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『心中・恋の大和路』キャスト&徹底解明!

宝塚歌劇についての雑記

宝塚雪組のシアタードラマシティ公演・日本青年館公演として7月20日から始まる、『心中・

恋の大和路』。

今年の3月より『夢介千両みやげ』にて雪組デビューを果たした和希そら(かずき そら)さんですが、早々に雪組スターとしての主演作品が決定、しかも初の東上。

これは正式な雪組3番手スターとしての足固めの始まりと言っていいでしょう。

しかも作品は宝塚の和モノの名作と言われている『心中・恋の大和路』ということで大きな話題となっています。

『心中・恋の大和路』がなぜ名作と呼ばれるのか、初日に向けて詳細に見どころをご紹介していきたいと思います!

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【心中・恋の大和路】名場面は圧巻のラスト!

いきなりラストのご紹介になってしまいますが、『心中・恋の大和路』はとにかくラストシーンに向けて全ての場面が用意されていると言ってもいいほど、とにかくラストシーンが圧巻です。

大和路(現在の奈良県に向かう道)を進む主演コンビの行く末を祈りながら、主人公・忠兵衛(ちゅうべえ)の親友である八右衛門(はちえもん)、または忠兵衛が営む飛脚屋・亀屋の使用人の与平(よへい)が主題歌を壮大に歌い上げます。

この壮大な主題歌は作品のところどころで登場します。

エレキギターが響くとてもドラマチックな曲調に、「歩み続けて」という歌詞が何度も何度も登場する、とても印象深い曲です。

この場面のソロ歌唱を担当する生徒さんの力量で全てが決まってしまうと言っていいほど、大変重要な曲ですので、つまりはスーパーシンガーにしか与えられない貴重な役。

これまでにこの役を演じてきた生徒さんは錚々たる面々ですので、今回のキャストの中で誰がこの役を射止められるのか、大注目です。

【心中・恋の大和路】過去のキャストを一挙おさらい!

まず、メインキャストの人物紹介を先に少ししておきましょう。

亀屋 忠兵衛(かめや ちゅうべえ)

今で言う運送会社でしょうか?当時は飛脚屋と言います。飛脚屋は物と一緒にお金を預かって届けるのも業務内容のひとつで、客の大金を預かる仕事でした。

その飛脚屋、亀屋の主人が忠兵衛です。もとの生まれは農家でしたが、亀屋に養子に出され、今は先代の後を継いでいます。

梅川(うめがわ)

忠兵衛が惚れ込んでいる遊女です。大阪市の新町にあった遊郭のひとつ、「槌屋(つちや)」(おそらく架空)に所属しています。現在の場所で言うと、大阪メトロ四ツ橋線の本町駅と四ツ橋駅の間くらいにあります。

忠兵衛とは本気で愛し合う仲ですが、忠兵衛が梅川を身請けしたいと思っている間にも、田舎の金持ち客が先に梅川を身請けしたいと申し出てきたので、忠兵衛が身請け金を集めるのを待っています。

八右衛門(はちえもん)

忠兵衛の友達です。一緒に遊郭に行って遊んだりする悪友ってところでしょうか。

かもん太夫

梅川の先輩遊女です。「太夫」は遊女の中で最高位ですので、いわゆる「花魁」。

梅川より先に常連客に身請けされ、「女の幸せはもっと未来を見据えて決めたほうがいい」と梅川にアドバイスを残し、幸せそうに遊郭を去っていきます。

今で言うところの「結婚は愛だけじゃ幸せになれない」という意味ですね。

与平(よへい)

亀屋の使用人。かもん太夫に一目惚れしましたが、叶わぬ恋だと諦めます。主人である忠兵衛の行く末をいつも心配そうに見守っている心優しい男。

妙閑(みょうかん)

亀屋に養子に入った忠兵衛の義理の母です。最近お客様からお預かりしたお金の受け渡しが遅れているという噂を聞き、忠兵衛の素行を怪しんでいます。

孫右衛門(まごえもん)

忠兵衛の本当の父親。新口村(にのくちむら)(現在の奈良県橿原市新口町)で百姓をしています。

庄助(しょうすけ)

亀屋の使用人。紳士でスマートな立ち振る舞いをする少年で、同じ使用人のおまんから恋心を寄せられている。歴代スターが演じてきた豪華な配役が特徴。

注目のラストソロは一体誰が?!

直近の3回は雪組が公演している『心中・恋の大和路』ですが、初演は星組で瀬戸内 美八(せとうち みや)さん主演、再演は月組で剣 幸(つるぎ みゆき)さん主演です。

初演の大好評を受けて、和モノが上手なスターさんが代々抜擢されてきたのでしょう。

近年は「和モノ=雪組」という特長がはっきりしているので、雪組の専売特許のようになっていますね。

8年ぶりの再演となった今回の主演は和希そらさん。

和希さんは宙組で育ったスターさんですので、むしろ和モノはほとんど経験がありません。

この点では過去にない異例の抜擢と言えそうです。

書籍『歌劇』でのインタビューで、担当演出家の谷先生は「和希の代表作にしてほしい」と劇団から重々託されていることを明かしています。

「あの」心中・恋の大和路を演じたスター・和希そら、という箔をつけたいという劇団の意向が見えますね。

ダンスも歌も桁違いの実力を見せている和希さんに、最後の武器「芝居」を身につけさせてやりたいという思惑のような気がします。

そして今回の再演で注目が集まっているのが、最後のソロを誰が歌うのか。

過去の配役を見てみると、1998年は与平役の未来優希さんが、2014年は八右衛門役の未涼亜希さんが担当しています。

つまり、役で決まっているのではなく、メイン出演者の中で最も適している生徒さんを選出しているようです。

今回の八右衛門役は凪七瑠海さん、与平役は諏訪さきさんです。

シンガーという点では諏訪さきさんのほうがイメージが強いですが、専科の凪七さんにこの大一番の場面を任せないという選択も考えづらい。

思いっ切り大穴を狙っていけば、歌唱力もかなり高い和希さんが自分で歌ってしまう可能性もなきにしもあらず、でしょうか(笑)

他にも、各キャストがいろいろな場面で長いソロを歌う場面が多いので、「この下級生、こんなに歌えるんだ!」という新たな発見がありそうなところも楽しみのひとつです。

また、のちにスターになっていた生徒さんが代々演じてきている庄介役にキャスティングされた、105期生の紀城ゆりや(きしろ ゆりや)さんにも注目です!

紀城さんは姉妹ジェンヌで、お姉さまは元宙組の愛海ひかる(まなみ ひかる)さん。

庄介の台詞や出番は少ないですが、未来のスター候補ということで舞台姿をしっかり確認したいですね。

いまだにコロナの影響でいくつかの公演が中止になってしまっている宝塚。

『心中・恋の大和路』は公演期間も短いですし、どうか無事に初日の幕が開きますように!!!