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初恋ジェンヌ〜美弥るりかさんに捧ぐラブレター〜

宝塚歌劇を楽しもう

皆さんの“初恋ジェンヌ”は誰ですか?

宝塚歌劇団には、男役さん娘役さん問わず素敵なスターさんがたくさんいますし、素敵なお芝居やショーを作ってくださる座付演出家の先生がたくさんいますから、私は5組全て、可能な限り観劇しています。

一方で、「ご贔屓」として、1人のスターさんを応援する楽しみ方もあります。

宝塚歌劇そのものが大好きなので、色んな組、色んなスターを見てついつい目移りしてしまうようなことがあるものの(笑)、宝塚が好きになって約10年ずっと、筆者にもいわゆる“ご贔屓”にしているスターさんがいます。

それが、月組の美弥るりかさん。

オペラ泥棒とはまさにこの人のこと。美弥さんほど筆者のオペラグラスをかっさらって行く人はいません(笑)

しかも絶対に放してくれませんからね!もはや罪深い!

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初恋ジェンヌの美弥るりかさん

初めて観た宝塚の公演で一目惚れしたのが美弥さんだったので、筆者にとっての初恋のタカラジェンヌ、すなわち“初恋ジェンヌ”が美弥さんというわけです。

そんな美弥さんが、先日とうとう退団を発表されました。

さて、私が美弥さんに一目惚れをした頃、
美弥さんは研究科7年目の星組生でした。

宝塚について、一生懸命勉強していたんですね、私。

ちなみに、高校生の頃です。英単語を覚えずに、タカラジェンヌの名前ばかり覚えていたのです。

宝塚について勉強し、宝塚について考える時間や意欲を、英語や数学の勉強に当てることが出来たなら、東京大学だって夢ではなかったかもしれません(笑)

そんな冗談はさておき、
今となっては何様だとつっこまざるを得ませんが、その当時まだ美弥さんに新人公演主演のご経験がなかったことを、「歌劇団よ、何故なのだ!?信じられない!けしからん!」とばかりに、日ごと夜ごと「美弥さんが新公主演になりますように」と、祈ったものでした。

2010年1月。
美弥さんはご自身の最後の新人公演で、ようやく主演を果たします。
相変わらずの筆者は、もうすぐ受験生になるというのに、部屋で小躍りしながら喜ぶことだけで一夜を過ごすという有様(笑)

いかなる苦難に見舞われても、希望を失ってはならない——。

美弥さんが新公主演をした演目『ハプスブルクの宝剣』の主人公・エリヤーフーのセリフです。
この言葉を紙に書き、部屋の壁に貼って、おかげさまでなんとか大学受験を乗り切ることができました。

ありとあらゆる苦難には、見舞われまくりましたが(笑)
喉元を過ぎれば熱さは忘れますので、それも思い出のひとつ。

そんなこんなで、スターの登竜門をひとつくぐり抜けた美弥さん。

当時の星組は、現星組トップスター・紅ゆずるさんや宙組トップスター・真風涼帆さんをはじめ、スター候補の宝庫でしたが、その後も独自の魅力でバウホールの主要キャストやダブルキャストなどでめきめきと頭角を現していかれます。

ただ、やはり当時の星組においては良くも悪くも小柄さが目を引いていたようにも思います。

弟役のイメージが根付きつつあったところでした。

そんな頃。
2012年、ついに美弥さんにも組替えの時が訪れます。

龍真咲さん・愛希れいかさんのトップコンビが誕生する新生月組の3番手スターとして見事、月組デビューを果たされました。

美弥さんにとって月組生としてお披露目の公演となった『ロミオとジュリエット』は、私自身にとっても何度も劇場に足を運んで堪能した記憶に残る公演です。

そこから、常に主要キャストを魅力的に演じ抜き、月組になくてはならない存在へと一目散。

ソロが増え、一場面の真ん中を務められることまでも増え。
100周年記念公演も、さすがの技術と才能と美貌で客席を魅了し、公演成功への一翼を担っておられました。

2016年、龍真咲さん退団後は、トップスター・珠城りょうさんを側で支える2番手スターへと、名を上げます。

美弥さんご自身がファンであったと公言している涼風真世さんのお役を演じられたり、単独主演を果たされたりと、その華々しいご活躍は素晴らしいものでした。

さらに、そのひとつひとつのクオリティと言ったら、もうこれは間違いなく唯一無二の役者でありスターであると、毎度唸らずにはいられない!

中でも2018年、『エリザベート』の皇帝フランツ役で見せた“役者魂”。

ご贔屓の美弥さん、ということを差し引いても、フランツの魅力と物語における彼の存在意義を抜群に発揮し、舞台全体を引き締める、圧巻のお芝居でした。

兎にも角にも筆者は、フランツさんごめん、今まで“ただのマザコン皇帝”なんて思ってホントにごめん。と心の中で何度も謝罪しました(笑)

そして、先月のバウホール公演『アンナ・カレーニナ』。

頭の先から足のつま先まですべてに、アリョーシャの神経を行き届かせた表現力で、尊く儚い愛の物語を生き抜いて。今思えば、美弥さんにとって男役の集大成だったし、堂々と「集大成です!!!」と言っても誰一人としてぐうの音も出ない程には完成し、洗練されたお姿でした。

終わりがあるから、美しい。

終わりがあるから、また始まる。

まだ美弥さんのいない宝塚を知らない筆者は、これからどうなるのか当の本人も未知数なのですが(笑)、変わらず宝塚を、愛し続けることでしょう!

まずは、2019年6月9日まで、男役・美弥るりかさんとともに。

そして、2019年6月10日からは、美弥さんの新たな船出を心から応援し、筆者の初恋の物語第2章をつむぎ続けたいと思います!

著者:有田だりあ