこちらまで嬉しくなってしまいます。
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マノン
ちなみに「マノン」の原作はフランスの聖職者兼小説家であったアントワーヌ・フランソワ・プレヴォ・デグジル作の「マノン・レスコー」です。
愛月ひかるさん演じる名門貴族のロドリゴが有沙さん演じる美しく自由奔放なマノンと恋に堕ち駆け落ちをするも、マノンはお金のために数々の罪を犯し剰えお金のためにロドリゴを裏切るような行為を繰り返します。
それでもマノンを愛するロドリゴはマノンのために共に破滅の道へと進んでいく…。
という、宝塚ではよく見かけるスタイルのストーリー構成となっています。
実はこのマノンのような女性のことを「ファム・ファタール」(男たちを破滅させる女)と言い、今ではそういった作品が多くありますがその先駆けがこの「マノン」であるとされています。
その他にもロマン主義文学の始まりとも言われており、宝塚以外にも映画化やオペラやそこから着想を得た楽曲等多くの芸術作品を生み出している作品でもあります。
そんな多くの方々の想いが詰まった「マノン」。
バウでの公演は終わってしまいましたが、KAAT神奈川芸術劇場がまだございますので気になる方は是非チェックされてみてくださいね。