宝塚歌劇団雪組「CITY HUNTER」の新人公演が上演されました。
昨年、2020年の「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」では残念なことに東京での新人公演は叶いませんでしたので、今回雪組としては1年以上ぶりの上演となりました。
原作ファンにも大人気で、連日好評を博している本公演ですが、新人公演も熱を帯びて素晴らしいものとなりましたので、感想を書きたいと思います。
縣千さん独自の冴羽獠を演じる
冴羽獠役の縣千さんは「凱旋門」以来の新人公演主演を務めました。
「凱旋門」のラヴィックとは全く違った性格の役を女性に目がなく惚れっぽくてふざけていながらも、どこか陰のある役として演じました。
雪組の御曹司と言っても過言ではないスターで華があることをあらためて実感する舞台姿。
アクションもキレがあり、見せ場を存分に生かして魅力充分。
長身で骨格もしっかりとしているので見映えがしますね。
本公演での雪組トップスター・彩風咲奈さんほどコミックやアニメのキャラクターに寄せず、縣さん独自の冴羽獠を作り上げました。
他の女性にハッスルしながらも、兄を失いトラウマを持つ槇村香を大切に思う気持ちがひしひしと伝わってくるお芝居で、とても良かったです。
また、アルマ・ダヤンに対しても心優しく接していて、冴羽獠の人となりがよくわかりました。
途中、「ツケチケット」が切られる前に分かれてしまったり、床が滑りスライディングしてしまうハプニングもありましたが、上手く対処して新人離れした力量を見せつけました。
終演後の挨拶では、客席に観客がいることのありがたさを語りましたが、昨年の状況を思うとその胸中が伝わり、心にぐっときました。
来年早々にバウ公演の主演が決まっており、まさに人気、実力ともに上昇中の縣さんから目が離せません。
ヒロイン音彩唯さん
槇村香役の音彩唯さんは、今回が初ヒロインでしたが、とても華々しく可憐な容姿で男勝りな香を上手く中和出来ていました。
獠が他の女性を追いかける姿に嫉妬するのが本人の最初は自覚がないようですが、反発しながらも惹かれている様子がとても可愛らしかったです。
兄の秀幸を失い、その時の悪夢から抜け出せない葛藤も丁寧に見せるあたり、芝居心を感じました。
歌唱力もあり、舞台度胸も素晴らしく、今後どう成長するのか期待でいっぱいです。
彩海せらさん
ミック・エンジェル役の彩海せらさんは、既に「壬生義士伝」で新人公演主演を果たしているので、二番手として押し出しもあり堂々と演じていました。
本公演で美貌の朝美絢さんが演じていますので、この役はハードルが高いかと思いますが、彩海さんも負けずに麗しいミックでした。
どちらかというと以前は中性的な印象でしたが、男っぽさも増して雪組の戦力になっています。
眞ノ宮るいさん
槇村秀幸役の眞ノ宮るいさんも目を引く舞台姿ですが、実力も兼ね備えていて感心します。
非常に存在感があり、舞台を引き締めますね。
壮海はるまさん
海坊主(伊集院隼人)役の壮海はるまさんは、「ほんものの魔法使」のピーター役で話題になりましたが、今回も注目の役です。
ごつくてマッチョな海坊主をチャーミングに演じて期待に応えました。
星加梨杏さん・聖海由侑さん
他にはジェネラル(将軍)役の星加梨杏さんが、予想以上に威圧感とカリスマ性がありました。
政役の聖海由侑さんのコミカルで熱い演技が印象に残りました。
「銀ちゃんの恋」のヤスのような髭姿も良く似合っていました。
華世京さん
小林豊役の華世京も「ほんものの魔法使」のニニアン役で注目されましたが、今回も研究科2年とは思えない舞台ぶりで客席を驚かせました。
末恐ろしい、と思わず呟いてしまうような完成度でこれからが楽しみな生徒です。
原作ものの作品は本公演でも、大変なことが多くあると思いますが今回の「CITY HUNTER」の新人公演はキャラクター作りが上手く、コミックやアニメに基本は沿いながらも工夫して皆が演じていました。
今後、中心となる人材の発見の場としても意味のある新人公演ですが、今回も主演の縣さんの揺るぎないスター性を見ることが出来ました。
ヒロインの音彩さんの華やかさは今後の活躍が期待されます。
彩みちるさんが組替えとなり、スター路線にどう組み込まれるかその動きに注目です。
彩海さん、壮海さん、華世さんとスターがどんどん成長していて、若手に活気を感じ、これからの雪組も楽しませてくれるに違いないと確信した新人公演でした。