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「うたかたの恋」の世界をより深く知るおすすめの本を紹介

宝塚歌劇についての雑記

宝塚歌劇団花組の大劇場公演「うたかたの恋」。
現在、残念ながらコロナの影響により中止となっています。
さて、本日、再開のニュースがでるか、宝塚ファンにとっては、気になるところです。
さて、この「うたかたの恋」は実際に起こったオーストリア皇太子と男爵令嬢の心中事件をもとに描かれたミュージカル作品です。

宝塚歌劇での初演は1983年ですがその後も関連書籍が出版されています。
 
主演の柚香光さんもタカラヅカ・スカイステージのNOW ON STAGEで数年前に花組「エリザベート」でルドルフ役を演じて以来惹きつけてやまないとトークされていました。

私も「うたかたの恋」の背景をより知りたいと思い、いくつかの書籍を読みました。

この作品の登場人物やモチーフについてより深く知ることができる本をご紹介します。

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「うたかたの恋」をもっと深く知ろう

うたかたの恋と墓泥棒(著)ゲオルグ・マルクス (訳)浅見昇吾 青山出版社

1997年12月に出版されています。

筆者ゲオルグ・マルクスのもとにマリーヴェッラの遺骨を持っているという人物が現れたところから始まります。事件当時の関係者の証言や残された遺書を書き留めた文書などから当時のルドルフ皇太子の置かれた状況を明らかにしていく内容でした。

「うたかたの恋」に熱狂し墓をあばくという乱暴な出来事ですが、マリーの遺骨から心中事件の詳細がより明らかにされたという点では事件の解明に近づいたのでしょうか?

「うたかたの恋」の真実―ハプスブルク皇太子心中事件 (著)仲 晃 青灯社

2005年12月に日本人の著者によって出版されています。上記のうたかたの恋と墓泥棒についても参照している部分もあります。当時のルドルフ皇太子についての人物像、時代背景、事件当時の状況について詳しく書かれています。

別冊歴史読本 皇妃エリザベートとハプスブルク家 新人物往来

ルドルフ皇太子の母エリザベート(華雅 りりかさん)を中心に歴代ハプスブルク家の人々を紹介している本です。

ルドルフ皇太子はもちろん、皇帝フランツ・ヨーゼフ(峰果とわさん)皇帝の愛人シュラット夫人(糸月雪羽さん)フェルディナンド大公(永久輝せあさん)ソフィー・ホテック(美羽愛さん)、ジャン・サルバドール(水美舞斗さん)と演じるミリー・ステュベル(星空美咲さん)についても記述がありました。

永久輝せあさん演じるフェルナンド太公はルドルフの後にオーストリア皇太子となり、第一次世界大戦のきっかけとなるサラエボ事件で暗殺されてしまいます。

スピンオフ作品が無数にできそうなほど一人一人がドラマティックな人生を送っておられています。

公演プログラムにもあるドクロの写真

宝塚大劇場の公演プログラムに、ルドルフ皇太子に扮する柚香光さんがドクロをかかげているカットがありました。

「うたかたの恋と墓泥棒」によるとドクロは知人の解剖学者から譲り受けたものだそうです。

皇太子の部屋には実際にドクロとピストルが置かれており自殺願望を周囲にアピールしていたとも言われています。

ブラッドフィッシュとの関係について

ブラッドフィッシュはルドルフ皇太子専属の御者で聖乃あすかさんが演じておられます。

航琉ひびきさん演じる従僕ロシェックとともに事件の第一目撃者です。

歌や口笛の上手さからルドルフ皇太子の目にとまり御者となったそうです。

マイヤーリンクでもルドルフ皇太子とマリーが何度もその歌をリクエストしたそうです。

またブラッドフィッシュは事件の内容を生涯口外しなかったそうです。

劇中でも柚香光さんは心から気を許している感じで「ブラッドフィッシュ!」と呼びかけておられますね!

・鹿!

ショー「ENCHANTEMENT(アンシャントマン) -華麗なる香水(パルファン)-」のムスクのシーンで巨大な鹿の首が登場します。

ムスクにちなんでかと思っていましたが、「うたかたの恋」の冒頭に「マイヤーリンクに狩りに行こう」という超有名なセリフがありますね。

事件の舞台はルドルフ皇太子のマイヤーリンクの狩猟用の別荘です。

もしかして巨大な鹿はルドルフ皇太子皇太子が狩った鹿のイメージかしら?と思いました。

二本立ての演目の時はお芝居とショーは別物と思っていたのですが、今回のショーでは所々「うたかたの恋」とリンクしているかなと思う場面がありました。

・美しくて哀しい物語だけど現実は残酷

史実のルドルフ皇太子の人生はハードで、マリーの死後の扱いはかなり残酷でした。

後世の人々が哀しいけれど美しい物語に昇華させようとしたのもうなづけます。

ライター・さんなん