宝塚歌劇団を知らない方、宝塚歌劇団アンチのみなさん、宝塚歌劇団初心者…
そんな皆さんに向けて、今回は「宝塚のステージに華やかさと可憐さを添える娘役の存在意義について」お伝えしようと思います。
え?娘役の清純さが気持ち悪い!?
宝塚の何に抵抗・違和感を感じるのか…
その一つに、
「宝塚の女役って、清純ぶってて気持ち悪い。」
そんな声を耳にしたことがあります。
まず声を大にして、言いたい!
女役ではありません、娘役です!
娘役と女役は違うんだ!
女役は、宝塚では成熟した女性で、いわばお色気をまとった、大人のオンナ。
所作も目線も憂いを帯びているし、言っちゃえばそこに居るだけで、麗しい存在。
ドキドキしちゃう存在。
落ち着いた余裕のある存在。
一方、娘役は、少女~女性の間を成長していく、若さと初々しさの象徴。
初心を思い出させ、成長性を感じさせる存在。
純真無垢で、今にも飛び出していきそうな勢いをも含んだ存在なんです。
「でもさ、あんな清純全開の人なんていないし…」
いいえ!!
私達女性陣は、誰だって娘役みたいな10代の時間!
何も知らなかった、純粋無垢そのものだった時期があったじゃないですか!
全てのことが新しくて、キラキラして見えていた何も知らなかった、あの頃のことを。
私達の人生はみな、「娘役」だったのですよ!
宝塚の娘役さん達も同じように、色々な経験、勉学、教育を受けて成長してきて、自分が通過した「娘だった」時間を思い出し、それをステージ上で可憐に演じているんです!
穢れを知らなかった頃の心の状態を思い出して、それを再現しているのが、宝塚の娘役なんです!
つまり!娘役=「私達の過去」なのですよ!!
ぜぃぜぃ(息切れ)。
(あっ、現在進行形のキラキラ女性も沢山いますけどね…)
多少熱くなりましたが…
今回はその「宝塚の娘役の実態」について、記していこうと思いま~す。
女役って呼ばないで頂けます?
「男役に対して使うなら、『女役』でしょ?」
いいえ。
先ほども書きましたが、一般論では大雑把に「女役」と捉えられていますが、宝塚用語として「娘役」と呼んでいます。
実際、使い分けに確固たるルールは宝塚歌劇団にはないようですが、新人感あふれるフレッシュさや、可愛さ、可憐さを第一とされる故、「娘役」と称した方がしっくりくるのかもしれません。
男役の引き立てって言わないで下さる?
「宝塚は男役が主役なら、娘役は脇役でしょ?添え物って感じ…」
いいえ。
花束の中に束ねられている、カスミソウのように扱わないで~!!
娘役に求められるスキルは、男役と異なっていて…
結構高い、歌のキー(音程)を歌わないといけない
ソプラノ歌手ばりの高い音程を歌うこともあります。一体どこから出しているの?と思うような、実力と鍛錬の必要な技です。
美しいロングドレスを優雅にさばかないといけない
ただでさえ引きずりそうなロングドレスを、優雅にさばくには、特別な鍛錬が必要なのですよ。ただバサバサやっていては、ステージで絵にならないのです。
実は、全公演で使われているアクセサリーは手作りしないといけない
これ聞いたとき、「マジかよ!」と思った筆者(あ、言葉が乱れてしまったわ)。
豪華なヘアアクセサリー等は、宝塚歌劇団が用意しているものではなく、娘役それぞれ自分達で作っている手作りなのです。
メル●リで販売したら、めちゃ高く売れそうな、高級感あふれるアクセサリーをみんな作れるんですよ。
これだけでも、努力の賜物だと思える娘役たちですが、さらに言えば…
「見た目の可愛さ」が求められる。
トップの男役と並んだ時、絵になる人が求められます。
顔の小ささや陶器のような白い肌、子犬のような愛くるしさがなければ、「トップ●●さんには合わないわ~!」という落胤を押されてしまうのです。
厳しい!実に厳しい!
踏まれても踏まれても、咲き続けますの
娘役さんには、男役ほどのファンクラブができることはあまりなく、劇場周辺でふらりと一人で歩いているのを見かけます。
あるとき電車で、「小綺麗な格好をしたOLさんだな…」と思って見たら、宝塚の娘役さんだったことがあり、驚きました。
数十分前まで、華やかなステージに立っていても、劇場を出るとひっそりと野に咲く花のように、大衆に紛れ込んで帰る姿を見て、「なんて、娘役とは健気な存在だろう!」と思いました。
いいこと…?抜擢されやすいことかしら
男役10年といわれる宝塚では、ステージ上の男役というものを極めるのに10年の鍛錬が必要です。
一方、娘役は3~5年でトップに上り詰めることも可能です。
若さとスピードで抜擢される可能性があるので、早い出世を考えるには娘役さんは最高ですね。
退団しても、比較的若ければ、色んなことに挑戦できますし、人生の幅も広がりそうですよね。
きれいなお衣装が着られて嬉しいです
宝塚の衣装は豪華絢爛、夢のように美しい衣装が多いです。
スパンコールやラメ、ビーズが刺繍されていて、それはそれは美しい。
そういった美しい衣装を沢山着られる機会があるのは、女性としても嬉しいし、羨ましいなと思います。
さらに、私服も可愛い方が多い!!
劇場入りする時の格好が、雑誌のモデルさん並みにチェックされているほど、色合いや上品さ、髪型や小物との合わせもとってもセンスあるんですよ。
娘役の存在は、「宝塚」という世界観を盛り立てるためにステージで可憐に咲く存在です。可愛らしさ、上品さ、愛らしさは、同じ女性としてお手本にしたいと思える、憧れの対象でもあったりします。
宝塚娘役にも、ご注目くださいね~!