6月12日からシアターオーブで始まる月組公演『DEATH TAKES A HOLIDAY』。東京でしか公演が行われないため、チケットは激戦となるでしょう。
公演案内を読んでみると、これはブロードウェイの輸入作品のようで、宝塚では『ファントム』の楽曲で有名なモーリー・イェストンが作詞・作曲を手掛けているようです。
そんな大作曲家が手掛けたブロードウェイモノといえども、あまり日本では聞き馴染みのないタイトルですよね。
一体『DEATH TAKES A HOLIDAY』がどんな物語なのか、ネタバレは一切無しで少し予習してみましょう!
月城かなとが演じるのは美しい青年の死神!
『DEATH TAKES A HOLIDAY』と聞くとピンと来ない人が多いかもしれませんが、『ジョー・ブラックをよろしく』と聞けば、「あ!」と思う人もいるのではないでしょうか。
https://amzn.to/453gE7z (amazonで見れます)
「あのブラッド・ピットの美しさは神がかっていた!」と、世界中の女性がブラッド・ピットの虜になった作品です。
『ジョー・ブラック〜』のほうは『DEATH TAKES A HOLIDAY』を1990年代版としてリメイクしたもので、時代背景や登場人物の職業などが変わっています。
今回、月組が公演するのはオリジナルのほうの設定になりますので、月城かなとさんが演じるのは公爵。
貴族ならではの黒燕尾・タキシード姿などが見られると思いますので、そこも大変楽しみです!
モーリー・イェストンの美しい楽曲に期待集まる!
「モーリー・イェストン」と聞けば、宝塚ファンなら「ファントム!」とピンとくる名前ですよね。
劇団四季が上演することの多い『オペラ座の怪人』は、「アンドリュー・ロイド・ウェバー版」といい、あの印象的なメロディーはミュージカルファンでなくても聴いたことのあるフレーズです。
『オペラ座の怪人』のほうが主人公であるエリックの怪人ぶりが全面的に描かれ、おどろおどろしい雰囲気に仕上がっています。
一方、宝塚で公演している『ファントム』は「アーサー・コピット(脚本)&モーリー・イェストン(作詞・作曲)版」といい、エリックがより人間らしく、繊細な感性を持った男性である側面を重点的に描いています。
そのエリックの純粋性を表すのに、モーリー・イェストンの楽曲が本当にピッタリで、特にいちばんの見せ場である、エリックと父親・キャリエールの場面で2人が歌う楽曲は涙なしには聴けません。
モーリー・イェストンのあの才能を知っている宝塚ファンなら、『DEATH TAKES A HOLIDAY』もきっと素晴らしい曲ばかりなのだろうと容易に想像できますよね。
懸念される版権問題
美しい月城かなとさん扮する死神が人間界に舞い降り、海乃美月さん演じるグラツィアと恋に落ちてしまう、という紹介文を読むだけでもう「絶対に良作!!」と確信できます。
…しかし、ここで問題がひとつ。
ブロードウェイ作品、シアターオーブのみでの公演…と聞くと、思い出されるのが2019年に公演された雪組の『20世紀号に乗って』です。
壮絶な悲劇ばかり演じることの多かった望海風斗さん主演作品の中で、『20世紀号〜』は貴重なハッピー作品で、大好評を得ていました。
ただでさえ東京でしか公演されない上に、評判も上々ということでそれはそれはかなりのチケ難公演でした。
それでも、ディスク化されたり、宝塚専門チャンネル「スカイステージ」での放送があればまだいいものの、『20世紀号~』もブロードウェイモノなので版権が非常に厳しく、一切の映像が残っていません…
ブロードウェイ作品、シアターオーブのみ…この流れはもしかすると…と思ってしまいますね。
もちろん、舞台は生で観るのがいちばんではありますが、チケットを手にすることのできる強運者はひと握りです。
もしチケット争奪戦に敗れてしまったら…と思うと気が気じゃない月組ファンも多くいらっしゃると思います。
ディスク化か、スカイステージでの放送か。どちらかが叶うといいのですが…
もし「やっぱり20世紀号と同じ、か……」という事態になっても後悔が無いよう、なんとしてでもチケットを押さえておきたいですね。