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バウワークショップは普通のバウ公演との違いとは?過去を振り返り!

宝塚歌劇団星組が公演するバウ・ワークショップ『Stella Voice』が4月1日から始まります。

この公演は天華えま(あまはな えま)さんがポスターの中心に大きく載っており、公式ホームページの「主な出演者」欄に天華えまさん単独で名前があります。

これは、天華えまさんが「バウホール主演」ということでいいのでしょうか?

そもそも「ワークショップ」って何でしょうか?

過去を振り返りつつ、主演した生徒さんのその後も含めて「バウ・ワークショップ」がどのような意味を持つのか、ちょっと検証してみましょう!

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演劇界における「ワークショップ」の意味

まずは、「ワークショップ」の定義から。

一般的に使われる「ワークショップ」とは、「参加者が主体となる体験型講座(セミナー)」という意味合いです。

例えば、講師にレクチャーを受けながらキャンドルなどの雑貨を作ってみたりして、自分で作った完成形をお土産として持ち帰ることができる講座のことです。

この言葉が演劇などのアート界隈でも使われるようになりました。

雑貨などの形があるものを作ったりするのではなく、「演技してみる」「動いてみる」などの体験ということですね。

つまり、バウ・ワークショップも「やってみる」「挑戦してみる」という位置づけで、普段のバウホール公演よりも試験的な意味合いが強いということになります。

以前、バウ・ワークショップの演出を手掛けた中村一徳先生はインタビューでこのように答えています。

「宝塚は歌劇団。原点回帰し、若手に歌の発表の場を。各組の選抜メンバーが出演します。歌が得意な人、歌う機会がなくまだ伸びていない人、実力を発揮する場のない下級生などさまざまです」

新人公演でもなかなかチャンスがまわってこない下級生にはかなり貴重なアピールの場ですよね。

過去のバウ・ワークショップ一覧

「バウ・ワークショップ」と名付けられた公演は、主にお芝居の公演とコンサート公演の2種類に分けられます。

まずはお芝居形式のバウ・ワークショップを並べてみましょう。

全体的に日本物のお芝居が多いようですね。

『ベルサイユのばら』『エリザベート』などで分かるように、近年の公演で人気なのはみんな洋物ミュージカルです。

しかし、宝塚の歴史の中で日本物の芸も貴重な文化遺産です。

和モノ用の所作やお芝居の仕方などを若手にもしっかり受け継いでもらい、忘れないでほしいという想いもあるのでしょう。

それでも、2022年の『殉情』の再演は、ワークショップでの日本物として実に14年ぶりとなってしまいました。

日本物で良作は他にもまだまだたくさんありますので、下級生にどんどんチャレンジしていってほしいですね。

では、ショー形式のワークショップ一覧はこちらです。

こちらは割と定期的に行われているようですね。

直近のショー形式のワークショップは『New Wave!』シリーズの最後を飾った星組さんになります。

そしてまた今回、星組さんからのスタートとなりますので、新たなワークショップシリーズのスタート、ということなのでしょうか。

ちなみに、2019年にバウホールで花組によるショー作品『Dream On!』が上演され、こちらは綺城ひかり(あやき ひかり)さんと飛龍つかさ(ひりゅう つかさ)さんがメインキャストを務めましたが、「ワークショップ」という冠がついていなかったので、また違う位置づけのようです。

「ワークショップ主演=強力なカード」ではない?

そして気になるのは、「ワークショップの主演ってトップへの布石になるの?」という点ですよね。

バウホールで単独主演を務めた、という経歴は明らかにトップスターへの道のりのひとつとしてしっかりとカウントされます。

しかし、試験的な意味合いが強いワークショップはどうなんでしょう…?

さきほどの表の中の主演者の中から、のちにトップスターになった人の人数をちょっとカウントしてみましょう。

【お芝居ワークショップ】

トップになった人:9名/21人中

【ショーワークショップ】

トップになった人:7人:19人中

まだ現役として2番手・3番手・路線スターで頑張っている生徒さんもいますので、ここから増える可能性は充分にありますが、それでも確率としてはそれほど高くないようですね…

もちろん実績としてカウントはされますが、バウホール単独主演に比べるとカードとしては弱いような気がします。

今回のメインキャストとなっている天華えまさんの経歴の中でこれがどのようなカードとなるのか、見守っていく必要があるように思いますね。

また、今回の『Stella Voice』がワークショップの新シリーズのスタートなのだとしたら、今後他の4組も上演があるということ!

新人公演はお芝居や芝居歌のポテンシャルをアピールする場ではありますが、ショースターとしてのポテンシャルをアピールする場は、このワークショップしかありません。

各組の下級生がショースターとしてどのような才能を持っているのか、じっくりチェックしていきたいですね!