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宝塚歌劇団の組別「お芝居の舞台となる国の傾向」を調査してみた

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団って、『組』によってお芝居の舞台となる国に傾向があったりするのかな??

現在宝塚歌劇団星組公演中の『GOD OF STARS-食聖-』ですが、

巧みな話術と独特のキャラクターで常に客席の笑いと涙を誘うエンターテイナー紅ゆずる
そして可愛らしさとパワフルさを併せ持つ綺咲愛里の仲良しコンビの退団公演にふさわしい、エキサイティングな公演です。

そして次期トップ、礼真琴のお披露目公演も情報解禁されました。

この二つの公演内容を見て思ったこと。『食聖』『眩耀の谷』、さらには台湾公演『Thunderbolt Fantasy』もアジアもの。

「星組、アジアもの続いてない?」

もしかして、組によってお芝居の舞台となる国に傾向があったりするのかな????

ということで、

今回は各組の過去3年分のお芝居を振り返って、
果たして、各組によって
お話の舞台に選ばれる地域に傾向はあるのかを調べてみました!

なお、調べた公演は現在のトップスターが出演しているものとし、大劇場公演には★をつけています。

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花組・明日海りお ロンドン舞台多め?

ベルサイユのばら(フランス)
★エリザベート(オーストリア)
Ernest in Love(イギリス)
★カリスタの海に抱かれて(フランス?)
★新源氏物語(日本)
★ME AND MY GIRL(アメリカ)
仮面のロマネスク(フランス)
金色の砂漠(架空の国)
★邪馬台国の風(日本)
★ハンナのお花屋さん(イギリス)
★ポーの一族(イギリス)
あかねさす紫の花(日本)
★MESSIAH(日本)
★CASANOVA(イタリア)
★A Fairy Tale(イギリス)

計15作、うちイギリス4作、日本4作、フランス3作

レジェンド、明日海りお。

任期が長いだけあって、ばらけて一概には言えないかと思いきや意外と傾向が見える結果になりました。

注目すべきはイギリスが舞台のお芝居。

時代としては、
アーネスト19世紀
ハンナ現代
ポー18〜20世紀
A Fairy Tale 19世紀と、
19世紀近辺がよくある印象となりました。

確かに、ヴィクトリア朝時代のイギリスの耽美な雰囲気は、他に類のない明日海りおの強みを活かせるのかもしれません。

画が綺麗で公演を観ているとウットリします!

そして意外と日本を舞台とした物語が多い結果になりました。こちらもどちらかというと古い時代のお話が多く(メサイアは江戸時代ですが)、ファンタジックな印象がありますね。

月組・珠城りょう バランス型!

アーサー王伝説(イギリス)
★グランドホテル(ドイツ)
長崎しぐれ坂(日本)
★All for One(フランス)
鳳凰伝(中国)
★カンパニー(日本)
雨に唄えば(アメリカ)
★エリザベート(オーストリア)
ON THE TOWN(アメリカ)
★夢現無双(日本)
★I AM FROM AUSTRIA(オーストリア)

計11作、うち日本・アメリカ・オーストリア2作ずつ

雪組や星組には「この辺が多そう」というイメージがあった一方、調べる前から特定のイメージがなかった月組。

やはりあまり偏りがなく、上手くばらけていますね。

あえて傾向を探すとしたら、より新しい時代設定のお話が目立つ印象です。

現実的な舞台設定のほうが、珠城りょうの持ち味である実直さ、本物の男性っぽさが上手く活かされる……ということなのでしょうか?

しかし、こうして改めて見るとやっぱり海外ミュージカルが多いなあと思います。

雪組・望海風斗 やっぱりフランスと日本!

琥珀色の雨にぬれて(フランス)
★ひかりふる路(フランス)
誠の群像(日本)
★凱旋門(フランス)
★ファントム(フランス)
20世紀号に乗って(アメリカ)
★壬生(日本)
はばたけ黄金の翼よ(イタリア)
★ONCE APON A TIME IN AMERICA(アメリカ)

計9作、うちフランス4作、日本・アメリカ2作ずつ

堂々のフランス4作。
「雪組はパリと幕末を行ったり来たりしている」と言われていたのもわかる気がします。

和物は2作と、フランスに比べると少なくはありますが「和物の雪組」なだけあり割合は多いのかも?早霧せいな時代にも『星逢一夜』など和物の名作が上演されていたこともあってその印象が強いのかもしれませんね。

壬生の発表があった時には、新撰組が続くなあ……と思いましたが、パッションがありなおかつ悲劇、と望海風斗の持ち味を存分に活かせる題材なのかもしれません。

最近ではフランス+日本ループから脱したかに見えますが、今後どうなるのか気になります。

星組・紅ゆずる アジアものが多い?

オーム・シャンティ・オーム(インド)
★THE SCARLET PIMPERNEL(フランス)
★ベルリンわが愛(ドイツ)
うたかたの恋(オーストリア)
★Another WORLD(日本)
Thunderbolt Fantasy(中国)
★霧深きエルベ(ドイツ)
鎌足(日本)
★GOD OF STARS 食聖(中国、シンガポール)

計9作、うち日本・ドイツ・中国2作ずつ

今回の記事の発端となった星組ですが、ヨーロッパ舞台のクラシカルなストーリーも多くあり、思っていたよりもばらけている結果に。

コメディエンヌとして新しいエンターテイメントに挑戦しつつも、伝統的な男役像にも思い入れが深い紅ゆずるの特性が表れている気がします。

この体制の星組を観られるのも残りわずかですが、星組の多彩な魅力を堪能できる優れた演目に恵まれていたなと思います。

とはいえ任期の割合で考えるとアジアものはやっぱり多いのかな?という印象。

現体制のパワフルさ、良い意味でわちゃわちゃした感じがうまく引き出せるのかもしれません。

宙組・真風涼帆 和物少なめ?

WEST SIDE STORY(アメリカ)
★天は赤い河のほとり(ヒッタイト、現在のトルコ)
★異人たちのルネサンス(イタリア)
黒い瞳(ロシア)
★オーシャンズ11(アメリカ)
追憶のバルセロナ(スペイン)
★El Japón(スペイン)

計7作、うちアメリカ・スペイン2作ずつ

今のところ唯一お芝居の日本物がゼロの宙組・真風体制(和物ショーはありましたが)。

現代的でスタイリッシュな雰囲気が持ち味の現宙組は、しっとりと魅せる日本物よりもスーツを着こなしての群舞などのほうが良さが引き出されると個人的に思うので、この結果はわかる気がします。

用いられるコスチュームも、非現実的でありながらフリフリ系でなく男らしいものが多い印象ですね。

そして直近ではなぜかスペイン続き。

以上、各組のお芝居の題材となった国を紹介しました。

事前のイメージと事実が合致していた部分もあった一方、意外と異なった部分もありましたが、まとめてみてやはり組ごとに傾向はあるのかなと感じました。

「今のトップはこういう役が似合う!」というイメージはファンの中にある程度共通してあると思います。

だからこそ、「似合う舞台が回ってきてほしい」という気持ちと、「同じようなものが多いのもよくないのかな」という気持ちの間で揺れ動くことも……

「組カラー」とはいいますが、体制によって雰囲気は結構変わるもの。

楽しめるうちに現在の組の雰囲気を味わっておきたいですね!