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思いっきり泣きたい!そんな時に観たい宝塚作品4選

宝塚歌劇についての雑記

今年こそは、様々な状況に左右されず、宝塚を心から楽しみたいと、初詣では祈念して参りました(笑)

年末年始にかけては、タカラヅカ・スカイステージでも様々な特番が組まれ、ヅカオタにとっては、それはそれで忙しい日々ではありましたが、「特番だけでは物足りない」と思ってしまったのもオタクの常でございます。

それなのに今年に入ってまだ10日も経っていないのに、花組、雪組が止まってしまうなんて誰が想像したでしょうか。

こんな時だったからこそ、『心を洗われたい…』と思ってしまう私でもあります。

今日はそんな私が、普段流さない涙を“これでもか”と流して、観終わった後に『心が洗われたわぁ…T^T』と思ったお芝居を、ランキング形式でご紹介したいと思います。

毎度ではありますが、どうしても「自分…不器用なんで…」と言ってしまいがちな、古いタイプに分類される日本人なものですから『義理人情噺』に大変弱い風潮がございます(笑)

私の個人的な趣味・趣向でのランキングとなっておりますので、ご理解のうえお付き合いください(笑)

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『銀二貫』

 2015年雪組 宝塚バウホール公演
主な出演者/月城 かなと、有沙 瞳、英真 なおき、華形 ひかる
脚本・演出/谷 正純

私が『銀二貫』という作品を知ったのはNHKのドラマでした。

その時のキャストが、松吉(鶴之輔)/林 遣都、寒天問屋井川屋の主人・和助/津川 雅彦、番頭の善次郎/塩見 三省で、たまたま夜中に付けたテレビに、冒頭から釘付けとなり、毎週楽しみに(笑)、終いには号泣していました。

そんなお話しが、宝塚で、それも、人情時代劇と言えば『谷先生』の脚本ですから楽しみでした。

宝塚版では、松吉(鶴之輔)/月城、和助/華形、善次郎/英真、真帆/有沙

主演のれいこさんを専科の二人がガッツリ支え、相手役では歌うまのくらっち(現星組)が切ない心情を歌い上げる、宝塚らしい作品になっていました。

お話しは、大阪天満が舞台。寒天問屋井川屋の主人・和助(みつるさん)が、天満宮へ銀二貫を寄進する道すがら、鶴之輔(れいこさん)の父の仇討ちの場に出くわす。鶴之輔もあわや討たれるか、というところをその銀二貫で命を救われる。鶴之輔は、松吉と名を改め商人として厳しい修行に耐え、数々の困難に立ち向かって生きていく。

この物語の中で、私の崩壊ポイントが、後半に訪れる和助(みつるさん)と善次郎(英真さん)のお芝居です。

大火で焼けた天満宮再建のためにかき集めた大切な『銀二貫』を、はじめは松吉(れいこさん)を救うため、二度目は寒天場の仲間を救うために使ってしまいました。

そして、ようやく、22年越しに天満宮に銀二貫を寄進することが叶うのですが、これまでの艱難辛苦を思い返し、松吉を思いながら「(和助)ええ買い物、したなあ」「(善次郎)ほんに安うて、ええ買い物でおました」というやり取りが、心を揺さぶりまくるのでした。

ちなみに、ドラマには元月組トップ娘役の映美くららさんも出演していました。

『壬生義士伝』 

2019年雪組 本公演
主な出演者/望海 風斗、真彩 希帆、彩風 咲奈
脚本・演出/石田 昌也

「日本人、みんな大好き新選組(笑)」な作品でございます。

ドラマや映画でお馴染みですが、私的には、吉村 貫一郎は渡辺 謙より中井 貴一派、大野 次郎右衛門は内藤 剛志より三宅 裕司派です(笑)

宝塚版ですので、これに歌が入ります。

望海さんときーちゃん(真彩)ですので歌の場面で泣かない自信がないくらい、安心して観ていられる作品でした。

お話しは幕末。家族を養うために脱藩し、新選組に入隊する貫一郎(望さん)は北辰一刀流免許皆伝の腕前を持ち「人斬り貫一」と恐れられる。しかし、新選組は鳥羽伏見の戦いで敗れ、貫一郎は深手を負い大坂の南部藩蔵屋敷へ向かい、そこで再会したのが幼馴染の大野次郎右衛門(彩風)だった。大野から切腹を申し付けられた貫一郎は、切腹用に渡された名刀を「息子に」と言い残し、刃こぼれした切れない己の刀で自害する。そして、時代は維新へと突き進む。

この物語で、私の崩壊ポイントは、やはり後半です。

時代に飲み込まれ、賊軍となってしまった新選組で、『錦の御旗』にひとり突っ込んでいく貫一郎のその姿にまず第一波です。

正確なセリフは覚えていませんが「天皇には何の盾突く理由はありませんが、己の儀を貫きます…」的な。

そして、南部藩蔵屋敷での大野次郎右衛門(咲ちゃん)との一連のやり取りに…思い出しながら書いている今でさえ、目頭が熱くなってきました(笑)

『阿弖流為 –ATERUI–』

 2017年星組 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、日本青年館公演
主な出演者/礼 真琴、有沙 瞳、瀬央 ゆりあ
脚本・演出/大野 拓史

原作から号泣でしたので期待大でした。

しかし、原作前半は“阿弖流為”よりも、綾 鳳華演じる“母礼”が主人公ではないか?という物語だったのと、ロマンス色が薄かったので、どのように宝塚に馴染むお話しになるのか、大変興味がありました。

とにかく、こっちゃん(礼)の東上初主演ですから、キュンキュンさせられたい、というのがファン心理でした。

が、しかし…

舞台は、8世紀、東北へ支配領域を拡大する大和朝廷と蝦夷(東北地方)の人々との戦いのお話しです。

蝦夷を人として扱わない朝廷との戦い、その朝廷の中でも、蝦夷の誇りを守るため戦う阿弖流為(礼)の生き様を認め、心を通わす朝廷軍の切り札である坂上田村麻呂(瀬央)。田村麻呂との戦いに勝利するも、蝦夷の未来のために、降伏する阿弖流為。

この物語では、私の涙腺ポイントが多すぎて…キュンキュンはさせられませんでしたが、それでも文句がないくらいです。

一幕から、壱城さんに泣かせていただきました(笑)

仲間たちがそれぞれ自分の役割に徹することを心に誓い村に帰る♪蝦夷の歌♪のシーンでは、心引きちぎられる思いで涙が溢れ、母礼(綾)の「死ぬ日は同じと決めていた」のセリフに完全崩壊です。

そして、田村麻呂に阿弖流為がこれからの蝦夷を託して死んでいくシーンまで、ノンストップ崩壊…大野先生ありがとう(笑)

『星逢一夜(ほしあいひとよ)』

 2015年雪組 本公演、2017年雪組 中日劇場公演
主な出演者/早霧 せいな、咲妃 みゆ、望海 風斗
作・演出/上田 久美子

やはり、座付きの先生が、オリジナル作品を宝塚らしく創り上げてくれるのが魅力のひとつなんですよね。

それを見事に表現された上田先生、この作品が大劇場デビュー作と思えないくらい素晴らしいもので、第23回読売演劇大賞・優秀演出家賞を受賞されました。

お話しの舞台は江戸中期、九州の緑深き里、山々に囲まれた三日月藩(架空の藩)藩主の次男、天野晴興(ちぎちゃん)は、里の娘、泉(ゆうみちゃん)やその幼馴染の源太(望さん)と星探しに明け暮れる幼少期を過ごし、身分を超えて友情を育む。時は流れ、それぞれの立場が変わり、将軍吉宗の元、老中となり享保の改革を進める晴興と、貧しい暮らしから村を救うため、一揆を起こした源太が対峙することとなる。

ああ、上田先生、なんて胸締め付けられる場面をこんなに儚く、切なく書いてくれるかなぁ…私の涙は止まりません。

一揆を治めるため、晴興と源太が一騎打ちする場面での、お互いを理解しているからこそのやり取りに、胸を締め付けられます。

お互い惹かれあっていた晴興と泉が、最後に会う星観の櫓での場面で、昔、晴興に貰った短刀を振りかざして源太の仇を報じようとするが、できない。

そこにいたのは“ゆうみちゃん”ではなく、紛れもなく“泉”が生きていたと私には感じられ、“俳優咲妃みゆ”に感服した瞬間でした。

晴興の心もぐいぐいとこちらに伝わって…平和だった子供の頃の星観の櫓がラストとは、もう平静でいられません。

残念ながら、映像でしか観ていませんが、こんなにも心揺さぶられる作品でしたので、“生の舞台で観られたらどんなに良かっただろうか”と思う作品でした。

気付けば、雪組作品が多くなっていましたが、意図はありません(笑)

今年も、演出家の先生方に、素敵な作品をたくさん世に出していただけるよう期待しています。