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美稀千種さんと齊藤吉正先生が異彩を放つ星組公演

宝塚歌劇についての雑記

宝塚大劇場星組公演「ディミトリ〜曙光に散る、紫の花」「ジャガービート」が上演中です。

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ジャガービートの出演者を調べてみた!登場人数が格段に多い!

齊藤吉正先生のジャガービートがなぜここまで激盛りなのか?

インパクトが強すぎる秘密は何かと思い、直近の他組のショーと数字で比較してみました。

月組「グレート・ギャッツビー」と雪組「蒼穹の昴」は一本物なので、花組と宇宙、星組の各公演プログラムのショーの名前を延べ人数でざっくりカウントしてみました。
(フィナーレはどの組も除きました。)

花組
「Fashionable Empire」474名

宙組
「Capricciosa!!」490名

星組「JAGUAR BEAT』635名!

 もちろん人数が多ければいいというものではありませんし、人数を絞ってのダンスや会場を包み込むソロの歌のシーンも大好きです。

しかし、こうして数字で見ると納得できました。

延べ150人以上多く出演されると迫力が増し増しになりますよね。

NOW ON STAGEで礼真琴さんが「舞台裏はバタバタで大変」とおっしゃっているのも納得です。

ジャガービートはタイムパフォーマンスが最高にいい作品!

タイムパフォーマンスという言葉を最近知りました。

視聴者が芸術作品を効率よく知りたいという事から映像作品を倍速再生して短い時間であらすじだけ把握したりするそうです。

より短い時間で多くの作品を楽しみたいという人が多くなったからのようですが、少し味気ない気もします
 
そして今回の齋藤吉正先生のジャガービートですが、50分という限られた時間で濃密で凝縮したショーを体験できるという意味で、最高にタイムパフォーマンスがいい作品だと思います。

最初から最後まで見どころが怒涛のように押し寄せてきます。

音楽もずっとサビ、踊りもずっとクライマックスの連続です。

視覚的にもギラギラとしてこれ以上ないほど派手で華やかでした。

タイムパフォーマンスという言葉は芸術作品をかいつまんで鑑賞するというややネガティブな意味で使われますが、ジャガービートのようにどの場面もクライマックスと言った作品に賞賛として使ってもいいのではないでしょうか。

齊藤吉正先生には今後もこんなインパクトのあるショーを生み出していただきたいです。

美稀千種さんの存在感がすごい!

「ディミトリ 曙光に散る、紫の花」は
13世紀ジョージアの物語です。

隣国から人質として連れてこられたディミトリとジョージア女王ルスダンの愛の物語です。

登場人物は、ジョージアの民族衣装も豪華で宝塚らしい華麗な世界です。

その中で立ひときわ異彩をはなつのが、組長美稀千種さんです。 

物乞いの役柄ですが、預言者とストーリーテラーもされています。

原作では預言者としては覚えていましたが、こんなに強烈だったかなと原作を読み返しました。

たしかに物乞いの容姿について「ぼろぼろの服をまとい髪も髭も剃り上げた元僧侶」と描写がありました。

その通りなんですが、あまりにも衝撃的なビジュアルで忘れられません。

坊主頭はもちろん落ち窪んだ眼がドクロを思わせるほど不気味です。

役柄とはいえ、役を追究される姿勢にただただ感嘆です。

美稀千種さんの物乞い(預言者)の存在とリラの花の妖精によって、礼真琴さんのディミトリと舞空瞳さんのルスダンの王子様と王女様感が強調され、おとぎ話のような雰囲気が出ていました。

11月号「歌劇」で生田大和先生は、美稀千種さん演じる物乞いについて「物語の枠組をとっぱらった、正体不明なものの視点で描いたら面白いかも」と書かれています。

美稀千種さん演じる物乞いは原作ではエッセンス的に出てくるのですが、舞台ではとても印象的に登場していています。

ディミトリとルスダンのロマンス、ジョージアの歴史物語だけでなくファンタジーでミステリアスな異世界感を舞台に与えています。

美稀千種さんは79期生です。

初舞台は1993年4月「BROADWAY BOYS」です。

2020年から星組組長さんをつとめられています。

組長では宙組の寿つかささんに次ぐ上級生です。

組長として星組をまとめられているだけでなく、役者さんとしても舞台で存在感のある美稀千種さんにこれからもご活躍していただきたいと思います!

ライター・さんなん