昨日宝塚大劇場での千秋楽を終えた宝塚歌劇団花組の『鴛鴦歌合戦』。
今回は、この作品の魅力や見どころ、そして何より花組の力について触れてみたいと思います。
柚香光さんの存在感
まず、彼女の存在を無視することはできません。
彼女が築く空間や、その場の雰囲気を絶妙に取り仕切る姿は、まさにプロの技です。
昨日の千秋楽では、柚香光さんは、まるで「菩薩」のような存在感でしたよね。
大羽根を背負って、言い間違えた組長さんのところへこそっと向かい指摘して(って組長さんだから他の人はできないだろうと、、、)そして、キキちゃんに一旦戻って頂いて、仕切り直しでその場を収める。素晴らしかった。
そして、彼女のご挨拶の言葉「7月7日の七夕さまから梅雨を駆け抜け、紫陽花の季節から夏祭りで賑わう季節まで、お客様と笑い合いながら愛を歌うことができた日々は本当に幸せでした」。
なんて美しい言葉を選ぶんでしょう。
季節感を交えながらファンとの繋がりを強調し、その美しい表現には心からの感動を覚えます。
『鴛鴦歌合戦』の魅力
日本の古い原作映画を基にしているこの作品、初めて目にした際には正直、厳しいものを感じた方もいるかと思います。
しかし、花組の特技ともいえる”尻上がり爆上げ力技”で、見事な舞台に仕上げているのです。
特に、娘たちの恋のバトルシーンも絶対の見どころ。
星風まどかや星空美咲、美羽愛など、彼女たちの魅力的なキャラクターがこの舞台を彩っています。
星風まどか・お春の「ちぇっ」
星空美咲・おとみの小悪魔ぶり
美羽愛・藤尾の「もう病気治りました」のストレッチが可愛すぎ。
藤尾は原作映画では一番悲しい役でしたが、宝塚版は皆んな笑顔になるからいいですね。
公演回数を重ねるたびに、笑いポイントがアップしていく。コンマ1秒のセリフのズレや表情の違いで舞台としての面白さが変わっていく。
昭和レトロを感じさせる台詞回しや曲調がなんだかいい感じでくせになっていく。
千秋楽に向けてどんどん、面白くなっていきました。
花組の力
最も印象的だったのは、花組の努力とプロ意識、そして組織としてのモチベーションの高さです。
彼女たちは、地味で間合いの難しいキネマ時代のコメディ映画の舞台化と昭和の懐かしのレビュー集というショーを見応えのある舞台に引き上げました。
その努力や熱意は、観客にしっかりと伝わり、胸を打つものがありました。
最後に、花組生のこれからの活躍を心より期待しています。
さあ、この作品の東京公演が9月から始まります。
東京では、どんな鴛鴦歌合戦を見せてくれるのか。東京まで追いかけたいと思います。