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芹香斗亜の真骨頂なるか?宙組注目の復讐劇「PAGAD」

宝塚歌劇を楽しもう

アレクサンドル・デュマ・ペールといえば、宝塚で舞台化されたことのある作品はこんな感じ。

  • 『三銃士』→月組『All for One〜ダルタニアンと太陽王〜』
  • 『モンテ・クリスト伯』→星組『アンタレスの星』、宙組・星組『モンテ・クリスト伯』
  • 『王妃の首飾り』→雪組『ルパン三世 ―王妃の首飾りを追え!―』

宝塚ファンにとってアレクサンドル・デュマ・ペールはなかなか馴染み深いですよね。

アレクサンドル・デュマ・ペールは生涯でかなり多くの作品を残していますが、今回の演目に選ばれた『Joseph Balsamo(ジョゼフ・バルサモ)』は日本語訳すら出ていない、マニアックな部類に入る作品と言えます。

三銃士やモンテ・クリスト伯は宝塚以外でもいろいろなエンタメで映像化・舞台化されているほど人気のある作品です。

しかし、『Joseph Balsamo(ジョゼフ・バルサモ)』は『PAGAD』の副題に入っているように、『BLACK MAGIC』という作品名で映画化されているのみ。

しかもその映画は1949年に公開されている、大変古い作品です。

アレクサンドル・デュマ・ペール作のもっと有名な小説もたくさんある中で、『Joseph Balsamo(ジョゼフ・バルサモ)』を選んだのは田渕大輔先生らしいというかなんというか…(^^;)

とはいえ!なぜ田渕先生が『Joseph Balsamo(ジョゼフ・バルサモ)』を選んだのか?というのは、主人公であるジョゼフ・バルサモの人となりを知ると「なるほど!!」と思う部分がありました。

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主人公ジョゼフ・バルサモは芹香斗亜の真骨頂役?!

『PAGAD』の作品解説には、こうあります。

“ド・モンターニュ子爵に復讐するため、母親譲りの“力”を使い、ある大勝負に打って出る。”

つまり、復讐劇です。

芹香斗亜さんが2番手時代に演じてきた近年の役どころを見てみると、ちょっと驚いてしまうほどダークな役揃い!

  • 『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』ジェームズ・モリアーティ
  • 『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』ROCKY
  • 『カジノ・ロワイヤル〜我が名はボンド〜』ル・シッフル

「悪役」と言い切れるほどではないものの、ダークサイドの役というのは観客の記憶に強く残る「オイシイ役」ですので、2番手として安定した実力・人気を誇っていた芹香斗亜さんだからこそ、ということだったのでしょう。

この経験のおかげなのか、少し影があって何かを企んでいる役というのは今や「芹香斗亜の強み・個性」とも言えるでしょう。

それをしっかり含んでいるのが今回の『PAGAD』のジョゼフ・バルサモです。

母を魔女狩りにしたモンターニュ(瑠風 輝)を復讐のターゲットとして追い詰める、というあらすじです。

これはきっと、劇団としても田渕先生としても「芹香ならではの役を」と考え、このマニアックな作品を舞台化することにしたような気がします。

春乃さくらの2役演じ分けも見どころ

他に『PAGAD』の見どころと言えそうなのは、春乃さくらさんがロレンツァとマリー・アントワネットの2役を演じ分けるところでしょうか。

この2人は「瓜二つ」という設定で、映画『BLACK MAGIC』でも同じ女優さんがこの2役を演じ分けています。

『BLACK MAGIC』では、マリー・アントワネットを気が強くて意地悪な人間として演じ、ロレンツァはマリーと対照的に優しい人柄として役作りをしていました。

ただ、宝塚でのマリー・アントワネットはやはり「悲劇の王妃様」として人気の人物ですから、そこまで意地悪に作らないような気がします。

たとえ『ベルサイユのばら』ではないにしろ、娘役さんにとってマリー・アントワネットを演じることができるのはやっぱり格別なものがあるはずです。

それがお披露目で叶うなんて、本当にすごいことですよね。

逆に言えば、お披露目からいきなりものすごいハードルが与えられたとも取れます。

2役をしっかり演じ分けることと、娘役の憧れでもあり、ファンにとっても特別な役、マリー・アントワネットを的確に演じてくれるかどうか。そのあたりに注目が集まるように思います。

他にも、新人公演メンバーを今回から一新した部分にも大注目です。

初主演の泉堂 成(せんどう なる)さんと初ヒロインの花恋こまち(かれん こまち)さん、まだ新人公演メンバーなのに既に怪演に定評がある演技派・真白悠希(ましろ ゆうき)さんが新人公演で悪役に挑戦すること。

新トップコンビお披露目という以外にも多くのトピックスを秘めた『PAGAD(パガド)~世紀の奇術師カリオストロ~/Sky Fantasy!』。

初日が本当に待ち遠しいですね!