宝塚歌劇のファンをしていると何の作品が来るのだろう?と同時に作品タイトルにトップスターの退団フラグがついていないか、何か匂いはしないか、二本立てなのか一本立てなのか、はたまた演出の先生は誰なのか、
一つの情報から数多の深読みや分析をしたがるこれこそがヅカヲタあるある。
いわゆる王道サヨナラ案件は藤井大介先生のショーでアデューとかラストとかスター本人のネーミング入りや◯◯のスターの魅力を散りばめたなどのニュアンスの説明書きがあったら98%の確率で『ついに。』と覚悟を決めるものです。
しかし最近は実に読みにくいです。
トップスターにコンサートが決まればそろそろ?かと思えばそれを2回やるスターさんも増えています。退団公演は二本立てが主流なところ、真風さんは異例の一本物での退団が決定。
兎にも角にもトップスターのファンにとって公演ラインナップ発表ほど緊張するものはありません。
そして先日ようやく花組さんの次回演目が発表されました。
2023年 公演ラインアップ【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】<2023年7月~10月・花組『鴛鴦歌合戦』『GRAND MIRAGE!』>
…そうですか。…わかりました。
なんでしょうね。
この拍子抜けるような感覚と言いますか、嬉しいのに飛び上がるような驚きも無く、ビックリするような感覚でもなく、更に嘆くようなこともなく…何の匂いも今の所してきません。
とりあえずまた二本立て?!という驚きはありましたが星組さんが1789を発表されていたのでもしかしたらまた二本立てかもしれないという覚悟はありました。
柚香光さん星風まどかちゃんの花組トップコンビが安定してすっかり定着したので花組は暫くこのまま走ります宜しくお願いしますという風にも受け取れるような最近の公演ラインアップ。
ということでAmazonプライムにて鴛鴦歌合戦を見てみました。
何故、小柳先生は、この映画を舞台化しようと思ったのだろう?無能な私には正直最初あまり理解が出来なかった。
しかし…それと同時に…いや…小柳先生と柚香さん率いる花組はきっと今の私のモヤモヤ感情を覆してくれるに違いない!という期待に変わりました。
物語のなかで壮大な背景やテーマがあるわけでもない。
ジェットコースターのような波乱も無く下町に生きる人間たちの明るく軽快なハッピー恋物語。
戦前の暗い世界を盛り上げるような言わば社会的話題作のような存在。
私は小柳先生のバウホール処女作品の『SLAPSTICK』という作品が大好きでした。
ドタバタ喜劇映画を製作する人々のちょっぴり切ない物語。
あの作品が小柳作品の礎になっているようにも思えます。
苦しく辛い時代だからこそ明るくハッピーに生きようとする人々の熱い想い。
小柳先生の作品はカラッと明るく笑えるのになんだかホロッと泣ける。
まるでちびまるこちゃんを見ている感覚です(わかりづらいですね)
しかしその感覚こそ、今のこの暗い時代に求められる作品なのかもしれません。
そんなことを鴛鴦歌合戦を見て感じました。
とびきりにキュートで何の捻りも無く幸せそうに生きているその世界が今私たちが求めている世界なのだと。
そしてそして岡田先生のロマンチックレビューが来ましたね。
私の幼少期は岡田先生のダンディズムで育ち毎日ビデオを再生しないと気が済まないくらいに好きな作品でした。
最近のショー演出家さんたちの作品は垢抜けていてポップで現代的な演出が多い傾向がありますが、岡田先生の王道なクラシカルで愛と浪漫溢れたこれぞ宝塚歌劇団!というようなショーも素敵ですし私自身はとてつもなく欲しております。
男役は男役らしく、娘役は娘役らしく、
清く正しく美しく。大事な教えであり教訓であり初心忘れべからずです。
スタイリッシュで垢抜けて止まない柚香光さん率いる花組さんに一体どんな作品を岡田先生は手掛けてくださるのか盛大に期待をしております。
男女の甘く蕩けるようなショーの場面は最近あまりショーで見ておりませんのでそんな王道の宝塚浪漫を是非れいまどコンビで観てみたいものです。
演目で人事を読みたがるヅカヲタと題してお話ししてきましたが、散々あーでもないこーでもない討論をして分析しても、結局行き着くところは『次回の作品も楽しみ!』という結論に至ってしまいますね。
そしてこの記事を書き終えた後に、水美さんの専科異動が発表されました。
次の作品にも当たり前のように水美さんは出演されると思っていたので正直驚きが隠せませんでした。
花組にとって大きな損失ともなる存在ですが、専科スターとして今まで以上に活躍の場が広がり今まで共演することが叶わなかった同期と仕事が出来たらそれもまた新しい夢に繋がりますね。
水美さんにとってこの選択が素晴らしい夢の架け橋となりますよう心より願っております。
こちらの人事発表により、水面下では花組が少しずつ形を変え動き出しているのだなぁと実感し、寂しくもありますが今後変わりゆく新しい花組も希望に満ち溢れていますよう願わずにはいられません。