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全ツ前に予習『フィレンツェに燃える』はこんなお話

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団花組の全国ツアー 
ミュージカル・ロマンス『フィレンツェに燃える』ショー グルーヴ『Fashionable Empire』の公演期間は2022年10月14日(金) – 11月3日(木)で、梅田芸術劇場を皮切りに全国6ヵ所で公演予定です。
 
この作品は2019年に逝去された柴田侑宏先生による原作で、1975年雪組(汀夏子さん 順みつきさん)で上演されています。

今回47年ぶり、初の再演だそうです。

柴田侑宏先生の作品集より『フィレンツェに燃える』の配役やストーリーについて調べてみました。

柴田侑宏先生の作品集『人間が息づく舞台を〜演出家・柴田侑宏が描いた世界〜』の中に1975年に初演の『フィレンツェに燃える』の特集箇所(p 41〜)があり当時の主な配役とあらすじ、台本の一部が掲載されています。

特集ページの主要登場人物を今回の配役に当てはめてみました。

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主な登場人物

・アントニオ(イタリアの貴族 バルタザール家の長男) 
柚香光さん

・レオナルド(バルタザール家の次男) 
水美 舞斗さん

・パメラ(クレメンティーナ公爵の未亡人)星風まどかさん

・アンジェラ(アントニオの幼馴染)
星空 美咲さん

・バルタザール侯爵(アントニオとレオナルドの父)
高翔 みず希さん

・マルガレート・シュザンテ伯爵夫人(アンジェラの母)
梨花 ますみさん

・オテロ・ダミーコ(パメラの元恋人で憲兵)
永久輝 せあさん

・マチルド(オテロの恋人)
咲乃 深音さん

・レナート(アンジェラの許嫁者)
聖乃 あすかさん

・ビットリオ(兄弟のいとこ)
愛乃 一真さん

・ロベルト(レオナルドの友人)
侑輝 大弥さん

時代と場所

中世以降イタリアは小国に分裂していましたが、1848年イタリア統一戦争や各国の併合、住民投票などを経て1861年にイタリア王国が建国されます。

舞台はそんな国家統一運動が起こりかけているイタリア、フェレンツェです。

同時代の舞台作品では『エリザベート』があります。

エリザベート(シシィ)が皇帝フランツと結婚するのが1854年です。

あらすじ

 バルタザール侯爵(高翔 みず希さん)には二人の息子アントニオ(柚香光さん)とレオナルド(水美 舞斗さん)がいました。

兄のレオナルドは貴族の青年らしく品行方正で家の事もよく考える若者です。

対して弟のレオナルドは野生的でイタリア全土の未来を考える熱血漢でした。

ある日バルタザール家に遠縁のクレメンティーナ公爵の未亡人パメラ(星風まどかさん)が静養にやってきます。

パメラは元は歌姫でクレメンティーナ公爵との結婚により貴族になり、そのため周りの貴族達からは冷たい目で見られていました。

アントニオはパメラの想いの深い瞳に魅せられ恋に落ちてしまいます。

パメラに心を奪われてしまった兄を心配した弟のレオナルドが、兄からパメラを引き離そうと、芝居を打ちパメラを自分のものにしてしまいます。

パメラはアントニオに惹かれながらも、彼の将来を思い弟のレオナルドに身を預けるのでした。
弟にパメラを奪われ傷心のアントニオは幼馴染のアンジェラ(星空 美咲さん)に慰められるのでした。
 
そんな時パメラの元恋人で憲兵のオテロ・ダミーコ(永久輝 せあさん)がクレメンティーナ公爵の死を不審に思いパメラを追ってきます。

オテロはパメラを問い詰め、その場にやってきたレオナルドとオテロは決闘になります。

決闘はレオナルドが勝ちオテロは刺されますが、倒れぎわにパメラを刺し、パメラは命を落としてしまいます。

兄とも和解し、パメラを深く愛していた事に気づいたレオナルドは、また統一運動に旅立つのでした。以上があらすじです。

悪女のパメラと兄弟愛が楽しみ!

一部抜粋の台本を読むとパメラは決して清純な女性ではなく、苦労して成り上がってきた一見悪女とも思えるくせのある女性です。

星風まどかさんはパメラの持つ過去も説得力を持って演じられると思います!

主人公のアントニオは純粋でノーブルで柚香光さんにぴったりなお役ですね。

人間的にはレオナルドが一番面白いと思います。

兄の事を心配しすぎて、兄の恋人を取ってしまうのですから。水美舞斗さんは兄とイタリアを熱く想うレオナルドを熱く演じられると思います。
 
2020年の『はいからさんが通る』での伊集院少尉(柚香光さん)と部下の鬼島軍曹(水美舞斗さん)との熱い絆を、兄と弟の絆という形で観る事ができるかもしれません。

50年近くの時を経ていますが、普遍の人間愛を描かれている柴田作品を華やかな花組さんが深く華やかに描かれることを期待しています!

 ライター・さんなん