貧乏花火師、都会のカラス(漫画DEATH NOTEの死神リュークのイメージ?)闇市のドンと怪しすぎるラインナップです。
こんなキワモノの様なキャラクターを品よくカッコよく表現できるのは月城かなとさんだからこそですね。
フランス人将校のお役も憂いを帯びていて、本当にうっとりしてしまいました。
鳳月杏さんの魅力を最大限に引き出した場面「地獄変」
この作品は月城かなとさんと海乃美月さんが輪廻転生しながら出会い、恋をするという大きな筋がありますが、鳳月杏さんが銀座のカフェで執筆している芥川龍之介として登場するシーンは異質で強烈に印象に残りました。
芥川龍之介が「地獄変」の主人公吉秀となって燃え盛る火の中で恍惚となり筆を取るシーンは狂気に満ちていて鳥肌が立つ程恐ろしかったです。
鳳月杏さんの狂気と美しい色気の表現が、これぞ男役の極みでした。
東京公演を観劇予定の方々にはこのシーンに特に注目していただきたいです。
月城かなとさんと海乃美月さんの退団発表に驚きましたが、真風涼帆さん退団発表前の芹香斗亜さんの様な頼もしさというか充実ぶりを鳳月杏さんに感じました。(あくまで個人的な感想です)
宙組真風涼帆さんの退団発表前のショー作品「Capricciosaカプリチョーザ」でも退団を匂わせるようなセリフがあったり、花組柚香礼さんの退団発表の時の「鴛鴦歌合戦」も家宝の香合を永久輝せあさんに渡すシーンがありましたが、今回は「フリューゲル」でも「万華鏡百景色」でもなかったのでトップコンビの退団発表はとても驚きました。
振り返るといつも以上にお芝居もショーも魂が込められていました。
東京公演はまさに東京がテーマの舞台なので、ますます盛り上がると期待します。
宝塚歌劇のショーはどれもキラキラしていますが、特に栗田優香先生の「万華鏡百景色」は女子ゴコロを鷲掴みにする舞台装置と、東京の移り変わり、はたまた人間の業の深さを表現していたりとまさに宝石箱を万華鏡でのぞいた様な舞台でした。
ライターさんなん