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月組トップ娘役 美園さくらさんの退団に思うこと

宝塚歌劇を楽しもう

8月15日に東京宝塚劇場で千秋楽を迎える月組公演『桜嵐記』『Dream Chaser』。

この公演は月組のトップコンビ、珠城りょうさんと美園さくらさんの退団公演となっています。

瀬奈じゅんさんと彩乃かなみさん、霧矢大夢さんと蒼乃夕妃さんの月組OGさんもそれぞれコンビで東京公演を観劇されたようで、インスタグラムにその様子がアップされていましたね。

今もコンビで仲良く観劇されているのが宝塚ファンとしては嬉しい限りですし、珠城さんや月組生への温かいメッセージに先輩方の愛を感じました。

千秋楽まで公演も残り少なくなってきましたが、先月発売された雑誌「宝塚グラフ8月号」そして今月5日に発売の「歌劇8月号」では珠城さんと美園さんのサヨナラ特集が掲載され、お二人の卒業が目前に迫っているのを実感しています。

個人的にはグラフの美園さんの記事に意外な印象を受けましたが、皆さんは美園さくらさんについてどんな印象をお持ちでしょうか?

珠城さんの二人目の相手役として月組のトップ娘役に就任された美園さんですが、ご卒業までの道のりは大変なことも多かったようです。

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美園さくらさん―99期の首席―

美園さんは2013年『ベルサイユのばら―フェルゼン編―』で初舞台を踏んだ99期生です。

首席で入団され、翌年の2014年に月組に配属。

新人公演ヒロインは2015年『1789―バスティーユの恋人たち―』マリー・アントワネット役、2018年『カンパニー』の高崎美波役、2019年『エリザベート』のエリザベート役と3回経験されています。

別箱公演も2016年の『FALSTAFF』でジュリエット役、2017年『Arkadia』でダリア役、2019年『雨に唄えば』でキャシー・セルダン役とヒロインを演じてきました。

そして、元月組トップスターの龍真咲さんと現トップスターの珠城さんの相手役を務めた愛希れいかさんのあとを受け、2018年に月組トップ娘役に。

愛希さんの退団公演になった2018年の『エリザベート』では初エトワールも務めました。女性らしい甘い歌声が印象的でしたね。

抜群のスタイルをお持ちなので、本公演2作目の『I AM FROM AUSTRIA』で演じた女優のエマ・カーターのような現代的な女性の役がお似合いだとは思うのですが、私は美園さんのトップお披露目になった大劇場公演が印象に残っています。

月組トップ娘役として

2019年に上演された『夢現無双』『クルンテープ』が美園さんの本公演お披露目で、私は東京宝塚劇場で観劇しました。

始まったお芝居『夢現無双』では美園さんが珠城さん演じる宮本武蔵を慕うお通役を正に体当たりで演じていました。

『夢現無双』といえば、私の中ではお通の「たけぞうさん」のセリフが一番に思い出されるのです。

お通が「たけぞうさん!」と武蔵に呼びかける声の力強さにハッとさせられました。

大人っぽくもあり、甘さもある声なのに不思議でした。

脚本や演出は残念に思うことの方が多かった作品で、美園さんのお芝居もまだまだ発展途上な感じでしたが、体当たりでお通を演じる姿にはなぜかグッと来るものがありました。

武蔵を追いかけ、懸命に生きるお通の役がトップ娘役として新たな一歩を踏み出したご本人に重なるところがあったからかもしれません。

日本物のお芝居なので余計ご苦労があったと思いますが、タイをテーマにした煌びやかなショー『クルンテープ』の方は歌もダンスも伸びやかで、美園さんがいきいきと活躍される姿が眩しかったですし、立派にトップ娘役の役目を果たされていました。

珠城りょうさんと共に

美園さんは99期の首席入団です。

しかし実は受け身な性格で厳しい宝塚の世界では委縮してしまうこともあったとか。

そのため、下級生時代はガムシャラに頑張ることもできず、向いていないのかもと思い悩んでいたことを宝塚グラフのサヨナラ特集でお話されています。

スタイルの良い華やかな舞台姿に加えて、歌やダンスもお上手で器用な娘役さんだと思っていましたが、ご自分のことを不器用だとおっしゃっています。

珠城さんとのサヨナラ対談でも美園さんの引っ込み思案ぶりが明かされていましたし、珠城さんが学校の先生のように美園さんに言葉をかけて引っ張ってきたというお話がありました。

恐縮しながらも美園さんが物凄く珠城さんを頼りにされてきたこと、珠城さんと向き合い、お稽古や舞台で引いてしまう自分を変えようと意識され、今も努力を続けておられることがわかるサヨナラ特集でした。

温かく頼もしい珠城さんとその後ろを必死で追いかけてきた美園さんのコンビ、何だか愛おしく感じます。

最後までコンビで力を合わせて、月組の舞台を引っ張っていただきたいですね。

最後に

美園さくらさんは2019年12月号で柚香光さんと、2020年9月号で月城かなとさんと、2021年3月号では星風まどかさんと共に宝塚グラフの表紙を飾っています。

それぞれ表紙撮影ルポが掲載されていますが、相手の方との会話に独特のさくら節が炸裂していて面白いです。頭のいい方なのでしょうが、天然なところがあり、チャーミングだなと。

柚香さんからは「思ったよりパワフルな方でしたね」なんて感想を言われていました。

舞台でもそのパワフルさを忘れずに観客の皆さんを魅了していただきたいと思います。

美園さんが月組の皆さんと一緒に舞台に立てるのも8月15日が最後、その最後の幕が下りるまで無事に完走できるよう心から願っています。