現在宝塚大劇場で公演中の雪組『CITY HUNTER』-盗まれたXYZ-、ショー オルケスタ『Fire Fever!』が行われています。
新男役トップスター彩風咲奈さんは、宝塚音楽学校を首席で卒業され、“首席はトップになれない”というジンクスを、見事跳ね除けました。
そして新娘役トップの朝月希和さん(愛称:ひらめ)は、娘役では珍しい12年目でトップになられたお方です。96期生です。(→96期生一覧)
新月組トップ娘役の海乃美月さんも、苦節10年でトップになられましたが、基本的に娘役トップスターは男役とは違い、現花組トップスターの星風まどかさんのように2014年に初舞台を踏み、2017年に宙組トップ娘役に就任され、専科を経て、今年花組のトップに就任されています。
星風まどかさんが、異例のスピード出世をしたわけではなく、娘役トップではしばしばあることです。
それに比べて男役は、女性でありながら男性の歌声や立ち振る舞いなども身につけなければならないので、娘役に比べると、色気や男らしさを出せるようになるには、年数を要します。
そのためトップになるには、経験を積む時間が必要と言われています。
12年目でのトップ娘役
そんな定説がある中で、娘役トップに12年目でなるひらめさん(朝月希和)は、遅咲きの部類に入ります。
ひらめさん(朝月希和)は、今まで様々な役柄を演じてきたキャリア豊富なジェンヌさんです。
しかも花組→雪組→花組→雪組の異例の異動も経験しています。
その経験から、花組では「こだわり」を、雪組では「新しいことに挑戦する前向きなパワー」を身につけたひらめさん(朝月希和)は、客観的に組を見ることができるようになり、どんな事があってもあきらめない姿勢を貫き、12年目の節目にトップ娘役を掴んだのかもしれません。
3期上の彩風咲奈さんとの新トップコンビについて聞かれると、「真っすぐ道を進まれていく彩風さんの隣に、私もしっかり立ちたい。わき目も振らずに」と述べられています。
今回の公演で演じられている、『CITY HUNTER』の槙村香(まきむらかおり)についても、「ボーイッシュで勝気な面もありますが、女性らしさも持っているのが魅力。自分の気持ちがうまく伝えられない部分は“不器用のかたまり”の私も共感します」とベテランならではの分析をされています。
因みに朝月希和という芸名には、素敵な命名エピソードがあります。
音楽学校時代、早朝の秋空に残っていた月が大好きだったそうで、一晩たってもお客様の心に残っていられるような存在でありたいと思い、朝月にされたそうです。
希和は、自分の名前がこれだったらいいなと思っていたものを、ご自身でつけられました。
「ひらめ」という愛称は、同期から魚顔だからという理由でつけられたと、以前ご出演されたカフェブレイクでおっしゃっていました。
相手役の彩風咲奈さんは、「付いてくるのではなく、一緒に横で走っていってほしい」とひらめさん(朝月希和)にお伝えされたそうで、「自分がすべきことを明確にしよう」と気を引き締めたそうです。
そんな2人が現在公演中で演じている、冴羽遼(彩風咲奈)と槙村香(朝月希和)の評判はというと、すみれコードに引っ掛かりそうな表現はなく、可愛らしい感じになっているとの噂です。
特にひらめさん(朝月希和)は、役に憑依しているとまで言われています。
花組で最後に演じられた、はいからさんが通るの“花乃屋 吉次”とは正反対の役柄なので、これからこの公演を観るのが楽しみです。
少女時代に何をしようか迷ったときに、宝塚に出会ってくれたひらめさん(朝月希和)、これからも秋月のように、人の記憶に残るトップ娘役として頑張ってください。