先日、宝塚歌劇団雪組の娘役さん潤花さんの宙組への組替えが発表されました。
また、更には、月組トップ娘役の美園さくらさんが99期生(研7)で退団を発表されました。
99期生は、先日雪組の千秋楽でも望海風斗さんが言っていたように、まだ「新人を卒業」する期です。(→99期生一覧)
美園さくらさんもとても魅力もあり、実力もある娘役さん。もっともっと成熟していく姿を拝見したかったです。
潤花さんは2016年の「THE ENTERTAINER!」で初舞台を踏んだ研究科4年生。(2020年3月現在)
星組娘役トップの舞空瞳さんと同期生です。(→102期生一覧)
春には雪組生として全国ツアーに出演を予定されており、彩風咲奈さんと2人でポスターに載っていることから次期娘役トップは間違いないだろう…と多くのファンが思っていた矢先のことかと思います。
例外なく私もそう思っていたところへ組替えの発表でした。
宙組には遥羽ららさん、天彩峰里さん、夢白あやさん等、いわゆる路線と呼ばれる娘役さんに加え、安定感のあるお芝居や歌でがっちり場をしめる娘役さんもいらっしゃるように見受けられます。
果たして潤花さんの組替えはどういった意図なのか…
様々な憶測が飛び交いますが、私たちファンには結局分からないこと。
宝塚歌劇団は「男役」が主体ゆえに・・・
これはどの組にも当てはまることですが、娘役は男役に比べて「出世」が大変だなぁと常々感じます。
宝塚において出世という言い方はあまり正しくはないかもしれませんね。
でも、男役には2番手3番手といった呼び方や、若手路線など呼ばれ方があり、下級生でもお芝居できちんと役名がありセリフもあったり、ショーでは若手のシーン等があるように思います。
それに比べると娘役はお芝居でも目立った役がつくのは、トップ娘役を除けば2~3人くらいでしょうか。
ショーでも少人数で銀橋を渡れる娘役さんというのは限られており、組内でもだいたい決まっていますね。
男女平等を唱える世の中に反し、宝塚はあくまでも男尊女卑の世界。
女性が男性を演じるのが魅力である宝塚歌劇。
異なる性別を演じるため、よく「男役10年」といわれています。
スカイステージでは「男役道」という、上級生が下級生へ男役のなんたるかを伝授するコーナーも放送されていました。
では、娘役は…?
娘役は性別は変わらないとはいえ、娘役が恋人役としてお芝居するのもデュエットダンスをするのも「女性」が相手です。
10年かかる「娘役道」だってある!
おそらく娘役の方は普通に生活している私たちの何倍も「女性らしさ」を意識して生活していることと思います。
雪組を長らく支えてきて、先日宝塚をご卒業された舞咲りんさんがインタビューで「娘役だって10年かかる」とお話されていて、本当にその通りだと思いました。
場面ごとに変わる髪型、合わせたアクセサリー、重そうなドレスで優雅に歩く姿、ひらひらと美しく舞うドレスの裾。
また、あまり公にお話されることはないかもしれませんがちらりと聞いたところによると娘役さんのアクセサリー作りの工程はもはや職人の域。
上級生と被っていたら作り直す等、初日前は睡眠時間が短くなるようなお話も聞きます。
経験を積んで、センスを磨き自分の引き出しをどんどん増やしていく。
スチール写真や公演を見ても、上級生になればなるほど自分に合うものを分かっているのだな、と感じる、髪型、アクセサリー、メイクは努力と研究の賜物。
近頃は新人公演内の学年で娘役トップになることもしばしばありますよね。
最近は抜擢に応えるだけの実力も併せ持った方が多いので、あまり気になることはありませんが、なにもそんなに早くトップにしなくてもいいのでは?と思うのも正直なところ。
「新人」と呼ばれる学年の初々しい可愛さはもちろん素敵。
しかし、学年があがった凛とした美しさは4~5年ではなかなか出せないもののように思います。
トップを決めるのはジェンヌさん本人ではないですし、私たちファンがなんやかんや言ったところで人事を変えることが不可能なのは重々承知しています。
ですが、いろんな娘役に活躍の場があればいいのにな…。
もちろん男役あっての宝塚ですが、娘役がいなければ絶対に成り立たない。
どうか娘役が蔑ろにされませんように…と願わずにはいられません。
コメント
毎日楽しく拝読させていただいています。
男役さんも大変だけど娘役さんも大変ですよね。
下級生の可愛らしい娘役さんも好きですが、やはり芸を磨かれた上級生の娘役さんがいてのタカラヅカですよね。