令和7年4月5日
— 谷 京輔@Kyosuke Tani (@kyon_waka) April 8, 2025
父谷 正純は大好きな桜の舞い咲く中
静かに穏やかに他界いたしました
葬儀については親族のみにて執り行いました
父が生前賜りましたご厚誼に深く御礼申し上げます
令和7年4月8日
谷 京輔
谷先生といえば、まさに“宝塚らしさ”を体現された方でした。
初演出の『散る花よ、風の囁きを聞け』から始まり、大劇場デビュー作『秋…冬への前奏曲』まで、作品のひとつひとつが宝塚の美学と愛に満ちていました。
『エデンの東』『EL DORADO』『プラハの春』…名前を聞いただけで、あの舞台の色彩、音楽、そしてスターたちの熱演が蘇ってくるのです。
重厚な人間ドラマと煌めく舞台美術。
その両方を兼ね備えた作品が多かったからこそ、谷作品は“何度でも観たくなる”中毒性がありました。
伝統だけじゃない、挑戦し続ける姿勢に心を打たれて
でも、谷先生の魅力はそれだけじゃありませんでした。
古典落語を題材にした『ANOTHER WORLD』。個人的には阪急電車ファンとしてはこのロケットの衣装が大好き。
谷先生が作品に落語を使ってくれて、とてもありがたかった。R.I.P. pic.twitter.com/hmPOkkcI9I
— 立川らく次 (@rakuji_tatekawa) April 8, 2025
星の王子さまの世界を舞台化した『サン=テグジュペリ』など、柔軟でユーモラスな作品にも挑まれ、「宝塚ってこんな世界も描けるんだ!」とファンを驚かせてくれました。
私にとって忘れられないのは、やっぱり『プラハの春』。
心が締めつけられるような歴史の流れの中で、それでも人は愛を信じ、生きる力を持つ…というテーマに、涙が止まりませんでした。あの時、舞台から感じた「生きる力」は、今でも胸に焼きついています。
谷先生が遺してくれたもの
2021年の『LOVE AND ALL THAT JAZZ』を最後に、オリジナル作品は幕を閉じましたが、先生の“宝塚への愛”は、作品を通して今も私たちの心に生きています。
宝塚の舞台が特別なのは、「夢の世界」を本気で信じて創る人たちがいるからだと思うんです。
そして、その「夢の世界」の設計図を描いていたのが谷先生でした。
先生がいなければ、私の宝塚人生も、もっと味気ないものになっていたかもしれません。
先生の作品にどれだけ泣き、笑い、ときめき、救われたか…感謝してもしきれません。
ありがとう、谷先生。どうか安らかに
突然の別れに、まだ心が追いつきませんが、ひとつだけ確かなことがあります。
それは、谷先生が創った作品たちは、これからも何度も再演され、語り継がれていくということ。
私たちファンは、あの名作たちを通して、これからも先生と出会い続けるのです。
谷先生、どうかANOTHER WORLDでも宝塚の舞台を演出し続けてくださいね。
心からの感謝とともに、ご冥福をお祈りします。