2019年11月24日は、宝塚歌劇団花組のトップスター、明日海りおさんの退団と同じ日に、芽吹幸奈さん、白姫あかりさん、乙羽映見さん、城妃美怜さんという、花組を支えてくださった頼れる美しき娘役さんたちが退団しました。
明日海りおさんをはじめ、たくさんの娘役さんか退団されるため、とても寂しいのですが、ひときわ、私の中で思い出深い娘役さんがこの中でおられます。
その名も城妃美怜さん。通称、しろきみちゃんです。
しろきみちゃんと言えば、たくさんのヒロインをこなし、ひとつひとつの公演を美しさで彩ってくれたジェンヌさんでした。
花總まりさんに憧れて入団
初舞台を踏んだ星組に配属となり、超若手の頃から抜擢を受け続けた娘役さんでした。
新人公演初ヒロインは2013年の『ロミオとジュリエット』のジュリエット役です。
そのあと、礼真琴さんのバウホール初主演作品となった『かもめ』で、しろきみちゃんはバウホール公演初ヒロインをこなしました。
『かもめ』において、 しろきみちゃんは研4でヒロインのニーナを務めました。
ロシア文学の難しい題材の物語ではありましたが、その宝塚の王道ともいうべきヒロイン像を見事に演じてくださいました。
物語に対するコメントにおいても、 知的な聡明さが感じられ、役作りに対する彼女の繊細さがとても素晴らしかったのを今でも覚えています。
かもめの公演を終え、花組へと組替えになっても、彼女はヒロインをこなし続けました。
『カリスタの海に抱かれて』『MEANDMYGIRL』『金色の砂漠』『ポーの一族』と、
トータル5度の新人公演ヒロインを務めあげ、バウホール『アイラブアインシュタイン』でもヒロインを務めました。
そして、彼女の最後のヒロイン役は『花より男子』の牧野つくしでした。
しろきみちゃんは、どちらかというと普段からとても品があり、THE 宝塚の美しさ娘役と言わんばかりの美貌を持っていたので、雑草の牧野つくしが似合うのかどうか、正直そわそわしていました。
(どちらかと言えば、桜子役の方が似合うかもしれないと思っていました)
それがどういうことでしょう。
素敵!素敵!強くてパワフルで元気がよくて、何にも負けない牧野つくしがそこにはいました。
柚香光さんと楽しそうにお芝居をしながら、最後の笑顔いっぱいのデュエットダンスは素敵すぎて、心がたっぷり満たされました。
ヒロインではなくても、 様々な物語で大事な役どころを、ショーでの美しい見せ場を、きっちりやり遂げ続けてくれたしろきみちゃん。
『はいからさんが通る』の環さんも、『CASANOVA』のアンリエットも、 彼女ならではの役作りは本当にピカイチでした。
『BEAUTIFULGARDEN』でちなつさんと水仙をもって銀橋に出てきてくれるシーンも、『シャルム!』で高貴な姿でマイティと両サイドから現れてくれる瞬間も、すべてがこの目に焼き付いては離れません。
(千穐楽では、水美さんが城妃さんの手の甲にキスをされ、驚きつつも幸せそうに笑った瞬間こちらもとても幸せになりました!)
水美さんのフォトブックに載っていた写真もとても素敵でした。
また、最近の彼女で思い出深いもののひとつに 『Delight Holiday』があります。
楽しそうに歌い、楽しそうにダンスをする姿がとても大好きで、 観ていて笑顔になる素敵な公演でした。
矩達でゆっくりしているシーンも、踊り騒いでいる場面も、ディズニーメドレーでモアナと伝説の海の主題歌を大熱唱している姿も、どのシーンも、美しく、光り輝いていました。
彼女がヒロインに抜擢され続け、 不満を漏らした人々もいるでしょう。
彼女がトップ娘役になれずに嘆いた方々もいるでしょう。
本心を言えば、彼女の退団はとてもとても寂しいです。
もっともっと、彼女の輝いている姿を宝塚の舞台で観ていたかったです。
けれど、素敵な宝塚の舞台に恋をした彼女が、端っこでもいいからと舞台に立つことを望んだ彼女が、笑顔いっぱいで退団されました。
ファンとして、こんなに幸せなことはありません。
どうか、 彼女の人生がこれからも素敵なものであり続けますように。
休みなく続く公演、本当にお疲れさまでした。
宝塚に恋した城妃美怜さん、私たちに素敵な夢をありがとうございました!