「形見分け」って聞くとなんだか物騒というか、もの悲しいというか…。
とりあえず宝塚歌劇団と関わりのある単語とはまず思えませんよね。
しかしこれが関係あるんです、実は!
形見分けとは?
簡単に説明しますと、タカラジェンヌの方々は退団される際にお稽古着や舞台で使用した小道具(アクセサリー・ヘッドドレス・カフス・イヤーカフ等)だけでなく、私服までもを下級生の皆さんにプレゼントされることを宝塚では形見分け、と言います。
お稽古着や小道具はまだわかりますが、なんで私服まで?と疑問に思われた方もおられることでしょう。
1度でもジェンヌさんの私服姿を見たことがある方は思い出してみてください。
ジェンヌさんの方の私服ってとにかく実生活には向かないものが多いですよね…。
男役さん達は私服も全てスカートを持っておらず、スッとしたパンツにド派手なシャツやドクロや十字架のついたものが多く好まれていたり、娘役さん達の私服も可愛らしくはあるのですがファンシーさが強く毎日がパーティーなのかな?と思ってしまう程華やかですよね。
それはもちろんジェンヌさん達の趣味もあるかとは思うのですが、少なからずジェンヌさん達は我々ヅカオタの夢を壊さぬよう私服でさえも「タカラジェンヌである自分」を演じるためのアイテムとして選ばれているんです。
ですので退団後に全て同じ私服を着用し続けることができるか、と問われるとそうもいかず、かと言って思い出深いアイテム達を処分するのは忍びないですから下級生さん達に活用してもらう、というわけです。
下級生さん達にとっても憧れのお世話になった上級生さんからのプレゼントって嬉しすぎますからWin-Winな制度ですよね!
時々「あ!あれは確か・・・」という場面にも遭遇できる
以前であれば入り待ち出待ちがありましたら、「あ!あの服は退団された○○さんの!」というようなご贔屓さんの片鱗を下級生さんから感じることもできたのですが、そうもいかないご時世というのが辛いところではあります…。
が!!
私服ではなく舞台上で使用される小道具であったり、お稽古着であれば引き続きチェックできちゃうんです。
男役さん達の使用されるものはカフスやイヤーカフですのでチェックするのはかなり難しいかもしれませんが、娘役さん達のアクセサリー類は女性視点としては見分けることも男役さん達のアイテムよりかは可能なのではないかと思います。
そしてお稽古着ですが、男役さんはもちろんのことですが娘役さん達のお稽古着ってかなり特殊な形状をしていますよね。
ボリュームのあるスカートはほぼ皆さん変わりはないのですが、よくよく見るとあのトップスは全員細かい違いがあるとのこと。
娘役さんが退団される際には着用されていたお稽古着の形を下級生の中の1人が受け継ぐという娘役さんならではな形見分けもあるそうです。
基本的にはお付きの下級生の中から選ばれるそうですので、ご贔屓さんが退団された後は一体どの子が引き継いだのかはタカラヅカスカイステージや円盤のお稽古動画で要チェックです!
上下関係がしっかりとしている宝塚。
厳しいながらも優しい上級生さんだからこそ、下級生さん達も慕い焦がれるのだと思います。
そして最後の去り際にも下級生さん達への愛を残していく…。
素敵な制度ですよね。