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真風涼帆さん退団公演の余韻

宝塚歌劇についての雑記

宝塚大劇場宙組トップスター真風涼帆さんトップ娘役潤花さんの退団公演千秋楽の日を迎えてしましました。

真風涼帆さん潤花さんはじめスタイリッシュでかっこいい宙組には変わりないので、本当にこのトップスターコンビの作品が観れなくなるのが信じられませんが、東京公演もあるので本当の千秋楽まではしばらくあるので名残を惜しみたいと思います。

原作は有名すぎるほど有名な「007」ですが、見どころは原作を忠実に再現というよりは、ジェームズ・ボンド=スーツとトレンチ・コート=スーツとトレンチ・コートが似合いすぎる男役=真風涼帆さんという図式が頭の中に浮かんできました。


 時代が1960年代で男役さんはスーツの場面が多く、スーツで撃ち合いのアクションシーンもピストルの構え方がみなさんかっこよすぎでした。


 一人の女性に縛られない女性にモテモテのジェームズ・ボンドですが、いやらし過ぎない真風ボンドが「清く正しく美しく」がモットーの宝塚らしい、品の良いジェームズ・ボンドでした。

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未来への希望を歌声に表現できる稀有な娘役 潤花さん

歌の上手い娘役さんは枚挙にいとまがないですが、潤花さんは歌声そのものに希望を感じられます。

歌声を聴くだけで前向きな気分になれる娘役さんで、潤花さんの歌声に元気づけられたことは忘れません。

また登場時はヒッピーの衣装でしたが、劇中でキラキラのティアラを被り、王女(ロマノフ家の後継者)のドレスも退団公演にふさわしい豪華さでした。

桜木みなとさんの振り幅がすごい

作品が第二次世界大戦後の資本主義と共産主義の対立というはなはだ政治色の強い内容かと思いきや、明るくコメディ要素満載の作品でした。

コメディ感が強いなと感じた理由はなんといっても桜木みなとさんのコミカルな演技によるものです。

桜木みなとさんはミシェル・バローという青年活動家のリーダーです。

物語が進むなかで気弱な面もどんどん出てきて一番人間らしさを感じる役でした。

理想の社会を目指す歌声は伸びやかであんなに脚が長いのにバルコニーの柵が越えられずに潤花さんに手伝ってもらったり(ちなみに真風ボンドは、ひらりとまたいでおられました。


プログラムの中で小池修一郎先生が「桜木みなとさんのコメディ・センスに大いに期待」と語っておられます。

桜木みなとさんのコミカルな演技によって、明るくトップスターコンビを見送ろうという演出の意図が見えます。

優希しおんさんのダンスを堪能

優希しおんさんは芹香斗亜さんの部下のジャンという兵士の役ですが、卓越したダンスが素晴らしいです。

前作『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』でも何メールもの横ジャンプと『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』でのロケット中心爆踊りが印象的でしたが、今回もロシア兵のコサックダンスなども難なくこなして爆踊りを披露されていました。

宝塚の舞台は歌や演技でも感動しますが、ダンスの上手な方はずっと目で追ってしまいます。

ゲオルギー(寿つかささん)は立ち上がる!

今作品で退団を発表された寿つかささんはロマノフ家の財産を息子達(風色日向さん、亜音有星さん)と後継者に指名されたデルフィーヌ(潤花さん)を結婚させようと画策します。

ル・シッフル(芹香斗亜さん)がゲオルギーを担ぎ「皇帝ゲオルギーは立ち上がる!」と叫ぶシーンがありますが、これはミュージカル「エリザベート」の劇中歌「闇が広がる」の最後の歌詞「皇帝ルドルフは立ち上がる〜」のパロディでしょうか?

こういうちょっとしたツッコミポイントもこの作品がコメディ感が強いと言われる理由かもしれません。

色々企む割に隠しきれない人の良さが寿つかささんにピッタリの役でした。

次期トップスター芹香斗亜さんは

二回続けてクラブのオーナー。

芹香斗亜さんは今作品ではクラブ 「メゾン ダムール」のオーナー役でしたが、前作『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』ではクラブHEAVENのオーナー役でした。

性格も行動も全く違うクラブのオーナーですが、二作続けて同じ職業だと前の公演をつい思い出してしまいました。

これも小池先生の仕掛けの一つでしょうか?

ジェームズ・ボンドとコメディ要素の組み合わせは上演前の予想と大きく違いましたが、それでも真風涼帆さんが男役としてこれ以上ないほどダンディでした。

物語というよりは歌、ダンス、立ち回りのかっこよさを味わう公演でした

ライター・さんなん