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明日海りおの退団公演を観劇して

観劇レポ

宝塚歌劇団花組公演「A Fairy Tale ―青い薔薇の精―」
宝塚大劇場では現在花組トップの明日海りおさんの退団公演となっています。

連日立ち見も出て、宝塚大劇場の沸立つ様子からトップオブトップ明日海りおさんの偉大さを感じます。

できるだけネタバレをせぬように、これからご覧になるみなさんが楽しめるように観劇した感想をご紹介したいと思います。

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「A Fairy Tale ―青い薔薇の精―」

精霊と人間が互いに欠けている部分を補いあって、分かち合っていく、最後は少しほろ苦い、でもよかったね!と思える・・・お芝居です。

明日海りおさんの大好きなお花をテーマに、明日海りおさん演じるエリュが華優希ちゃん演じるシャーロットをはじめとする人間と交わることにより、心の温かさを少しずつ感じて成長していく・・・

精霊は時がたっても姿は変わらないけれど、心は成長してゆき、開放されてゆくというようなお話だと思います。

産業の発達と共に汚染されてしまった自然を精霊と人間が力を合わせて元の姿を取り戻す。

現代社会のテーマでもありますね。

観ているうちにお話のメッセージがだんだんとわかって来て、どんどん引き込まれる感じです。

そして、セットが素晴らしいです。

大きく分けて3場面ありますが、神秘的だったり、華やかだったり、現実的だったりします。

さすがトップオブトップの退団公演です。

華優希さん

初主演娘役をつとめる華優希さんは、少女から白髪のおばあさんまでを何段階か年老いながら演じますが、どれも違和感のない姿や声のトーン。

お芝居がお上手なんだなと感じました。

大人になりたくないシャーロット。でも大人になってしまう。でも、純粋な少女の心は忘れなかった、ぴったりのお役だと思います。

華優希さんの成長を追うのもこれからの楽しみになりました。

柚香光さん

ハーヴィーという植物学の研究者。

すごく普通で素直な良い人です。

目の前の仕事に心を奪われ、自然が本当は何を欲しているのか忘れてしまっているところを、精霊たちの助けを借りながら、元気な自然を取り戻してゆきます。

銀橋を歩きながら歌うシーンがありましたが、とても気持ち良さそうに歌ってられたのが印象的でした。

明日海りおさん

最後に明日海りおさん。本当にこれで宝塚での最後の公演になってしまうんですね。

最後の公演が男っぽい男役ではなくてがっかりされているファンの方もおられるようです。

しかし、テーマの大きさを感じるこの作品で、つかみどころのない精霊が徐々に輪郭を表してゆくような、ぼやーっとしか見えてなかった精霊が、しっかり見えてくるような、こんな不思議なお芝居ができるのは、やはり、明日海りおさんだけではないでしょうか。

そしてとにかくお綺麗でした。

相手役さんとの歴史を感じさせるお芝居ではなかったことが少し寂しい気がしますが、
いつもシングル!と感じながら観ていましたが、最後にすごく嬉しくて泣けたのは、ずっと寂しそうだった明日海りおさん演じるエリュが、いろんなことを受け入れて心が開放された、そのエリュの笑顔が見れたから、かなと思います。

この公演の最後まで明日海りおさんを見届けて、しっかり見送りたいと思います。