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真風涼帆さんのイリュージョンが見られる?「バロンの末裔」見どころを一挙紹介!

宝塚歌劇を楽しもう

11月21日に梅田芸術劇場から始まる、宝塚歌劇団宙組の全国ツアー。
コロナの感染状況を懸念してか、「全国」と言っても九州と沖縄のみなので、本州以北にお住まいの宙組ファンの皆さんは「行っちゃえー!!」と勇気を振りしぼっての遠征を予定していると思います。

選ばれた演目の『アクアヴィーテ!』は本公演でも大人気のショーだったので、「あのアクアヴィーテがまた観られる!!」という期待が集まっています。


では、お芝居の『バロンの末裔』ってどんな物語なんでしょうか?

「せっかく九州・沖縄まで行くんだから素敵なお芝居だといいな…どんな話なんだろう?」という人も多いのではないかと思います。

こちらの記事では、ネタバレを避けながら『バロンの末裔』の見どころをチェックしていきたいと思います!

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いちばんの見どころ!真風涼帆さんの2役演じ分け!

私が個人的にいちばんの見どころだと思っているのは、真風涼帆(まかぜ すずほ)さんが早替わりであっという間に役を切り替える「演じ分け」だと思っています!

真風さんが演じるのは、400年続く貴族であるエドワードとローレンスという双子の兄弟です。

主人公は弟のほうのエドワードで、家督を継いでいるのは兄のローレンス。

ローレンスのほうは気弱で病弱で情けない印象ですが、弟のエドワードはそんな兄にイライラしているしっかり者。

この2役を真風さんが演じ分けます。

真風さんがどこまで初演の久世星佳(くぜ せいか)さんの役作りを踏襲されるか分かりませんが、久世さんが演じた兄のローレンスは、ロン毛。


真風さんがトップになってから演じた役で髪が長いのは2019年の『エル・ハポン』以来でしょうか。

面長の真風さんは長い髪がとても似合いますので、まずこのビジュアルが絶対に素敵であろうことは間違いなし!

そして、劇中ではいまローレンスが話してたのに、いつの間にかエドワードに変わっていたりして「えっ?!いつの間に?!」なんていう仕掛けもあります。

本筋以外でこのように楽しめる演出がたくさんあるのが大きな見どころのひとつですね。

正塚作品での真骨頂「男の友情」もバッチリ!

正塚先生と言えば、男の友情を描かせたら劇団随一。

つまり、男役さんが最高に輝けるような役をたくさん用意してくれるので、男役さんを推しているファンにとっては贔屓の活躍がたくさん見られます。(逆に娘役さんにあまりいい役が無い…)

主人公以外で「いいお役だな~!」と思えるのは、4役。

・エドワードの悪友、リチャード(桜木みなとさん)

・銀行の頭取、ウィリアム(瑠風 輝さん)」

・羊飼いのヘンリー(亜音有星さん)

・ウィリアムの父、トーマス(凛城きらさん)

大人気の正塚作品「メランコリック・ジゴロ」でも主人公と悪友が丁々発止をして爆笑を呼びますが、バロンの末裔でもやっぱり主役のエドワードと悪友リチャードの丁々発止、銀行頭取のウィリアムとその父のトーマスの丁々発止がもうお見事!

特に、真面目なウィリアムが、腹黒いトーマスパパを叱り飛ばす場面がおすすめです。

他にもまだまだたくさんの素敵なお役があって、みんなキャラが立っていて、出番の多い、少ない関係なくとても印象に残ります。

それも初演メンバーの皆さんの演技力が素晴らしかったからでしょうね。

宙組メンバーにも期待です!

ミュージカルとしての見せ場もたくさん

男たちの生き生きした丁々発止以外にも、のめり込める見せ場はたくさん!

各登場人物が出てくるプロローグも、ミュージカルっぽく群舞で華やかに登場。

主題歌である『I Wish』がとてもいい曲で心をグッと掴まれます。

作曲は、宝塚歌劇団を代表する作曲家、高橋 城(たかはし くに)先生。

「心の翼」や「ブラックジャック」などの、いまだに歌い継がれる名曲をたくさん生み出していらっしゃった大先生です。

そして正塚芝居と言ったら、二人芝居。

特に惹き込まれるのは、主役のエドワードとヒロインのキャサリンが森の奥で話す場面は2人とも涙涙の大熱演です。

印象的だったのは、狩り用の猟銃をキャサリンがふざけてエドワードに向けてしまうところ。

弾が入っていなかったのでキャサリンは遊び半分でそんなことをしてしまうんですが、軍人であるエドワードにしてみたら、ふざけて銃口を人に向けるなど絶対にしてはいけないことと知っています。

それまで和やかな雰囲気だった2人がこのアクションで一気に流れが変わり、シリアスで張りつめた空気になり…という展開がお見事でした。

芝居力が試されるバロンの末裔、宙組生の健闘は如何に!

正塚先生の作品では、飲み物を飲むシーンでは実際にグラスに水が入っていたり、銃声は音声ではなく火薬を使うなど、「リアリズム」を追求している演出が多く見られます。

それと同じように、台詞運びも宝塚っぽいオーバーアクションではなく、「いかに自然に言うか」を正塚先生は大切にしているようです。

ドラマや映画でなら自然な演技も活きますが、2階後方席まで感情を届けつつも「自然に」というのはかなり難しい技術のはず。

本当の芝居力が試されるような正塚作品を宙組全ツメンバーはどのように見せてくれるのでしょうか!