皆さん、こんにちは。いつもタカラジェンヌさんたちのスタイルの良さと、歌にダンスとため息がでますね。
そんな容姿端麗、才色兼備が勢ぞろいしている宝塚歌劇団で、天真みちるさんというジェンヌさんがいました。
現在は退団されて、舞台に出演したり脚本を書いたりMCをしたりと幅広くご活躍されています。
ここからはネタバレを含んでおります。
まだ天真さんのご本を読まれていない方はご注意ください。
そして私の見解なども含まれておりますので、不快に思われる方はご遠慮願います。
天真みちるさんのおかしな宝塚人生
天真さんは、テレビなどでも特集されており、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、彼女は宝塚時代の初舞台のレビューダンスで、丸々とされていた方です。(一般的には標準かと思いますが、周りが、、、)
そのことで、ネット上である意味話題になり、心無いことも書かれたそうです。
普通ならここでダイエットに励み、歌のレッスンやダンスの練習に励むものですが、彼女は違いました。
朝同期たちが早起きをしてボイストレーニングをしている中、彼女は爆睡。
音楽学校のあとはゲームに熱中し、夕方以降は炊飯器でご飯を炊いたりカレーを作ったりして夜のミーティングの時に上級生に“美味しそうなにおいがしてくるのだけど?”と言われていたそうです。
しかも入団早々公演メンバーには選ばれず、3ヶ月程の空き時間ができたら次回の公演に選ばれるように練習に励むのではなく、自動車運転免許を取得し国内旅行をして、宝塚から少しでも離れるようにしていたそうです。
そしてその翌年には、マレーシアへ海外旅行に行ったそうです。
おじさん役誕生の瞬間
しかしこの海外旅行が、天真さんの宝塚人生に大きな影響を与えます。
それはマレーシアの夜の繫華街で見た“夜の街を案内してよ”とうろつくおじさんたちを見かけたのです。
そしてこの情景が天真さんに新天地をもたらします。
日本に帰国した天真さんに初めて配役が決まり、その役がマレーシアで見た“夜の街を案内してよ”というセリフ付きのおじさん役に抜擢されたのです。
もちろん天真さんは、この役を見事に演じ切ります。
そのリアルな演技に同期をはじめみな感心されたそうです。
元々音楽学校時代にも演劇のクラスで3番を取られたことがあるので、そこは東の東大、西の宝塚に合格できるだけの腕をお持ちです。
天真さんによれば、宝塚歌劇の中でおじさん役は欠かせない存在で、従来ならば20年から30年ほどのキャリアを積んだ専科の方が演じられる配役だそうです。
それを若い年齢でおじさん役を演じるのに抵抗がなかったかと聞かれると、近くでトップさんを見られるだけで幸せだったそうです。
宝塚での居場所を見つける
それからというもの天真さんは、おじさん役を極めるため、様々なおじさんを観察し、バリエーション豊かなおじさん役に抜擢されました。
更に天真さんは公演後の打ち上げで、タンバリンを両手に持ち宝塚の楽曲に合わせて、全身を激しく動かしながら歌い、会場を大いに盛り上げたそうです。
元々天真さんは、この打ち上げの雰囲気が苦手だったそうで自分の居場所はどこにもないと思われていたそうです。
しかしこの芸のお陰で会場内での自分の居場所を見つけることができたそうです。
その腕前は、元花組トップ男役の真飛聖さんも覚えているほどで、宴会芸に懸けているのだなと感心されたそうです。
そしてご自身が退団される時に、この得意なタンバリン芸を舞台上で披露されたそうです。
もっと天真さんについて知りたいと思われた方は、左右社さんから出版されている“こう見えて元タカラジェンヌです”に詳しく書かれているのでご興味のある方はぜひご覧ください。
最後にたそさん(天真みちるさんの愛称)、宝塚の多様性を見せていただきありがとうございます。
これからも多方面でのご活躍を期待しております。