宝塚歌劇団雪組の全国ツアー『愛するには短すぎる』『ジュエル・ド・パリ!!』が、8月25日より始まりました。
「ザ・宝塚」ともいうべき、華やかなポスターに、全国の皆様の期待も高まっているのではないかと思います。
『愛するには短すぎる』は宝塚初見の方にもわかりやすく、宝塚の魅力のぎっしり詰まった良作ですから、きっと宝塚沼にハマる方続出でしょう。
その一方でまず、『双曲線上のカルテ』のNOW ON STAGE延期のお知らせがありました。
そして『愛するには短すぎる』の休演者のお知らせ。
なんとなく嫌な予感がしながらこの原稿を書いていた時『双曲線上のカルテ』休演者のお知らせが入ってきました。
雪組さんに何らかの感染症が広がっているのかな?
そんな不安が頭をよぎります。
そこで今回は、雪組さんの休演者を確認していきます。
最後までお読みいただければ、幸いです。
『愛するには短すぎる』休演者は?
全国ツアー開始前日の8月24日に、休演者が発表されました。
宝塚歌劇公式サイトから引用します。
○(雪組)透真 かずき 8月25日(金)15:00公演より休演(復帰時期未定)
■代役『愛するには短すぎる』
ロバート・ストックトン 透真 かずき→天月 翼
オレステス・カラマンディス 天月 翼→麻斗 海伶
エリック 麻斗 海伶→壮海 はるま
ルイス 壮海 はるま→絢斗 しおん○(雪組)妃華 ゆきの 8月25日(金)15:00公演より休演(復帰時期未定)
■代役『愛するには短すぎる』 ヴィクトリア・スノードン 妃華 ゆきの→琴羽 りり
リリー 琴羽 りり→瑞季 せれな
ロバート・ストックトンは、派手な服装をしたバレエ団の団長さん。船内で起こる盗難事件の被害者です。
物語の重要人物ですね。
雪組の頼れる名優透真さんの代役を務める天月さんのプレッシャーは、いかばかりでしょうか。
しかし『蒼穹の昴』では、ベテラン上級生と見まごう演技を見せてくれた、天月さんです。
話のキーパーソンを立派に演じてくれることでしょう。
ヴィクトリア・スノードンはスコットランド貴族の乗客です。
夫のエドワード・スノードン(真那春人さん)が、なんと愛人のキャサリン・リパートン(有栖妃華さん)も乗船させていて、ひと悶着あります。
初演と再演が英真なおきさん、万里柚美さんという超実力派コンビでした。
101期生の琴羽さんのプレッシャーは大きいと思いますが、頑張って欲しいです。
きれいなお声が印象的な、娘役さんですね。
透真さんの休演により、3人の方が玉突きで役が変わっているのですね。
『愛するには短すぎる』は比較的セリフが多く、会話で笑わせる演目なので、皆さんの負担が大きくないかな、と心配です。
宝塚は常にアンダーが用意されていますから、皆さま立派に務めてくださるという安心感があります。
SNSによると代役とは思えない仕上がりのようで、一安心です。
もちろん大変なのは生徒さんたちだけではありません。
以前歌舞伎で休演があった時「役者は家でセリフを覚えればいいけど、衣装さんはそうはいかないから大変」と市川猿之助さんが仰っていたのを思い出します。
役者の立場からの謙遜の言葉だとは、当然理解しています。
しかし全国ツアーでは、衣装直しも本拠地と同じようにはいかないでしょうから、スタッフさんのご苦労もひとしおでしょう。
国際フォーラムで開催された星組『LOVE & DREAM』だったと思うのですが、舞台に立っている演者よりもスタッフの方が多いのだという話を、北翔海莉さんがされていました。
宝塚の皆さんの努力の元に成り立っている舞台なのだと、改めて実感させられます。
『双曲線上のカルテ』休演者は?
NOW ON STAGEが延期になった時点で、主要キャストに何かあったのかな、と心配はしていましたが。
8月27日の発表には、驚いた方も多かったのではないでしょうか。
○(雪組)縣 千 8月28日(月)15:00公演より休演(復帰時期未定)
■代役『双曲線上のカルテ』
ランベルト・ヴァレンティーノ 縣 千→眞ノ宮 るい
ルカ(看護士) 眞ノ宮 るい→絢月 晴斗
先日行われた、大阪・関西万博記念貨幣の打初め式で、とびきりの笑顔を見せていた縣さんの休演です。
この休演の報で、改めて今公演のポスターを公式サイトで確認しました。
今回は、主演の和希そらさんの一人写りなんですね。
初演の早霧せいなさんの時は、ランベルト・ヴァレンティーノ役の夢乃聖夏さんがポスターインしていた、重要な役どころです。
眞ノ宮さんなら堂々と務めてくださると思いますが、主演とやり合いその秘密に気づくという重要な役なので、お稽古のやり直しなど大変だろうと想像しています。
休めることはいいことです
このところ休演のお知らせが多く、宝塚歌劇Pocketからの通知に戦々恐々としている方も、多いと思います。
その一方で、きちんと休めることは生徒さんにとっていいことなのだと、実感している方も多いのではないのではないでしょうか?
体調が悪ければ無理せず休む。
そんな当たり前のことが宝塚にも広まっているのは、喜ばしいことです。
骨折したまま舞台に立ったり、毎日点滴を受けながら舞台を継続したり、痛み止め注射でごまかしながら踊り続けたり。
OGさんが語る現役時代の話は、本当に心が痛いです。
また現在、再びコロナの感染が広まっています。
先日、急性期医療に特化した大きな病院の看護師さんとお話をしたのですが、現在発熱外来に来る方の8割がコロナ陽性で、病院はパンク寸前なのだとか。
もし誰かがコロナになったのに、舞台に穴をあけられないと無理をすることで、組全体が止まってしまう可能性を考えれば。
勇気ある自己申告も必要です。
もちろん、今回の休演がコロナによるものだというものではありません。
先程も書きましたが、宝塚にはアンダーが用意されています。
生徒さんが自分の体を第一に、休める体制は整っています。
宝塚のファンは休演でも愛を持って待っていますので、これまでよりも休みやすい、アフターコロナの世界が宝塚に広まってくれるなら嬉しいな、と感じました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。