『INTO THE WOODS』が千秋楽を迎えた2月13日、ビッグニュースが飛び込んできました。
望海風斗さんが『ドリームガールズ』の主演を務めることが、発表されたのです!
トニー賞6部門受賞、大人気ブロードウェイミュージカルの、記念すべき日本初演です。
2023年2-3月、東京国際フォーラムC、梅田芸術劇場メインホール、その他の地方公演は調整中だそうです。
今年秋にはチケット発売予定です。
来年が待ちきれませんね。
地方公演は、どこを回ってくださるのでしょうか。
主役はディーナ! モデルはダイアナ・ロス
『ドリームガールズ』は、何度も来日公演をしているので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。
筆者の知っている来日公演は、エフィが主役だったのですが、今回は1988年版の台本での上演とのことです。
この年はディーナが主役だったのでしょうか?
1988年版が、他の公演とどう違っていたのか。
残念ながら調べがつかなかったのですが、地方公演ではなくブロードウェイでの上演だったようですので、フォーラムCのサイズに相応しい内容なのだと思っています。
映画版の『ドリームガールズ』では、ビヨンセがディーナです。
この映画は多くの賞を取っていますが、ゴールデングローブ賞・主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)に、ビヨンセがノミネートされています。
クレジットではカーティスが主役の扱いのようにも見えます。
しかし主演女優賞ということは、ディーナが主役と言って間違いないと思います。
望海さん主演の『ドリームガールズ』は、映画が予習に適しているかもしれません。
映画では、ビヨンセの圧倒的な歌唱力とパワーに、圧倒された方も多いでしょう。
サントラCDも全米一位の大ヒットとなった映画は、魅力的な音楽に溢れていました。
映画で追加された曲も多いので、全てとはいきませんが、望海さんが歌うと思うと、ワクワクしますね。
ディーナのモデルは、アメリカが誇るディーヴァ、ダイアナ・ロスです。
時代を超えて、誰もがその歌声を耳にしたことがある歌手でしょう。
ビルボード全米一位を取った回数は、ビートルズに次ぐ二番目という記録を持っています。
その映画化でディーナを演じたのが、ビヨンセです。
ダイアナ・ロス、ビヨンセというディーヴァの遺伝子を、望海さんが引き継ぐことになるわけですね!
さすが梅芸さん、わかっていらっしゃるとしか、言いようがありません。
惜しむらくは、ディーナと同じグループのエフィの方が、歌が上手いという設定です。
エフィにどんな凄い方が来るのか、ワクワクしますね!
挑戦し続ける姿勢に感服
先日終了したばかりの『INTO THE WOODS』。
そして次の『next to normal』。
望海さんの挑戦は、常に意欲的であることに、感心せずにはいられません。
男役トップさんの退団後の初ミュージカルと言えば、ほとんどがシングルのヒロインだと思います。
もちろん美女役で、華々しいデビューを飾るのが常です。
エリザガラコンは、OGイベントですので横に置きまして。
『INTO THE WOODS』は呪いのかかった魔女役です。
『next to normal』はタイトル通り、主人公が普通ではない設定です。
大きな子供を持つ母であり、不倫もあれば、精神の均衡を欠いた役でもあります。
望海さんと共にWで主役を務められる安蘭けいさんも、歌が上手いことで定評のあった、元男役トップさんです。
しかし安蘭さんは、退団後だいぶ時間が経っていますし、こういう危うい役を得意とされている人です。
退団後すぐの男役トップさんが挑む役ではないと思ってしまうのですが、あえて難役に挑む望海さんの姿勢は、ほんとにかっこいいと思います。
そして『ドリームガールズ』のメインテーマの一つは、人種差別です。
望海さん演じるディーナたちも、黒人であるがゆえに差別を受けます。
また恋愛のドロドロもあり、盗作されたりしたりと、人間の醜い部分も描き出します。
次々に歌い上げられる曲の数々に目を奪われがちですが、非常に難しい題材を扱っています。
タカラジェンヌは、すみれコードの中で演技をされます。
『next to normal』や『ドリームガールズ』は、赤裸々な部分が出てきますので、ファンにはショックな部分もあると思います。
退団された贔屓を追う、宝塚ファンの大きな試練の一つですね。
おそらく退団前から、どういった作品に出るべきか、ファンがどう受け止めるのか、悩まれるのだと思います。
望海さんは『INTO THE WOODS』『next to normal』『ドリームガールズ』と、歌が難しく、なおかつ大きな問題提起が含まれている作品を、選ばれています。
はっきりとした軸がある、ぶれない作品選びに、望海さんが次のステップに向けて走り出した姿が見えるようです。
これからも挑戦を続けるであろう望海さんを、応援し続けたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。